表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/94

第80話 ”神に近い存在”




 ◇◆◇




「”死々怪々・病渦毒屍大行群”」


「なっ!?」



 ――溢れ出た屍の群れ.......夥しい量の微生物に埋め尽くされた屍の大軍。

 そこには現代では凡そ見たことのない生物の影も垣間見える。


 死の大怪異から溢れる骸の群.......それは古今東西あらゆる生物の死の記憶。

 あらゆる生命......それは”生きる”という業を背負った全ての終着点と言わんばかりに。



「積み上がる死の奔流。果たして新月の闇もどきに防げるか?」


「……私を舐めてるの? この程度の物量で倒せるとでも?」


「不可能であろう。だが、ここは……学園から近いぞ?」


「……まさか!?」



 ラナの消息が途絶えた地点から、私は転移陣を使ってここに来た。

 もしそれが都市部から遠く離れた場所であるという私の思い込みを利用した誘導だとしたら……。


 背筋が冷え、怒りがさらに激しく燃え上がる。



「怒りで周囲の索敵を怠ったな。自ら輝けぬ哀れな月神よ。」


「こんのぉ!! あんたらはいつもそうやって!!」


「貴様一人生き残って何になろうか?」


「くっ!?」



 私は異能を総動員し、押し寄せる死の軍勢を次々と殲滅していく。

 しかし死の大行群は次々と増殖し、その勢いは一向に衰える気配がない。

 次第に私は全てを殲滅しきれなくなっていた。


 市街地からの正確な距離が掴めない以上、大規模な異能による破壊を敢行するわけにはいかない。



「どうした月神よ。貴様であれば即座の絶滅など容易い児戯であろう?」


「一体どれだけ死を振りまけば気が済むの……あんたら一体どれだけの命を!」


「人類には死に抗う力など無い。ゆえに貴様が守り続けねばならぬ……愚鈍で蒙昧な弱者たちを。貴様が人の真似事を辞めぬ限り、我々には勝てぬ。」


「……私、人間だから。」


「愚かな……貴様、気付いておらぬのか? 自らの存在が神に近いということに。」



 その怪異の何気ない一言が、胸の奥底に鋭く突き刺さる。


 けれど、今はそんなことに囚われている場合じゃない。

 このままでは死の波が市街地に到達する。

 そうなれば、私でも全ての人間を救いきれなくなってしまう。なら!


『護光結界』×『運動エネルギー操作』×『条理超越』×『創造』×『回生と融合』



「私を誰だと思ってるの! 範囲の調節完了!!」


「……地から青き光?」


「抑制版・量子荷電天柱!!」


「!?!?」



 護光結界で周囲への被害を防ぎ、運動エネルギー操作で威力を上空へ逃がし、条理超越で物理法則をねじ曲げ、回生と融合で各異能のバランスを調整する。


 本来11kmに及ぶ破壊範囲を僅か2kmまで縮小した、絶対必滅の殲滅技――。

 僅か0.8秒間......天柱の凄まじい破壊力は、押し寄せる死の群れを容易に消し飛ばす。



「……誰が守り切れないって?」


「悍ましき世外の化け物が……」


「あんたが弱いだけでしょ。」


「フ……フハハハハ! だが、止めたつもりか? この程度で死の奔流は止められぬ! 我は四大超怪異で最も原初に生まれた”代理者”。全ての死を我がものとせし死の宰相! いずれ不滅の捕食神……我らが祖師さえ病い殺す、神の騎士ぞ。」



 ――再び溢れ出す死の大行群を前に、私は再度”量子荷電天柱”での殲滅を実行した。


 私にはきっと他の異能の組み合わせや活用法もあるはずだ。

 しかしそれをこの極限の状況で瞬時に考え実行できるほど、私は頭が良くない。


 加えてここ最近の精神的疲労やストレスにより、私の判断能力は以前よりも低下している。

 怪異の神との戦い以来、私は自分の異能を扱いきれていないと痛感していた.......私は力押しばかりで異能を扱いきれてない。



「新しい異能の解釈……少なくとも別の活用法がいる……。」


「何を念仏のように。この世で最も命を奪った存在を前に、怖気づきおったか?」


「そんなに多くの命を奪って……あんたら怪異は何がしたいの?」


「つかぬ事を。神への供物は多いほどに喜ばしき事よ。」


 ――こいつはそれが......勲章だとでも思っているわけ?

 誰かと対話をしていて、こんなに腸が煮えくり返るのは初めてだ。



「あぁ分かった。聞くだけ無駄だった!」


「死を殺すなど不可能、死は終わり故に不滅。地上に生を享受する限り、必ず隣に我がいる。」


「月は……死よりも前から地球を照らしてる。」


「何……?」


 ――私の成長を閉ざしているのは、私の強大な力自身.......

 これまではそれでもよかった........でもこれから先の戦いにはそれじゃ不十分!!


 人類を守るには.......

 サクラを守るには.......


 私自身をもっと自由に、そして緻密に.......繊細に.......高みへと練り上げる!


 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!

 決着かと思ったのですが、修正している間に長引いて1話伸びます。 


 自身の攻撃の単調さに気が付いた朔月のムーノ。

 この世に覆いかぶさる”死”から人類を守るため、彼女は自らの輪郭を突き破る?


 次回......ムーノ VS タナトス、次回こそいよいよ決着!!


 面白い、続きが気になる!と思った方は【応援】や【レビュー】をくれると超嬉しいです!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