第十二話
~第一章~
第十二話『東京迷宮 小金井・空中庭園編 その3』
「おかえりなさい~お二人共ご無事でなによりですわ・・・」
宿の部屋に戻ってくると
そこにグリーンさんが待っていました
ラインさんから、話を聞いたみたいで
かなり心配してて・・・
だからかな、戻ってくるなり
あたしとアクアちゃんはグリーンさんに抱きしめられて
初めて見たグリーンさんの涙・・・
心配させちゃったみたい
「ごめんなさい、グリーンさん・・・でも、ラインさんが助けてくれました」
「グリーン様・・・心配させてしまって、申し訳ありません」
3人でこのままお話をすることになったよ~
風の遺跡の謎が少しだけわかったんだって
グリーンさんだけ、真面目に・・・
「唯ちゃん・・・気にしなくていいのよ、年上に任せておけばね(^_-)-☆」
もう、グリーンさんは心を読めるってことでいいよね??
あたしの思っていること、わかってるもん
アクア(ワタシも、そう思うことにしました・・・もしかしたら、パッシブかもしれません)
あれ??
スキルとかじゃないって言ってたのに・・・
アクアちゃんでもこういうのあるんだね
それともあたしに合わせてくれてるのかな??
アクア(いえ・・・修正は常に新しい情報を得たら、変更をするんです)
唯(あ、うん・・・そうだね、あたしもそうしよう)
って、特に今は何があるとかはないんだけどね
今後、そういうことがあったらってことだよ??
アクア(わかっていますから、不安にならないで下さい)
唯(う~ん・・・アクアちゃんに慰められた~♥)
別に不安にはなってはなかったけどね・・・
普通にアクアちゃんに優しくされると、嬉しい~♪
アクア(何ですか・・・恥ずかしいじゃないですか!!)
唯(えっ??)
恥ずかしい・・・!?
どういうこと??
あたしが恥ずかしいなら、わかるけど・・・
アクアちゃんに優しくされたことを嬉しいと思うと恥ずかしいの??
唯(そうなの??)
アクア(・・・それ普通に聞く!!)
あれれ・・・
何か、怒ってる??
どうしちゃったんだろう~!?
アクア(唯ちゃんの知識は不思議で・・・ワタシの思考が追いつけません、自分で思っている以上に純粋なんですよ・・・ワタシが惹かれる唯ちゃんの心は、常に・・・)
あれれ??
ものすごく顔が赤い・・・
本当に恥ずかしいんだ
悪いことしちゃったかも
唯(アクアちゃん、ごめんなさい・・・あたし、アクアちゃんのこと・・・)
アクア(いいの、いいのよ・・・そのままの唯ちゃんで、悪いことじゃないから!!)
必死になってる・・・
あたしはこのままでいいの??
無理に変えろと言われても難しいかもしれない
思うままに生きるよ、アクアちゃん~♪
アクア(それでいいです・・・絶対に変わらないで欲しい!!)
唯(うん、頑張る・・・自分では、どうしたらいいかわからないけど)
アクア(無理に考えないことです、唯ちゃんの素直な心をワタシに見せて下さいね??)
深く考えても、あたしじゃどうしようもないから
「二人共・・・気持ちは整理できましたか??」
グリーンさん・・・どこまでも、あたしとアクアちゃんのことを見守ってくれてるのかな
普通に二人の話を聞いているみたいだもん
「あ、はい・・・グリーン様、いつも察して頂いて・・・」
「いえいえ、お二人の笑顔が見られれば自分はそれで構いませんわ~♪」
グリーンさんの笑顔も素敵だよ・・・
あたしやアクアちゃんを見るときは
ほとんど笑顔なんだよね~♪ 素敵!!
アクア(ワタシもグリーン様の笑顔は素敵だと思います)
唯(うんうん・・・いいよね~♪)
アクアちゃんもあたしと同じように思ってる
共通な好きな感じがあるんだよ
もう、嬉しさで溢れてくるんじゃない・・・
「あ、グリーンさん・・・遺跡の秘密はわかったんですか??」
「それなんですが・・・実は、全くわかりませんわ~ほほほ!!」
え!?
