第50話 ラナとムーノ......テレビに出る?
あれから一か月......世界中で怪異の出現は止むことなく続いている。
報告件数こそ例年と大きな差はないが、その内容は深刻だった。
これまでにないほど強力な個体が増え、ナンバーズは連日連夜で出動を余儀なくされている。
そんな中、私とラナは「積極連携」の姿勢を示すべく、国際放送に出演することになった。
この放送は単なるエンタメではない。人類に確固たる退怪術士の姿勢を示す重要な場だでもある。
......ちなみに私が公の放送に正式出演するのは、これが初めてになる。
そのため、巷では噂――
「おい......知ってるか?今度のWHch!!」
「なんだよ?何か特番でもやるのか?」
「朔月ムーノ様が出るんだってよ!!」
「はぁ?ガセだろ?メディアに出たことなんてないじゃん......」
――――
「ねぇ、今度の特番!!」
「朔月ムーノ様の初出演でしょ!?ヤバいよね!!」
――――
「ムーノ様が出る......しかも生放送だってさ。ラナ様との対談形式らしい。」
「噂では顔を明かすとかなんとか......」
「新しい退怪術士育成学校を設立するって話も聞いたぜ。」
真偽不明の噂も数多く飛び交い、様々な妄想が膨らんでいた。
この話題だけでも、朔月ムーノという存在がどれほど大きな期待を背負っているかが分かる。
つくづく、私は「人類の希望」なのだと痛感する。
――しかし、実際の私はというと......
「......吐きそう。サクラにギューってしてもらいたい。」
「あんたね!?控室に入った瞬間にそれ!? あたしこの一週間で人類最強のイメージがだいぶ崩れたんだけど!?」
「妄想乙。流石私のファン。」
「ファンじゃないわよ!何でこの流れで煽れるわけ!?」
実は無理を言って、ラナと同じ控室にしてもらった。
私はメディア出演以前にそもそも問題人前が苦手だ。今回は色々変えなくてはと思って頑張っているだけなのだ。
「私はちょっと後から登場なんだよね?」
「そうよ。私が出たちょっと後に、物凄く派手な演出で登場するんだから。」
「分かった......流石にスイッチ入れる。視聴者全員トマトだと思えば大丈夫......」
「それ意味違うんじゃないかしら......」
そうしているうちに、ラナが呼ばれた。
――あたふたと手のひらに「人」を書いていると、私の出番がやってくる。
スタジオのセットとは思えないほど重厚な鋼鉄の扉が開き、階段が組み上がる。
「プシュー」という音とともに白い煙が噴射され、その中を私は堂々と歩く。
そして――煙を抜けると、スタジオは割れんばかりの歓声に包まれた。
「ムーノ様だ!!!」
「どうかお手だけでもお振りください!!」
「ムーノ様!あなたのお陰で私は今息子がいます!!」
「あなたこそ救世主です!!」
私は彼らの声援には一切答えず、毅然とした態度を崩さないままラナの隣に座った。
ちらりとラナを見ると、彼女は少し不満げな顔をしている。
どうやら、彼女の登場時にはここまでの歓声は起きなかったようだ。
「ほほほほほ本日はお越しいただき......ありがとうございます!!!」
「ちょっと?あなたもこの道のプロでしょ?しっかり進行して。」
「は、はいすみません......生ムーノ様につい......」
「いい?退怪術士はアイドルじゃない。そこは忘れないで。」
退怪術士に求められるのは、強さと信頼だけ......アイドルような人気取りではない。
そうして周囲の羨望の眼差しの中、番組はスタートした。
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
ここまで読んでくださりありがとうございます!
遂に朔月ムーノがテレビ出演?
しかし控室ではとっても弱気ないつもの月乃??
果たして今後の人類と怪異の運命は.......
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