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第4話 授業という名の公開処刑





【はははは!!私は大怪異!!キヨウカ!!貴様ら人類は今日で終わりだ!!!】


【クソ……何て強さだ……】


【こんなのに勝てるわけ……力の規模が……】




ーーーーーーーーーーーーー


「凄い怪異だね月乃ちゃん……一撃で要塞ビルを消し飛ばすなんて……」


「くぅぅ……」


「大丈夫?やっぱり痛くなってきた?ヨシヨシ、いい子いい子。」


「ぅぅ?んふふ……」



何だろう......何なんだろうかこのアメとムチは……

脳がおかしくなってしまいそうだ……


すると先生が解説を始めた。



「この大怪異は〜過去に出現した子爵級怪異の中でも上位の強さを誇っていました〜!核ミサイルの攻撃に耐えられるように設計された、要塞都市ロンドンの結界を僅か18分で破壊。その後、要塞都市ロンドンの最外層に侵入しました。」


「世界でも屈指のロンドン要塞の結界壁を……ここに出てきたらどうしようね……」


「んぅ〜。そーだねぇ……」



ま……私からすれば、あんな結界は紙みたいなものなんだけど……

そもそも核兵器を想定して結界を作る時点で、怪異相手には効果が落ちる。


想定している攻撃が違うのだから。

強度だけ比べたって……ねぇ??


すると先生は解説を続ける。



「ムーノ様が駆けつけるまでに出た死者は幸い200人程度でしたが、これは過去3ヶ月では最大です。またこの戦いで3人の退怪術士が重症を負いました。」



世界は狂ってしまった……200人の死者を幸いと言ってしまうほどに……

一体どれほどの思いが、そこにあったと思っているのだろうか?



「皆さんもそうなる覚悟を、卒業までに持たなくては行けません。それでは〜!続きを再生しま〜す。」





ーーーーーーーーーーーーーー



【そうだ!!絶望しろ!!それが私の糧となり世界を!!!】


〚[援軍到着。国際異能機関認定序列……1位。人類最強ムーノ様到着です。]〛



【ムーノ……様だって!?】


【助かった……人類最強がここに……】


ドゴォォォォン





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私の登場にクラスは湧き上がった。

そして隣にいるサクラは目をキラキラさせて、ムーノのスケッチを取っている。


死にたい……いや違う、もうオーバーキルされている。

今すぐ穴に入りたい。自主的に自分を土葬してしまいたい……


私は一応17歳……思春期ど真ん中の少女なのだ。

こんな羞恥プレイに、健全で可愛い女子高生が耐えられるわけが無い!!



「ぅぅぅぅどうしてこうなるのぉぉ。」


「そうだよね……月乃ちゃんも、元気な状態でムーノ様の動画見たかったよね……後で先生に持ち帰れないか交渉してみる!!」


「ヒィッ」



ダメだ......やればやるほどドツボにハマっていく……

もしこれが成功してしまえば……


私のグッズで埋め尽くされた部屋で、このムービーを見ることになる!?!?

そんなの……


今以上の地獄じゃん!!!



