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兵士〇〇の日記

作者: カミチン

しがない異世界の一般兵士〇〇さんの日記。

バイオハザードのかゆ…うま……の超劣化版


〇〇27年〇月〇日

今日で自分も成人を迎えることになった。

昔から自分達を守ってくれている兵士さん達のようになりたくて、兵士になることにした。

だから今日から日記をつけていこうと思う。

普段なら日記なんて書くわけないが、兵士として働くなら、いつ死んでもおかしくない。

だからもし、そうなっても自分のことが残るように今日から日記を書くことにする。















______________________________________________________

〇〇42年1月〇日

兵士になった日に買ったこの日記を触ったらさ、大分ボロボロになってたよ。

もう15年経ったんだなぁ……。

今年もこの町に大事は無く、魔物ぐらいで済めば良いなぁ。


______________________________________________________

〇〇42年8月〇日

最近隣国の〇〇〇〇とウチの国の戦争が起こりそうならしい。

ウチの町もそこそこ国境に近いから不安だなぁ……。

何も起きないことを願おう。


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〇〇42年11月〇日

ついに戦争が起こっちまった。

お願いだから飛び火しないでくれよ。


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〇〇43年9月〇日

最近魔物が強くなってきた。

多分国の兵士がみんな戦争に行ったからだ……。

と…飛び火しないでくれよ。


______________________________________________________

〇〇年〇月〇日

兵士の募集がかかり始めた。

頼むから負けないでくれよ。

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〇〇45年2月13日

なんでなのかわからない。

なんでなのかわからない。

なんでなのかわからない。

なんでこんなバカみてぇな魔物がくるんだよ。

10年以来の付き合いだったあいつが死んじまっ

(インクが滲んでおりここから先は読める字ではなかった)


______________________________________________________

〇〇45年3月30日

俺はまだ町の皆のために頑張らないといけない。

頑張らないといけない。

頑張らないと、頑張らないと、頑張らないといけない。

 

______________________________________________________

〇〇45年5月5日

また一人いなくなった。

また親友だったあいつの敵ぐらい強えやつがきた。

俺だって大怪我した。


何やってんだよ。国のクソ野郎。そんな戦争どうでも良いから助けてくれよぉ……。なんで俺たちが国の尻拭くために命張らねぇといけねぇ……。これ全部国の仕事だろ。国が仕事しろよ!。

神様、神様。お願いですから、大好きなこの町を守ってださい。


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〇〇45年7月9日

なんか…胸騒ぎがする。

またバケモンが来んのかなぁ……。

明日、何もないことを祈る。


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〇〇45年7月10日

胸騒ぎが的中しやがった。

昨日、戦争に大敗したそうだ。

この世に神様なんて居ないらしい。

居たとしても神は意地でも俺達に死んで欲しいそうだ。

この町の人達を逃がすには馬車が足りねぇ。

俺達は追加の馬車がくるまで待つけどいつ敵兵が来てもおかしくねぇ……。

早くしてくれ……


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〇〇45年7月11日

馬車が戻ってきてくれて、また馬車は出発した。

だけどまだ三分の二ちょいの人が残っている……。

早くしてくれ……。


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〇〇45年7月13日

近くの城壁都市が昨日落城したそうだ。

そこの惨敗兵たちが逃げ込んできて伝えてくれた。

後100人くらい残っているっていうのに。

昼過ぎには敵兵が着くだろうと言っている。

残った町の人と兵士の自分達と惨敗兵どもで抗うことになった。

多分これが最後の日記になるんだろう。

だから遺書代わりに書いて行こうと思う。


自分は以外と幸せだったと思う。

兵士なのに死ぬことも無く、そろそろ引退して余生を過ごそうと思っていた人生だったが、最後の最後まで兵士として自分は終わろうと思う。

あぁ……。それでも死にたくねぇなぁ……。

 

______________________________________________________

    年 月 日

もし、この日記を見つけてくれたならこのページにくっついている貯金の大金貨1枚持っていってくれ。

死ぬとわかってんだからくれてやる。

こんなクソッタレな世界で生き残るため使えるなら使ってやってくれ。




______________________________________________________

そこから先には何かが書かれたページはもう、無かった

こんな勢いと衝動に突き動かされて書いた短編の作品ですが見ていただきありがとうございます。

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