何かわかったんじゃないの・・・
口を隠して苦笑いしてるし
アクア(ワタシも騙されました・・・心配をかけた仕返しじゃないですか??)
唯(え~!! そんなことしないでしょ・・・)
どういうことなんだろう
もう、本人に聞くしかないよね??
「グリーンさん・・・わかったんじゃないの??」
「あのね・・・後回しですわ!! 4人目を先に合流して、そちらの遺跡を攻略しようかと」
話が全く変わってるんじゃない
4人目?? あ・・・グリーンさんと一緒にって言ってた人かな
「ダイヤモンドの人だよね??」
「はい、自分もノゾミとラブラブしたくなりまして・・・ドジっ娘ですが、強い存在でありまわ」
ドジっ娘!?
そんな、ファンタジックな人間っているんだ~♪
ダイヤモンドって言うから、グリーンさん以上にお嬢様なイメージだったよ~!!
アリア(強い仲間なら、多少のドジっ娘でも問題はないかと思いますが・・・あ、ワタシも高貴なお方だと勝手にイメージしていました・・・シスターだと言ってましたし)
唯(そうだよね・・・神に仕える人って、そんなイメージだよね??)
「二人が戻る前に、ノゾミにここへ来るように連絡を入れましたわ・・・夜までには到着すると思います」
「そうか~楽しみだね、アクアちゃん??」
隣のアクアちゃんを見て
同じこと思ってるみたいだったから・・・
どうなの??
アクア(唯ちゃん・・・ワタシを試してますか??)
唯(うん!! わかっちゃった・・・少しだけ声を聞きたいだけってことで、お願い~♪)
ふふふ・・・アクアちゃんを試す唯の図
どうだ?? あたし、強気だね
「はい・・・楽しみです、グリーン様の認めた方なら」
「認めただなんて・・・恥ずかしいですわ~♥」
グリーンさんがモジモジしてるよ・・・
認めるって、どういう意味で使ってるの??
あたしの思っているのと違うみたいなんだけど~!!
アクア(はい、全く違いますね)
唯(即答って・・・どういう意味なの??)
アクア(・・・こういう意味でワタシとグリーン様は話をしているんだと思いますが!?)
あたしとアクアちゃんはデバイスのリンク機能によって
体内の宝石を共有させてお互いの気持ちや思っていることがわかり
それを、意識するだけで伝えることができる
心の中だけで会話も今のようにできるの
それで、今アクアちゃんから
認めるのあたしの思っていない意味を確認している
思想??だったかな・・・
心で思うことを相手に伝えることができる
それで、アクアちゃんとグリーンさんが思っていると教えてもらってるの
アクア(こういう意味合いで使っていました・・・と思いますが??)
グリーンさんのは直接聞いてみよう
でも、二人の会話はつながっている感じだったから
アクアちゃんが思っている、認めるというのはね
あたしとアクアちゃんみたいな関係だって・・・
愛のある二人同士ってこと
じゃあ、あたしとアクアちゃんも認め合ってるってことになるのかな
アクア(はい・・・その通りです、グリーン様へ確認してみますか??)
唯(うん、ちゃんと聞いてみたい~♪)
早速確認しよう~!!
あたしって、知らないこと多すぎるけど
知ろうと思う気持ちも多いかもしれない
「グリーンさんとノゾミさんは恋人同士なんですか~??」
この質問が一番わかりやすかったと思ったんだけど・・・
戸惑った反応をしている気がして
間違っちゃったかな!?
「唯ちゃん・・・こんなことを聞かれるとは思いませんでしたわ、恋人同士ではありませんが・・・そのような関係は自分としては『アリ』なんですが、ノゾミは宣教に夢中なんですわ」
若干、悲しそうな顔をしてる??
