第2部:第18話:『激戦の行方』
ギィン!ザク!
と剣を受けては攻撃をする。
それを繰り返し両方とも体中が傷だらけになっていた…
ハァハァハァ…
と二人共、もう体力が尽きかけている。
スゥ…
と深呼吸をして同時に相手を見る。
両方共、もう体力はない…
これが恐らく両者の最後の攻防…
カチャリ…
と同時に剣を強く握る。
そして、両者動かなくなった…
雨はもう降っておらず、風が少し吹いていた。
サァ…と周りの木々が『早く!早く!』とまるで決着を見たいように揺れ動く…
しかし、俺と犬神は動かずに…
ジリジリ…
と少しずつ進んで行く…
そして、ある一定の距離につきピタリと止まった。
その距離は両者の剣が届く距離…
勝負は一瞬…いや…もっと早い瞬間に決まる。
俺も犬神も全神経を研ぎ澄ませる。
遂に…決着の一閃が始まった。
開始の合図は丁度さっき揺れた木が落とした一枚の葉…
丁度、俺と犬神の視界に入ってきた。
そして、両者の目が葉で隠れた瞬間から全ての映像がスローになる…
俺と犬神は同時に一歩を踏み出す。
その一歩を軸に一気に加速する…
両者、自分の気持ちの全てを剣に込め…遂に…
ギィィィィィィン!
と片方の剣が遠くに弾き飛ばされた…
そして、その剣の持ち主はゆっくりと倒れる…
バタン…
そう音がして横になる人間…その人間から赤い水が楕円形に広がって行く…
ヒュンヒュン!ザク!
と飛んでいった剣が持ち主の顔の真横に突き刺さった…
ついに…決闘は幕を閉じた…
丁度その時、草むらの向こうから桜がやってきた…
そして、桜は決着の結果を目の当たりにした…
最後に勝ったのは……