「皆さんお静かに!!!ムーノ様の活躍が聞こえなくなります!!」



先生の一言で、クラスは静まり返った。そんなに凝視しないで欲しい……

一体どこまで私に「重症」を負わせれば気が済むのだろう。



ーーーーーーーーーーーーーーー



【援軍か?ならばそやつもまとめて屠り去ってやろう!!】


【で?敵は?】


【え?め、目の前の……その怪異です!】


【え?こんなのに私を呼んだの?】




ーーーーーーーーーーーーーーーー



ヤバい……この言動は勘違いされかねない。

この発言は、近場で対応できる術士は居なかったの?という意味で言ったが……


これではこんな雑魚ごときに、私の手を煩わせるの?という威圧に聞こえかねない……

200人死んでいるのだ……この発言はマズイ……



「「うぉぁぁぁぁぁぁ!!カッケェェ」」


「「ムーノ様ァァァァ!!」」



しかし私の気苦労とは裏腹に、クラスには歓声が響き渡った……

無用な心配だったようだが……私の体は熱を帯びている。




ーーーーーーーーーーーーーーーー



「貴様……我を舐めているな?我は偉大なる純悪より魔性を受け取った偉大なる王ぞ!!その辺の土塊と共にしてくれるな!!」


「……じゃ。偉大なる土塊さん。」


「?」


「睡眠妨害罪。」


「は?」



ーーーーーーーーーーーーーーー



何やっとんじゃぁぁ昨日の私ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!

何でこんなこと言った!?何で言った!?!?


てかもう喋んなぁぁぁ!!話すな!!こっち見んな!!!



「皆さん!これは新しいブームになるかもしれませんよ!!!」


「カッケェェ……俺も敵の前でこんなこと言ってみてぇ……」



そしてサクラも……



「ムーノ様の生言動!!全部記録しなきゃぁぁ!!!」


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛……」


「月乃ちゃん?どうしたの?大丈夫?」


「ぅぅ……」



そうして私が睡眠を妨害された腹いせに、大怪異をズタズタにする映像が流れ始めた……


しかしその映像が映った瞬間......クラス中は静まり返った。


当然だ。彼らだって退怪術士の卵……

世界最強がその『異能』を発現した瞬間......お祭りムードは一変した。


そしてクラス全員が、食い入るように画面を分析している。





ーーーーーーーーーーーーーーーー


【凄い……爆撃でも歯が立たなかったのに……これをこんなあっさり……】〛


【彼女こそ人類最強の怪異術士……朔月のムーノだ……】〛



ーーーーーーーーーーーーーーー


今までアイドルが出てきたように騒いでいた彼らも……



「ムーナ様のあの剣技……柳生新陰流か?うちの流派と……」


「身体能力の強化は上位紋章の副次効果……と考えるのが妥当……」


「あの砲撃......散らばった肉片数百に命中させるなんて......どれだけ緻密な計算を?」



やめて……そんなに真剣に考えないでぇ……

普通に軽く流して??昨日の戦闘は特に雑だったのに……


あとごめんなさいぃぃぃ!!

砲撃は感覚です!!天才だから何となくでできちゃうの!!


そして遂にはサクラが考察し始める……



「……実弾じゃない?そして何も無い所から武器を……そうなると、武器生成?いや……その2つを強化する特性のダブル持ち……だとすれば……ムーナ様のスキルは『神器生成』と『物体速度の強化』?」


「……サクラ……頭が……」


「つ、月乃ちゃん大丈夫!?」


「ップルプルプル」



私は小刻みに震えていた。これはもはや震えではなく、痙攣だ。

理由は簡単。サクラがかなり近い所まで、たどり着いているからだ。



「なんか……月乃ちゃんの能力とムーノ様の能力……似てるね?」


「っ……」


「やっぱり月乃ちゃんは強くなれるよ!」


「あ、あいがとサクラ……」



サクラァ……そんなに私を追い詰めないでぇ……

あなたは皇帝級怪異よりも遥かに手強い……


もはや私にとってのラスボスです......



「もしかして……月乃ちゃんがムーノ様?」


「グハッ……」


「なんてね〜冗談だよぉ……って月乃ちゃん!?ちょっと大丈夫!?」


「ダメかも。」


「先生!!月乃ちゃんを保健室に!!!」



私は恥辱プレイの末……ついにサクラに止めを刺されるのだった。





どうもこんにちわ。G.なぎさです!

第4話をここまで読んでくださりありがとうございます!


最後はサクラによってトドメを刺された人類最強。

案外最強の敵は親友なのかも??


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は【♡応援】や【星レビュー】をしてくれると.....超嬉しいです!!


 何かあればお気軽にコメントを!

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