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異世界でも恋愛は出来ますか?  作者: 香坂 悟
雪の章
61/309

61、その会議は霧の様に (1)

私の家の応接室は急遽会議室へと姿を変える。

議題はモニカの件だった。

この件については一度4人で話し合いをする必要があった。


ライラをグランナディア王国へ送った後、ルークとレイを呼んで4人で今後の事を相談する・・・


そういえば、4勇者がきちんと揃うのは珍しいよね。

王都でも集まっても別行動だったし。


「ジェシカすまない。またお前の家で・・・」

「ジン、それは気にしないで。ウィルの件に関わっていた事もあるから。」


モニカとの話で私が気になったのは3点。

・私たちの今後の行動

・未完成の白の武器

・どうやって『神をぶち殺す』のか


このうち、どうやって『神をぶち殺す』のかについては話すだけ無駄と思われるので・・・

私たちの今後の行動と未完成の白の武器についてだろうか。

みんなが席についた事なので、ジンが始めに話した。


「今回こうして会議をする事になった理由なのだが、先日俺とジェシカのパーティーは魔王に遭遇した。」


その言葉に驚くルークとレイ。


「そして、魔王は俺達に敵意は無いそうだ。魔王軍の侵攻も魔王の神を殺す事に協力すれば止めさせると言ってきた。」

「え、それ本当ですか!?」

「へぇ。」


ルークとレイの反応は違うけど驚いているのは間違い無い。

私もあんな話になるとは思ってもいないので驚いている・・・


「そこでだ・・・皆の意見を聞きたい。」

「意見も何も魔王が悪い奴じゃないって事ですよね?反対の必要がないじゃないですか。」

「私もルークと同じかな。戦えないのは残念だけど、この世界を救うのが勇者なら被害は最小限に限るよ。」


ルークはともかく、レイの反応にジンは驚いていた。


「レイ、お前は元の世界に帰らなくてもいいのか?」

「うん。私は元の世界では一人だったし、こっちで楽しくやる方が性に合っているかな。」

「そうか・・・」


二人の意見にジンは落ち込んでいる。

モニカとの話の流れを察するに、自分のせいじゃないとはいえアオイとアキラを巻き込んでしまった事に責任を感じているのだと思う。


「私は反対かな。」

「!!・・・ジェシカ、お前・・・気遣わなくても良いんだぞ。」

「無いといえば嘘になるけど、情報が足りないと思うんだ。」


モニカの話は確かにメリットはあったけど、それだけで両手を上げて喜べなかった。


「俺は反対だ。やはり俺は魔王の言葉が信用出来ない。」


こうして、4人の意見が出た所で私は気になる事を言った。


「ジンに聞きたい事あるんだけど。」

「ん?なんだ?」

「白の武器が未完成って話だよ。あれ、どういう事?」


その話はジンも気になっていたらしく


「実は俺の勇者武器は4人揃って真価が発揮するらしいのだが・・・何故か何も起きないんだ。」


・・・確かに変だ。

既に4人いるのに、何も起きないのは・・・


そこに、レイが手を上げた。


「それ、私が原因かも。」

「はぁっ!?」

「どういう事??」


ジンと私の驚きっぷりに、レイも少し落ち着いてから話をした。


「私の黒の武器が完全じゃないんだ。私が転移した時に神様から『君の武器は完全ではない。片割れは仲間と一緒に探しなさい。』って言われていて・・・今も探している。」


え・・・レイの武器が完全じゃないですと?

普通に黒龍圧倒するのに??


「そうなんだ。レイの勇者武器かぁ・・・ん?あれ?・・・」

「どうしたの、ジェシカ。」

「いや、ごめん。気のせいかな。」


何か大事な事だったと思うんだけど・・・思い出せない。


「まぁ、レイは黒の武器探しでいいんじゃないかな。おそらく白の武器が未完成だと、魔王の相手にならないみたいだから。」


戦力増強は目下の課題なので、やる事があるならそれに越した事はない。


「じゃあ、俺達はレイを手伝おう。」


ジンはレイの勇者武器探しを手伝う流れになる。


「あの、僕は・・・?」

「ルークは私と修行する?もちろん、徹底的にやるから覚悟はしてね。」


私の言葉にルークは・・・


「え、ジェシカさんと一緒にデー・・・じゃなかった、修行ですか。僕、期待してもいいんですよね?」

「・・・ルーク、修行だからね。」


凄く嬉しそうなルークにジンは肩に手を回す。


「おっと、そいつはダメだ。」


ジンの言葉にルークは文句を言う。


「ちょっとジンさん。僕とジェシカさんのデ・・・じゃなかった、修行の邪魔をするんですか!?」

「いや、ジェシカにはやってもらいたい事があるんだ。」


やってもらいたい事?


「ん?魔王城の偵察とか?」


攻略には必要だからね。

修行出来ないのは残念だけど、仕方ないなぁ。


「まぁ、それも必要ではあるのだが追々でいいだろう。それよりも大事な事を忘れていないか?」


ジンは私に追求するものの、私は分からなかった。


「大事な事?なんかあったっけ??」

「お前、俺達に大事な事隠していただろう。」


ジン達に隠していた事?

うん??思い出せないというか、見に覚えがない・・・

何か大事な事なんだよね・・・ダメだ、分からない。


「だから、何を??」


私の言葉にジンは私の両肩を掴んで


「お前の相棒のウサギが先代青の勇者ラピスだって事だよっ!!」


あ・・・そうだった。


(続く)

最後まで見ていただきありがとうございます。

4勇者が揃い、モニカの件と今後の事を話します。

そこで明らかになる白と黒の勇者武器が未完成である事。

そして、先代青の勇者のラピス・・・


設定補足:勇者の強さ

話が進むにつれて誰が強いのか?というツッコミが来たら・・・という訳でお話を。


現時点での強さ順で言うとレイ→ジェシカ→ルーク→ジンの順番なのですが

レイの強さがRPGでいう所のほぼカンスト状態なのとジンの勇者武器が未完成というのが大きく

ジェシカもテイムコネクトというチート技、ルークの赤の武器の真価を発揮できておらず

強さの順は結構不安定だったりはします。

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