グリーンさんはノゾミさんとの関係を深くしたいみたい
でも、ノゾミさんは・・・あたしと同じような感じなのかな
恋愛に対しての気持ちが少ないのでは、あたしと同じ・・・う~ん!!
アクア(唯ちゃん・・・ワタシとの関係のようにライン様にと考えてますよね??)
唯(うん!! ダメかな・・・ノゾミさんの気持ち次第だとは思うんだけど~!?)
あたしは、気持ちがアクアちゃんに対してあったから
ラインさんのスキルで開花したんだよね??
だったら、やってみてもいいかと思う
曖昧なままは・・・あたしはイヤです!!
「まっすぐな心は、凄いですわね・・・自分は不安なんですわ、唯ちゃんのようになりますかね??」
「それは、ノゾミさんじゃないとわかんないじゃないですか!!」
「そうですわね・・・う~ん、ライン様・・・自分にもチャンスを下さりますか??」
あたしのほうが、呼びかけに応えてくれるかな
グリーンさんもラインさんと通じてるみたいだけど・・・
どうなんだろう??
アクア(何とも言えませんね、共にが相乗でいいのではないですかね)
唯(じゃあ・・・ラインさんに気持ちが届くように、してみる)
具体的な通信方法とかわかんないんだけど
何となく、心が通じている気がして・・・
ラインさん、あたしの心を見ているなら
グリーンさんとノゾミさんの恋仲もチャンスをできませんか??
「唯ちゃん・・・思った以上にお節介なんですわね、自分は世話焼きなので・・・受ける側は気恥ずかしい感じですわ、でも気持ちはしっかりと届いてますから・・・」
少しだけ、言っている意味がわかんないんだけど
あたしのやろうと思うことは、無駄じゃないんだよね??
あ、でもノゾミさんが気持ちが無かったら・・・無駄になっちゃうの
アクア(どちらになったとしても、唯ちゃんが無駄となることはありませんよ)
唯(そうなの??)
アクア(結ばれれば、それがいいかと思いますが・・・たとえ、ノゾミ様が気持ちを持っていないくても・・・ああ、それは考えない方がいいですね)
話す途中でアクアちゃんが
アクア(悪い方は考えないのがいいんです、なってから考えればいいので)
唯(おお~!! アクアちゃん、かっこいい~♪)
あたしが褒めたから??
アクアちゃん、赤くなってる・・・うふふ♥
「唯ちゃんの声が届いたようですわ・・・ライン様が来てくれるそうです!!」
「やっぱり、神さまなんだね・・・ラインさんは」
スゴ~い!!
あたしの声が届いたって・・・
でも、少し怖いかも
あ~!?
見守ってくれてるのかな
ん??
だったら、スキル・・・
そうだ、来るんだよね
直接聞いてみよう~♪
アクア(唯ちゃんは、怖いもの知らずな気がします・・・)
唯(え~あたし怖いもの多いよ・・・オバケとかイヤだし)
アクア(オバケ?? う~ん、不思議な存在ですね・・・死んだ後の、そういう概念が唯ちゃんの世界では考えられているんですか・・・興味深いです)
唯(アクアちゃん・・・オバケ知らないの??)
アクア(はい、今確認しましたが・・・アンデッドが近い意味合いですかね)
アンデッドって何だろう??
・・・
あ、本当だ~♪
不死の存在ってことだから
近いかも・・・
死んだあとにそうなったら、同じだもんね
「唯の頼みだからな、私も恋路に関しては興味もあるし・・・」
ラインさんだ・・・
神さまでも、女性は恋の話って興味あるんだね
あたしでもあるくらいだもんね
アクア(疎かったじゃないですか!!)
あれ、アクアちゃんが少し怒ってる??
何で・・・あたし怒られてるの!?
アクア(あ・・・もしかして、本当は男性と恋人になりたかったんですか!!)
ん!?
