第22話 【神の杖】と『怪異の神』
「ムーノ様!無事ですか!」
サクラの声が耳に届く。
どうやら、私が戦闘を終えたことを察知したらしい……何で分かったかは謎だけど。
「終わった。特に大きな傷も受けてない。月乃?とか言う子は自宅に送り返しておいたわ。結界も張ってね。」
「……どうやって月乃ちゃんの自宅の場所を?」
あ、ヤバイ!?
普通に考えて、私が希守月乃の住所を知っているわけがない!
どう乗り切る?冷静に……演じ切るの!
頑張れ私!名女優賞を狙うんでしょ!? 目指せオードリー・ヘップバーン?
「私を誰だと思ってるの?そんなの、一瞬でわかるに決まってるじゃない。」
「さ、流石です……」
サクラが純粋で本当に助かった……
ごめんね、サクラァァ.......何度も騙してしまって。
そんな内心とは裏腹に私は人類最強を演じる......
「私はもう帰るけど、それでいい?」
「あ、いえ……それは……」
すると、通信先からラナの声が割り込んできた。
「待ちなさい、朔月!サクラから話を聞いたわよね?なら、私たち三人で今後の作戦会議よ!」
「は? 何で私があなたたちと協力しなきゃいけないの?」
「はは~ん?じゃあ、もしサクラが怪異の神について心当たりがあるって言ったら、どう?」
「……ッ!」
怪異の神……2025年以降、姿を見せていない大怪異王。
人類がその姿を観測したのは、たったの3分間。
その3分間を境に、人類の敗北の歴史が幕を開けた。
もし、私が人類の勝利を象徴だとするなら……怪異の神は人類敗北の象徴なのだ。。
「ム、ムーノ様……あくまで仮説ですけれど……」
「はぁ......分かった。すぐにそっちに向かう。」
「そうこなくっちゃ!私たち三人で最強ダック結成ね!」
私はすぐにその場を離れ、二人がいる方向に向かって飛び去った。
――防衛都市【ナンバーズ専用機密ルーム】――
ナンバーズには、それぞれの防衛都市ごとに専用の待機&居住空間が与えられている。
その中で最もセキュリティが厳重なのが、この機密ルームだ。
ここでは重要情報の通達が行われ、オンラインでの機密会議も開かれる。
まっ!いつ緊急連絡が来るか分からないし?
ここで待機する任務の場合、ほぼここに缶詰なんだけどね!
「ここが……ナンバーズの方々に与えられるVIPルーム……初めて来ました。」
「ここなら機密性は抜群よ?あたしは12歳からナンバーズなんだから!」
「プッ……12歳?笑笑。私は3歳から使ってるけど?」
「ぅぐ......朔月ぃあんた。」
「ほらほら、ラナちゃん?喧嘩はしないよ?」
「あ、あたしぃ!?」
軽い冗談を交わしつつ、私は核心に迫る質問をサクラに投げかけた。
「で?その心当たりって?」
「過去の世界でも『大怪異』が出現しました……2025年7月17日の同じ日に。」
「それだけ?」
「……49度目の回帰時の話です。あの世界には、核兵器【神の杖】が存在していました。」
「ちょ……サクラ、それどういうこと?」
何かがおかしい......未来から過去に移動しただけのはずだ。
どうして核兵器が存在しない【過去の世界】が存在するのだろう?
「【神の杖】は、地球の周回軌道上に配置された兵器で、重要な地下施設や局所破壊を目的に作られた兵器です。遥か上空からロッドと呼ばれる金属棒を地表に向けて発射します。TNT換算では、通常の核爆弾の数千分の一ですが……」
「破壊力と貫通力は核を凌駕するってことね?」
「その通りですムーノ様。最高速度マッハ20、弾数は12筒……49回目の世界では、大怪異王の出現時に全てを撃ち込みました……」
「……それで、どうなったの?」
「結果的に倒すことはできませんでしたが.......それなりの傷を負わせることはできました。」
マッハ20で発射される、局所破壊に特化した兵器……
もし不意打ちで撃たれれば、私でも無傷で済むとは限らない。
つまり、私と『大怪異王』の力はかなり拮抗している可能性が高い。
サクラの話が本当なら、やはり大怪異王は別格だ。
「で?そこから?」
「問題は……49回目以降の大怪異王の映像記録に、【神の杖】による傷跡が残っているんです。」
「は?」
「んなぁ!?それって同一の『大怪異王』ってことよね!?」
「……怪異の神は私と同じく、時間の外側にいる可能性が高いんです。」
『大怪異王』こと怪異の神が......サクラと同類?
だが、この時まだ私たちは知らなかった。
この小さな勘違いが、後に大きな波紋を呼ぶことになることを……。
私達が根本から大きな勘違いしていることに......
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どうもこんにちわ。G.なぎさです!
第22話をここまで読んでくださりありがとうございます!
時間の外側にいる?はたして怪異の神とは一体何なのか?
【神の杖】と呼ばれる兵器は、現実でも研究されたことがあります。
もっとも、ロット1本(金属棒)あたり約330億という莫大な費用が掛かるので立ち消えましたが......
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