9 謝罪を拒否してみた
「すみませんでした」
冒険者たちが頭を下げて謝ってきました
ですから
「は?中身のない謝罪なんて何の意味もないでしょう」
と言ってやりました
そうしたらですね
「謝っているだろうが!」
と逆ギレしてきたんですよ
一体どこをどう見たら謝っていることになるんでしょうね
話を少し戻しますね
助けたのに支払いを踏み倒したパーティがあったんですよ
ですから報復で一切の救助を辞めてやりました
まあ救助する人間は他にもいます
それにギルドがその都度手が空いている冒険者を集めて救助隊を組織します
だからボクがいなくても大丈夫
そういうことです
実にささやかな復讐ですね
ところが自分達が助からなかったのをかさに着て文句を言いにきた人間がいたんですよ
ですから言ってやりました
「助けたのに踏み倒した人間がいるから辞めた」
怒りの矛先を変えてやったという訳です
自分でいうのなんだけどダンジョンに入っている時間が長い部類に入ると思う
なにせ男に戻る手段を探しているんだ
そりゃ長くなるというものだ
当然のことながら救助に向かう件数も結構上位になっている
そんなボクが救助を辞めれば結果は火を見るよりも明らかというものだ
・・・いやここまで大ごとになるとは思ってもみなかったんだけどさ
地味に嫌がらせになればいいな、と思っていた
という訳で他の冒険者たちに責められて件のパーティが謝罪に来たという訳だ
もっとも謝って終わりにしようとしているようにしか見えなかったので拒絶した
なにせこちとら大赤字なのだ
頭を下げて終わりにされてはたまったものではない
ネチネチと嫌味を言ったり文句を言ったりして憂さを晴らしてやる気満々だった