第2部:第4話:『もう一人の桜』
俺が刀神機から降ろされしばらく経ってから
突然青い機体が現れた。
犬神が何回か通信を送っても返事がないらしく
両方を見比べている・・・
一方俺は気を失いがならもビクッビクッと痙攣をしているようにたまに動く
そして、『いやぁ・・・いやぁ・・・』とうわ言で何度も何かを拒む、
俺はそんな桜を優しく抱き上げ
俺「クソ・・・俺が不甲斐無いばっかりに・・・」
と自分の馬鹿さに嫌気がさした。
俺は桜を落ち着かせるために
俺「桜・・・桜・・・」
と出来る限り優しく呼びかける。
桜「ん・・・」
と目が覚め俺を見ると
桜「いやぁ!」
と俺を突き飛ばし壁でガタガタと震える。
俺は近づき頬にそっと手を当て抱きしめた。
桜「いや・・・来ないで!来ないで!」
と泣きながら必死に俺の背中を引っ掻く
俺は『クッ』と痛みに耐えただ桜を抱きしめた。
その時『お前たちか・・・俺の日常を滅茶苦茶にした奴は!』
と聞き覚えない声が響き渡る。
そして、青い機体は虚狼牙は軽く避けた。
俺は桜の背中越しにそれを見て
俺「あの速さをいとも簡単に・・・」
と驚いた。
そして、虚狼牙は3機の刀神機を相手にしながら戦い始めた。
俺はガリリ!と音がし背中に激痛が走った。
俺は桜を強く抱きしめ『大丈夫だ!俺が・・・俺がいる!』
と言うと少し大人しくなり
光のない目で『誰?』と聞く
俺はその光のない目を見ながら
俺「煉次だ・・・春日 煉次・・・わかるか?・・・か・す・が・れ・ん・じだ」
と丁寧に教えると
桜「れ・・・んじ?・・煉・・次・・れんじ・・・煉次」
と言葉を繋げ
そして、目に光が戻ってくる。
桜「煉次様!」
と俺に抱きつく俺は桜の頭を撫でながら『もう平気か?』と聞くと
桜「はい・・・すいません」
と俺の背中に手を回した時・・・
ヌルリ・・・
と感触があり桜が自分の手をみると手が赤く染まっていた。
桜はその時俺にした全ての事を思い出し
桜「すいません!私・・・私・・・」
と泣き出した。
俺は『またか〜』とため息をつき桜に顔を近づけ
俺「これで泣き止まなかったら親父恨むからな・・・」
と言って桜の唇に俺の唇を重ねた。
桜は最初驚いていたがすぐに顔がトロンと顔が緩んだ。
少しして俺が『もういいだろう』と思い離れようとすると
桜『まららめれす(訳:まだだめです)』
と俺の頭の後ろに手を回し無理矢理くっつけた。
そして、俺の口の中に舌を入れ出した。
俺は『む・・・む〜』と苦しがり少し力を入れ
『プハ!』と桜から離れた。
離れると桜はペロっと舌で唇を舐めた。
この時ゾクッとするほど桜が妖艶に見えた。
桜「大人のキス・・・どうでした?」
と今までの桜とは違いなんだか大人っぽくなった気がした。
俺「お前・・・桜か?」
と不安気に聞くと
桜「えぇ・・・」
と頷きそして、胸に手をおき
桜「だけど・・・桜とは少し違う存在・・・
あの純情な桜は今私のここに居るわ」
と俺の手を取り胸に押し当てる。
俺は顔が赤くなるのがわかりバッと手を引いた。
桜「可愛い煉次様」
とクスッと笑う
しかし、その笑みは前までの桜とは違い
とても妖しく
とても綺麗・・・
俺はその姿に見惚れるしかなかった。
桜は・・・いや・・・桜のような人物は
桜「でも私もあの子と同じ名前は嫌ねぇ
そうだ!桜花でいいわ」
と自分で命名した。
俺は『桜花・・・』とボソッと言うと
桜花「なんですか?煉次様」
と俺にググっと近づく
俺は一瞬引き
俺「とりあえず皆を助けよう」
と提案すると
桜花「そうね・・・私達の恋路を邪魔するなんて許せないものね」
と何か言っているが俺は聞かなかった事にし刀神機を呼んだ。