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第94話 天使への疑念

 ―――崩壊した四川省地下拠点・居住区扉前―――




「セラフィア......無事でいて......」



 そして扉を蹴破った瞬間......無数の武器が私めがけて飛来した。



「なっ!?」



 爆破、毒、反転、炎......

 様々な効果を付与された武器が、明確な殺意を伴った速度で迫ってくる。


 ―そしてそれを放った人物は、何を隠そうセラフィアだった。



「いやぁ来ないでぇぇ! お姉ちゃん助け......」


「セラフィア!」


「ふぇ?」


「セラフィア!!」


「うぇぇん。お姉ちゃぁぁん!!」



 次の瞬間、セラフィアは大きな泣き声を上げながら私に飛びついてきた。


 目元は赤く腫れ上がり、その顔は涙でぐしゃぐしゃだ。

 様子からして外で響いていた破壊音に怯え続けていたのだろう。

 そこへ突然に扉が蹴破られたのだ......敵が来たと誤認したとしても無理はない。



「無事で良かった......」


「怖かったぁぁ。お姉ちゃんの拠点壊せるなら私なんて勝ち目ないもん......」


「間に合ってよかった......ほんとに。」


「ぅぅぅぅ......」



 セラフィアは私の服に顔を埋め、嗚咽を漏らしている。

 その直後.......周囲の安全を確認したのか、ラナが開いたままの扉から居住区へと入ってきた。



「朔月?どうやらもう逃げた後よ。」


「私達が来るのを察知して逃げたのかな?」


「どうかしらね?調べた限り少し時間が経ってそうよ?学校の奴の仲間じゃないかしら?」


「学校の罠が破られたから、逃げたのかもね......」



 ラナはそう言いながら.......ふとセラフィアへ視線を向けた。


 その瞳に宿っているのは、明確な疑念。

 セラフィアの一挙手一投足を警戒しているのが、はっきり分かる。


 ―そして冷たい声で言い放った。



「または。この子が手引きしたか......」


「ラナ!そういうことは言わないで!」


「可能性はかなり高いわよ?何せその子を連れてきて、すぐにこうなんだから。」


「そ、それは......」



 ……正直、反論できなかった。


 あまりにもタイミングが良すぎる。

 この拠点の防御性能は、設計した私自身が一番理解している。


 ちなみにセラフィアは、その言葉を聞いて明らかにしょんぼりしている。

 しかし私は”完全看破”の結果を抜きにしても、この子が悪意を持つとはどうしても思えなかった。


 ――やがて、少し落ち着いたセラフィアが口を開く。



「もしかして私、発信機でも付けられてるんでしょうか......」


「その可能性はないわね。朔月が気が付かない訳ないんだから!」


「確かに発信機の類はついてない......けど、何らかの異能、または怪能の可能性はある。」


「私......お姉ちゃんたちに迷惑かけてまで匿ってもらいたくない。」



 やはり、このタイミングは偶然とは考えにくい。

 なにせこの四川省地下拠点は学園のあるロンドンから1万キロ近く離れている。

 当然、尾行は警戒していた。ここへ来るまでの間、複数回の転移を挟んでいる。



「どうすんのよ朔月。このまま放置って訳にもいかないわよ?」


「お姉ちゃん。私の事は気にしないで......」


「はぁ......疲れるけど、あれをやるしかないか。」


「あんたそんな異能持ってるのかしら?」



 ”異能・完全看破”は、鑑定対象や範囲を選んだり、分析する対象のオンオフも細かく調整できる。

 常時全開にすれば感知可能な世界の全てがなだれ込み、情報量過多で思考がパンクしてしまう。


 しかし同時にそれこそが、下位である”完全鑑定”には存在しない能力でもあるのだ。


 細胞一つ一つ。

 原子、粒子、その配置と情報の流れ。

 あらゆる世界の情報階層を全て読み、”看破”できる圧倒的な細密性だ。



「完全看破の異能をマジのマジで使う。」


「そういえば、そんな手があるって言ってたわね?」


「完全看......お姉ちゃんの異能って私と同じじゃ......」


「嘘ついてごめんね......私の異能はもう一段上なの。」



 ――完全看破 × 条理超越 × 回生と融合。


 完全看破を“全開(フルパワー)”で使用する。

 それは指定範囲内に存在する、すべての物質を鑑定対象とし、必要な情報を総合的に抽出する行為だ。


 人物や物体という大雑把な単位ではなく、細胞、原子、粒子レベルでの情報精査。

 通常の人間なら、回復の異能を使っても脳が情報処理に耐えきれず即死する。

 範囲を絞り”異能・回生”で回復を続けても、私ですら消耗は避けられないくらいだ。



「.....ッ?」



 ――しかし今回は消耗どころではなかった。



「......さ、朔月?」


「......お、お姉ちゃん?」


「......は?」



 ――想定していなかった“異常事態”が発生したのだ。



「ちょ、何よどうしたのよ?」


「ガハッ......」


「お姉ちゃん!!」



 私の瞳と口から大量の血が溢れ出した。


 脳が完全に焼き切れる感覚......

 それどころか内臓さえダメージを負い、私の体内はぐちゃぐちゃに捻じれた。




 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!


 人類最強、まさかの大ダメージ!?

 果たしてムーノはセラフィアの無実を証明できるのか!?


 次回......セラフィアは無垢の天使か?それとも邪悪な悪魔か? 


 面白い、続きが気になる!と思った方は”いいねで応援”してくれると超嬉しいです!!


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