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第十話

~第一章~

第十話『東京迷宮 小金井・空中庭園編 その1』



宿泊中の調布の宿屋があたしたちの拠点になったよ~

東京迷宮の謎を解くため

3人で冒険をしてるの・・・


アクアちゃんとの初デートから三日後

今は、小金井にある空中庭園へやって来ている

ここが、風属性の遺跡なんだって


「わかりやすい・・・空に浮いてるし~!?」


「ですわね・・・お二人に自分の属性の遺跡をお手伝いしていただけるなんて」


いつも以上にニコニコしているグリーンさん

研究をしている姿は、何か必死な感じがする

それも素敵だったりするんだけど


冒険で遺跡を散策する方が

生き生きしてて、あたしはこっちのグリーンさんが素敵です

と、思うんです


「・・・あの??」


「どうしたの、アクアちゃん!?」


あれれ??

震えてる・・・あ!?


唯(おトイレ・・・かな??)

アクア(トイレ?? いえ、ワタシ高所恐怖症なんです・・・)


唯(え・・・アクアちゃん、高い場所ダメなの!!)

アクア(すいません、どうしても怖くて・・・)


仕方ないよ・・・ここ普通に怖いし

思っている以上に高く感じるよ

何かね、床??地面かな

底が空に繋がっているみたい

地上が見えるんだよ・・・あたしもゾクゾクするかも


「グリーンさん・・・アクアちゃんとあたしをサポートしてもらってもいいですか??」


「はい?? 高所苦手ですか・・・唯ちゃんもアクアちゃんも」


「ええ、怖くて・・・ごめんなさい」


「風のパッシブで絶対に落ちないようにしておきますわ」


やっぱり、パッシブあった~んふふ~♪

アクアちゃんが使ってた足場を安定させるスキルあったよね??

もしかしたら、グリーンさんもあるんじゃないかなって思って


よかった・・・


それにしても・・・手すりとかないから

普通にあたしも怖いと思うよ

高いところだし、落ちたら死ぬよね


アクア(唯ちゃん・・・怖いこと言わないで下さい、ワタシ泣いちゃいそうです、うううっ)

唯(あ、ええ~、泣いちゃダメだよ・・・グリーンさんのスキルで守られてるから、大丈夫だって)


緑色の優しい風に包まれている

これがグリーンさんのパッシブスキルかな


あ・・・そうだ~♪

ちょっとだけ、試してみよう・・・うふふ♥


歩いている途中にある、床が空いている部分に少しだけ足を突っ込んでみた

あたしって・・・信用しているようでしてないよね

でもね、実際に守られている安心を確実にと思うんだよ~!!


だからって・・・逆効果になりそうだったかも

あたしが不意に行ったから

アクアちゃんが本気でびっくりしていたんだけど


「おお~、ちゃんとサポートしてくれたよ~!!」


「唯ちゃん・・・自分を信用してくれてませんか??」


「あ・・・いえ、そういうわけではないの」


「グリーン様・・・ワタシのためにやってくれたんだと思います」


「え、ああ~そういうことですか、アクアちゃんが苦手なんですの??」


恥ずかしそうに頷くアクアちゃん

一応、隠したんだけど・・・変な気を使っていたのかな

真面目なアクアちゃんだから、あたしの嘘が許せなかったんだね


ごめんね、正直に言えばよかったよ


アクア(いえ、いいんです・・・ワタシを思ってのことだと思うので)

唯(ちゃんと、確認してからにすればよかったよ~)


「アクアちゃん・・・唯ちゃんと手をつないでいただけますか??」


「・・・はい」


震える手で、あたしの手をギュッと握ってきた

グリーンさんの・・・多分、特に何もないんだろうね


「大好きな人と一緒なら、怖さも少しは軽減できるのではありませんか??」


おお~やっぱりね・・・

アクアちゃん、あたしの手ずっと握ってていいから

グリーンさんは、アクアちゃんが怖いのを少しでも和らげられるようにって

あたしの手をつないでって言ったんだよ


「グリーン様、唯ちゃん・・・お気遣いに感謝します、泣きたいくらいに怖かったのです・・・すいませんでした」


「最初に言って頂ければ、よかったのですが・・・」


うん・・・アクアちゃん

真面目だから、邪魔したくなかったんだね??

でもね、危ないことは

邪魔だろうが、そういうのは自分を優先しないとダメだよ!!


