表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
藍の軌跡  作者: シャボン玉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/19

1話 深海 (3)

 朝の光がカーテンの隙間から差し込んでいた。

 ぼんやりと目は覚めている。だけど、布団から出たくなかった。

 昨日の夜も寝つけなくて、まだ眠い。

 ただ、今日は土曜日の朝だから学校はお休み。でも楽しみな予定なんてないし、何をする気にもなれなくて、ただ布団の中で丸くなっていた。

「起きなさい、もうお昼だよ」

 お母さんの声が遠くに聞こえた。

「・・・起きてるよ」

 そう言って、声だけを先に部屋から出す。

 体をゆっくり起こすと、もう4月なのにまだ肌寒く感じた。冷たい空気が肌に触れて、ほんの少しだけ意識がはっきりした。ゆっくり立ち上がり、ふらふらと洗面台へ向かう。

 鏡が目の前にあった。映った自分をぼんやりと見つめる。

 顔色が悪くて少し前は知らない子に見えてびくっとしたことがあった。でももう慣れちゃった。これがほんとうの自分なんだと。

 じっと自分の目を見つめる。奥の奥まで沈んでしまいそうな深い海底の瞳。ううん・・・いまでも瞳だけは慣れなかった。この藍い目を見ていると、引きずり込まれそうでいつも怖くなる。

 

 思わず目をそらし、レバーを勢いよく上げた。冷たい水を両手ですくって、顔を洗った。冷たさで少しだけ頭がすっきりする。

 そのまま、顔をタオルで拭いて、鏡を見ないようにして居間に向かった。


 居間に行くと、お母さんがもう食べ始めていた。

 テーブルには味噌汁と、ごはんに鮭の塩焼き。見慣れたいつもの土曜日の昼ごはん。


「鮭、ちょっと焦げちゃったけど、美味しいよ」


「・・・うん」


 箸を手にとるけど、手元がおぼつかない。

 鮭をひとくち食べた。ちょっと焦げ目があるけど、いつもと変わらない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