【プロローグ】定義を外れる者
すごく頑張ってみた!
人は、自分がそこに「いる」と信じている。
だがその“在る”ということは、常に誰かに観測されて成立しているのではないか?
観測されない存在は、存在と言えるのか?
ならば、私は“いない”のか?
そんな問いを口にする人間は、ほとんどいない。
ただ一人、長谷川 陸を除いて。
物理学は、量子力学の端で「観測によって現実が確定する」と結論づけた。
だがその仕組みを、人間自身に適用しようとする者は少ない。
観測されなければ、シュレーディンガーの猫のように生死の間を揺らぎ続ける。
ならば──もし誰にも見られず、記録されず、想起されず、理解されない存在がこの世にあるならば。
それは本当に、“ここに在る”といえるのか?
「俺は、観測から抜ける。世界のルールから外れる」
そう言った陸の声を、誰も信じなかった。
彼は一人だった。
研究からも、大学からも、学会からも、世間からも見放された。
だがそれでも彼は、“観測不能の存在”になろうとしていた。
それは、転生でも、ワープでも、異世界召喚でもない。
科学と意識の極限に立ち、“世界にとっての存在の条件”を再定義する行為だった。
そして、その日が訪れる。
2024年10月12日、金曜日の深夜。
秋葉原の地下で、一人の男が世界から“消える”。
読んでくれてありがとうございます!!
死にかけるぅ.................................................
これからも作者KKを( `・∀・´)ノヨロシク☆