アクア(はい・・・そうですね、迷惑を余計にかけてしまいました)

唯(でも、危なくなる前にでよかったよ~)


安全だとしても、恐怖心は危険だったりするんだってよ

だからね、アクアちゃんみたいな場合

万が一なことがあったら、あたし後悔しちゃうから


アクア(・・・本当に申し訳ないです)

唯(もう、気にしちゃダメだよ・・・次からちゃんとすればいいんだから)


「唯ちゃん・・・任せてもよろしいですか??」


「うん・・・アクアちゃんの恋人だもん、あたしが守っているつもりでいます」


実際に守ってくれるのはグリーンさんだけど

気持ちであたしが守る感じかな

ね??

あたしじゃ不安かもしれないけど

本気で泣きそうになったら抱きついてもいいよ

それで、震えが止まるまでそのままで


「本当はアクアちゃんに、解放後のお手並みをと思いましたのですが・・・また自分がボスを倒しますわ、ふふふ!!」


アクアちゃんの属性を解放した遺跡のボスはグリーンさんが一人で倒してくれた

あたしを覚醒させたくないという理由で

ここでも、それは同じみたいです


「風属性では、どちらにしても水属性のワタシには難しいですよ」


「弱点的に火属性の唯ちゃんの方が危険ですわよ・・・」


え??

風属性が弱点なんだ・・・危ないのはあたしだった!?


自分の属性の特性って調べたことなかった

火属性・・・

水に強く、風に弱い

ふ~ん・・・そうなんだ


そっか・・・水の遺跡でパッシブで弱点に先制攻撃してたよね

土属性の人がいたら、楽にできたんだろうか


あ・・・うふふ、アクアちゃんには強いのね

弱点攻撃しちゃったら・・・

って、絶対にしないよ!!

たとえ戦うことになったら、無抵抗だよ

もう、考えない・・・悲しくなってくる


アクア(唯ちゃんも、まだ不安があるみたいですね)

唯(うん・・・不安だらけ)


「風同士は、相性がいいのですわ・・・面白い戦いができるかと」


「そうなんだ・・・あたしも戦える時が来るのかな~??」


今はまだ、時間を先延ばしにする意味で

あたしは戦いを控えるようにされているんだけど

それも、いつかは・・・あたしも戦う時が来るんだろうね


アクア(一生来て欲しくはないですが、不可避なので)

唯(女神だろうが、何だろうが、あたしは変わらないよ・・・世界の頂点でも変わらないよ)


「でも、唯ちゃんでしたら弱点でも関係ないかもしれませんわね」


ニッコリと微笑みながら、あたしの頭をナデナデしてる

兄弟姉妹はいないけど、優しいお姉さんみたいにだよ


あ・・・アクアちゃん、嫉妬はしないで

恋愛じゃないから、母性みたいなかんじだよ


アクア(まだ、何も言ってません)


「少し、落ち着いてきました・・・でも、震えはまだあります」


ずっと握っている手は

言ったように、震えている


本当に高い場所が苦手なんだろうね

あたしも、苦手なものは・・・あ、アクアちゃんには秘密にしてるんだよ

まだ、教えないよ~うふふ


アクア(別に、いいです・・・今は助けていただいていますので)

唯(ううっ~遊びにならないね・・・少し寂しいです)


少しでも和むかと思ったんだけど

やっぱり、難しいみたい??

普通にこのまま手をつないだままが一番いいのかな


アクア(唯ちゃんの気持ちは十分わかっていますので、手のぬくもりだけでも嬉しいです)

唯(宿屋に戻ったら、あたしのこと好きにしていいから)


庭園を散策する

仕掛けなどがあまりないよ

単純に散歩に近い感じになっている


「召喚系のギミックがどかにあると思うのですが・・・わかりませんわね」


グリーンさんが若干、イライラしてきている気がする

普段、温厚でどちらかというと

戦闘以外は、気品あるゆったりみたいな感じなんだけど


この庭園に来てから

さっき、時間を確認したら

五時間も過ぎていて

全く、何もわかっていない


それに、敵さんも出てきていない


「グリーン様・・・もしかしたら、別の場所に仕掛けかヒントがあるのではないでしょうか??」


「可能性はあるかもしれませんわね・・・今日はもう帰りましょうか!!」


何も得られないままに無駄な時間を過ごしてしまいました

宿屋に戻り

さっき、言ったことを実行しようかと思います


「グリーンさん・・・何かわかりましたら、教えて下さい」


「こちらでも、色々と探ってみます」


と、挨拶して部屋に移動した

あたしとアクアちゃんの時間を察して

グリーンさんは別に部屋を取り

そちらで、研究などをしている


「デバイスに通信入れますわね・・・緊急以外は、すぐに出なくてもいいですわよ(^_-)-☆」


そう言って、部屋に入っていたグリーンさん

もう、あたしたちがイチャイチャする前提みたいだった

実際には、間違ってはいないのかもしれないけど


「・・・唯ちゃん、注文した服が完成したようです」


「あ!! ペアルックだ・・・!?」


三日後だって言ってたよね、今日だった・・・

アクアちゃんの持っているカードに完成を示す連絡が入っていたようです


カードに機械が組み込まれているんだって

あのあとに教えてもらったんだ~^^)


