申しわけない(完)
ほんとにホントに本当に申しわけありません。
紆余曲折の事情はあるんです!
わかってください。これで完結です。
「こんなところに連れだして、わざわざすいませんでしたね、二先生。じつは折り入ってご相談がありまして……」
トイレの中――
七五三担任と、二社会科教諭がいた。
「相談、ですか?なんでしょう、私にできることであれば協力しますよ」
「じつはですね……こういうことなんですよ」
ふむふむ、そういうことですか。
二社会科教諭は鏡をみながら短髪をセットし、
「わかりました。しかしそれは杞憂だとおもいますよ? なぜ一二先生が失恋したなんてことがわかるんですか?」
「いや、それは……。『恋なんていうのは、ただのしたごころじゃないかしら』や『愛だなんだって、変だとおもわない?』という言葉からなんとなく連想ができるじゃないですか」
「そういえば一二先生、そんなことをいってましたね」
「いってましたねって……。一二先生のこと、心配じゃないんですか?」
七五三担任は、気ままな二社会科教諭を叱った。
「心配?なぜ心配するのですか?思想良心の自由じゃないですか。彼女がどう感じ、どうしようとどういおうと、それは私には関係がありませんよ」
薄情にみえるが、
二社会科教諭が正しい。
「見損ないましたよ、二先生。手前勝手な意見ですし手前味噌ですが、私は困っているひとは放っておけないタイプの人間なんですよ。このチャンスは、というかこの恋愛フラグは私が回収してみせます」
「………………」
七五三担任は、調子にのってトイレからでていった。
………………………………
七五三担任は、ここぞとばかりに一二英語教諭との接触をこころみたものの失敗におわった。
そして、月見里の告白もあだ花におわるのだが、それはまた機会があったら、語ることにする。
毎回読んでくださったかたには、どうお詫び申し上げるべきか……言葉がみつかりません。
ぼくとしては、おのれの未熟さを改めて痛感したように感じます。
『看過できないほどに感化された感覚または嗜好的に試行された至高の思考』は、もっと研鑽を積んでから書こうと思います。
長い間、お世話になりました。