どういうこと・・・あたしが男性と恋人って
興味はあるけど、実際あたしがどうなるとかじゃなかったんだよね
見てるだけで展開が楽しみだったと思うんだけど・・・
アクア(物語の事ですか、だったらワタシの取り越し苦労です・・・すいません)
どういうことか、あたしにはさっぱりだった
まだ、恋愛は・・・あたしには早いのかもしれません
アクアちゃんとの関係は、もう出来上がったから
今更、やめることはしないよ
アクア(今の唯ちゃんの発言・・・少し、不安でした)
唯(うん、あたしも不安だった・・・自分で恋わかんないって、終わりにしたくないもん!!)
だから、わかんないことは
アクアちゃんがあたしに教えて欲しいの??
アクア(ワタシも詳しいとは言えませんが、可能な限り頑張る・・・というか、楽しむ!!)
笑顔のアクアちゃん
あたしも笑顔
「何だ、二人共・・・ラブラブじゃないか??」
「自分もノゾミとこのような関係を・・・ライン様、お手数をおかけいたしますわ」
「ああ、気にするな・・・唯とアクアを救った礼だと思えばいい」
「それは、使命に近いかと思いますが・・・」
「素直に、恩義だと感じてくれればいい」
「そうですか、わかりましたわ・・・ライン様」
これが・・・あたしとアクアちゃんの気持ちを結ばせたおまじない??
だよね、ラインさんが自分の口に指を当てて
その指をグリーンさんの口に当ててる
ラインさんのスキルがかかってたんだ~♪
それで、アクアちゃんがあたしに謝ってたんだよね
手段は選ばないって
アクア(それは・・・ワタシも本気で唯ちゃんを好きになってしまったからです!!)
一目惚れって本当にあるんだね、って思ったよ
出会ってすぐに恋人になりたいって感じるんだもんね
アクア(唯ちゃんもその気になってくれましたので・・・それだけで十分です)
唯(本当に、それだけなの??)
アクア(また・・・意地悪ですか!!)
あれ・・・この展開
また、アクアちゃんが泣いちゃうぅ??
唯(アクアちゃん、あたしにあまり要求とかしないから・・・もっと欲張ってもいいんじゃないって)
あたし、必死だ!!
もう本気でアクアちゃんのこと好きになってきてるんだ~♥
泣いている姿を・・・もう見たくない
アクア(ワタシが唯ちゃんに要求するんですか、どうなっても知りませんよ!!)
覚悟は出来てるよ!!
アクアちゃんにだったらね、何でも出来ると思うから
アクア(そうですか・・・では、考えておきます)
唯(何か、これ同じことしたよね??)
アクア(はい、しましたよ!!)
唯(ううっ・・・だったら、先に言ってよ!! あたしがバカみたいじゃないの)
逆にあたしがアクアちゃんに意地悪されたんじゃないのかな・・・
あたしの考えすぎ??
アクア(・・・ごめんなさい)
何で、謝るの??
このくらいのことは恋人同士だったら、戯れ??だっけ
普通にするんじゃないの!!
アクア(戯れ・・・!? ワタシと唯ちゃんがイチャイチャするってことですか・・・♥♥~♪)
どうしたんだろう、アクアちゃんが・・・
よじれてる??
「おい?? アクアに何をしたんだ・・・」
「あたしと戯れをって話してたんだけど、急にアクアちゃんが!?」
「そうか・・・本当にラブラブだな、くっつけた私も嬉しいぞ!!」
ラインさんのおかげだから・・・
でも、アクアちゃんが思わなかったら
元々が無いから
やっぱりアクアちゃんのおかげだよね~♪
あ、そうだ
結局、空中庭園の謎はわかんないままで
でね、あたしのことを見守っているのは
スキルだって言ってた
神さまだから、世界中の人の心がわかるんだって
その中でも同じ宝石のあたしは、よりわかるんだって
そんなスキルがあたしにも使えるようになるのかな~??
なんて、あたしは別にアクアちゃんだけわかればそれでいいかも・・・