「すぐに取りに行きますか??」


「うん・・・早く、着てみたいから」


ここから歩いて30分くらいの場所なの

ゆっくり会話しながらでも、いいかなって・・・


「では、行きましょうか??」


「うん!!」


これに関しては、グリーンさんには直接報告はしなかったよ

デバイス通信で買い物してくると伝言を入れた

これなんだけど・・・

メールが、心で思うだけで送れるんだよ!!

やっぱり、デバイスはスゴ~いよ


今の時間・・・まだ、夕方までには早く

日も明るい

通りも人が沢山いて


活気ということで言えば

元の東京とも違いはないんじゃないのかなって


「ペアルックしてデートしたら、姉妹と思われるのかな??」


「う~ん、残念ながらそうかもしれません・・・仲の良い友達がいいところかと、思います」


だよね・・・恋人同士には、女の子同士だもんね

でも、自覚していればいいよね

あたしとアクアちゃんだけでも、それを思っていれば


「はい・・・周りはどうでもいいんです、自分たちの気持ちが大事なんです!!」


「アクアちゃんも、そう思ってくれているんだね・・・嬉しい~♪」


共有する心

でも、全てが一致するわけではない

お互いがそれぞれ別の人だから

だからこそ、惹かれ合うのかもしれない


楽しいだけで、世界が成り立っていればいいのに

なんてことを最近よく思っている

それを思うようになったのは

アクアちゃんの心と繋がった日から


あたしなんかよりもずっと苦労してきている

詳しい話は、聞かなかったけど

百年単位で長生きする種族『エルフ』なんだよね

アクアちゃんはあたしよりも何倍も生きているんだ


でも、そんなことを感じないくらい

同級生のような感覚で接していた


見た目だけで言えば

あたしよりも幼く見えるかもしれないくらいだし

って言ったら、怒るかな

あくまで、一般的な意見だと思ってね

あたしは、同じ歳だと思ってるから


だから、苦労してきている過去を捨ててまで

あたしと一緒にいたいって言ってくれたアクアちゃんのことが大好きになったのかと思ったりもした


少しはその部分もあるんだろうけど

本当に好きだと思う気持ちなんて

詳しい説明なんてできない

どんな説明をしても


嘘っぽく思えるから


一目惚れというのは、一番近い表現かもしれない


それだけの瞬間的な思いが爆発したんだろうと

曖昧なことしか言えないのは

あたしが、おバカだからかもしれないけど


言葉をどのくらい用意しても

アクアちゃんとのことを説明するのは、変な言い訳みたいになっちゃうかもしれないね


「唯ちゃん・・・必死に何を考えているの??」


「え・・・ああ、アクアちゃんとどうやって仲良くなったんだろうって思い出してた」


心で思うことは、共有している

強引に隠していない限りは

アクアちゃんにも同じように感じてもらえるの


だから、今思っている

この語りも

聞こえているよね??


アクア(不思議な、呼びかけをしないで下さい・・・対応に困るじゃないですか)

唯(何か、説明してると・・・あたしかっこいい気持ちになるの~♪)


アクア(それは、わからないでもないですが・・・もう少し、整理してからの方がいいですよ!?)

唯(それが、できれば苦労はしません・・・)


言葉の整理ほど難しいことはありません

その場で出てきたことはいいですが

じっくりと考えた言葉は

どうしたら、上手く表現できるんだろう


今は、心がつながっているから

ある程度思うだけで、アクアちゃんには伝わります

でも、他の人には

伝わりません


グリーンさんは、特別な存在かもしれません

心を読める、何か秘密がありそうだし


だから、今は特に考えることなく

アクアちゃんやグリーンさんへ気持ちをわかってもらえてます


でも、今後別の方との対話をするときは

どうしたらいいのか・・・


すごく、ダメな人になってしまうのではって

不安があったりもします


そうしたら・・・アクアちゃんが責任を取って

結婚してくれるのかな??


子供できなくても、死ぬまで一緒に暮らしたいかな


アクア(いいですよ・・・そのつもりでいますから!!)

唯(冗談っぽい感じではありませんよね・・・でも、あたしも本気でそう思ってるから)


そんな話を仕立て屋までの道筋で

ニッコリと時に真剣に行われていた

そして、目的のお店に到着する


いよいよ、アクアちゃんとのペアルックが楽しめるんだね・・・

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