第3話:五感の拡張と「エネルギーの声」──この世界は、観測する側だ
秋ですね
読書の秋ですね!
そして私は太ります....
──眠っていたわけではない。
だが、目覚めたとき、確かに“それまで”とは違う何かがあった。
身体の感覚が“増えていた”。
意識が戻ったとき、最初に感じたのは「風」ではなく──**“流れ”**だった。
空気が振動する。
ただの風ではない。
密度の差、エネルギーの勾配、粒子の動的干渉。
それらが一つの楽曲のように調和し、身体に語りかけてくる。
(……これは、“音”か……?)
だが、それは鼓膜を介してではなく、皮膚と神経を通して聴こえていた。
いや、もっと根本的なところで──
“意味”が、直接的に認識されるようになっていた。
身体は完全に新しい構造を得ていた。
筋肉の付き方、骨格、関節の可動域、視覚構造、聴覚帯域。
全身の末端までが“世界の状態”を取り込んでいる。
地面から微細な振動。
空中の光子の揺らぎ。
太陽に似た天頂の輝きが“情報”を発信している。
「……俺は、この世界に合わせて、再構成されている……」
アストラルシティ──。
この都市の構造は、物理的には地球とはまったく異なっていた。
重力は点ではなく“面”で発生し、
光は直進せず、知的空間として“定在波”のように留まる。
言葉も、音も、不要だった。
住人たちは“意味の波”を使って会話している。
脳が翻訳しているのではない。
**世界そのものが、理解という現象を“提供してくる”**のだ。
そして──陸はついに、それを“聴いた”。
──エネルギーの声。
風でも音でもない。
光でもなく、粒子でもない。
それは空間の揺らぎ。
エネルギー状態の遷移。
確率の偏り。
情報の波形。
そのすべてが、彼の存在に共鳴し、“意味”を発し始める。
『きみは、いまここにいる。』
『わたしたちは、観測している。』
『そして、きみは、観測する者だ。』
「……お前たちは、何者だ……?」
彼は思っただけだった。
それだけで、空気がわずかに“返答”を示す。
『存在を定義する者──“基底構造”』
『この世界の観測装置でもあり、記録装置でもある。』
『きみもその一部になるだろう。』
──陸の中で、何かが静かに確定していった。
それは、“自分の存在”だった。
ここでは、誰かに定義されるのではない。
自分が自分を定義し、その上で“世界がそれを観測してくる”。
彼は深く息を吸った。
空気ではない。
情報そのものを、吸い込んだ。
そして──そのとき、東京の風景が、またしても空に浮かび上がった。
東京。交差点。夜の空気。EVEの波形。伊波の叫び声。朝霧の冷静な瞳。
それは“夢”ではない。
世界が陸を通して、“干渉”を受けている。
(この感覚──誰かが俺を、また“観測しようとしている”)
そして、リンクが始まる。
なかなか出しませぬけど(アルファポリス)
沢山見てほしいです...




