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異世界でも恋愛は出来ますか?  作者: 香坂 悟
花の章
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100、2人の決断

私の願い事を聞いたトモエは驚いていた。


「それでいいのかな?」

「はい。一緒に仕事をする様になって分かったんです。弟も妹もきちんと家の事を考えられる子だったから、この魔法の有無で家を継げないなんて事はあってほしくないんです。」

「分かったよ、弟さんと妹さんにスピードの魔法を使える様に・・・それにしても、こういう場合譲渡とかそういう物じゃないのか?そうすればジェシカちゃんは家を継がないから安心してルークのもとに行けると思うのだが。」


私のスピードの魔法をポールに譲渡する。


確かに、そうすれば家の継承問題と私の問題は解決は出来るものの

トモエの疑問にははっきりとした回答がある。私は首を横に振って答えた。


「それは私が責任を放棄する事になるから。」

「なるほどな・・・まぁ、俺には分かるよ。勇者として魔王を倒す役目はアイツに押し付ける形になったけど、世界は何も変わらなかった。そんな俺が出来る事は王国の中でちゃんとした地位を確立させる事だった。一応言っとくが、俺はアスカもヨシズミの判断を否定はしない。それも一つの考え方だから尊重すべきなんだ。」


・・・トモエにもトモエの考えがあってこの世界に残っていたんだ。

しかも、アスカやヨシズミの名誉を考えてフォローしているのも何か漢らしい。


「・・・てっきり、ヒルダさんの事かと思ってました。」

「ヒルダと出会ったのは俺がこの世界に残ってからだな。人生塞翁が馬ってやつなのかな。ちゃんと自分の運命に立ち向かってこそ見えてくるものもあるんだよ。その前に出会っていたらきっとヒルダと幸せになる為にも残っていただろうな・・・良い女性だよ、ヒルダは。」

「羨ましいですね、私もルークからそういわれる様になれるでしょうか?」

「そうだなぁ・・・ルークの場合は尻に敷かれているから、まずはそこからだな。」


笑ったらいけないんだけど・・・先祖であるのトモエからルークがそう言われているのはちょっとだけ笑わざるを得なかった。

少し笑いあった後、トモエはすっきりとした表情で別れを告げる。


「じゃあ、神様にはそう伝えておくよ。何度も言っている気がするがルークを見捨てないでやってくれないか。あれでもかなり努力して・・・」


私はトモエの言葉を止める様に話をする。


「大丈夫ですよ。ルークの頑張りも思いもちゃんと伝わっています。」

「・・・そうか、じゃあな。アイツにもよろしく伝えておいてくれ。」


そう言い残すと、ふわりとトモエの姿は消えていった。


「ジェシカ、トモエは何か言っていたかい?」


話が終わったので、ユキが応接間に入ってきた。

直接の話という事でユキにはしばらく席を外して貰っていたからだった。


「願い事の件だね。あとトモエさん、勇者としての役目をユキに押し付ける事になったのを気にしてたみたいだね。」

「そうなんだ・・・だけど、この世界の事を考えればトモエほど貢献していた勇者はいないと思うよ。もちろん、勇者の権威があればいいってものじゃないからアスカやヨシズミの考え方も否定できないけどね。」


ユキも何だかんだでトモエの事を認めている。


「ふふっ、ユキったらトモエさんと同じ事言っているよ。」

「それは大事な仲間だからね。彼らの名誉を守るのが今の僕に出来る事さ。」


さっきトモエと言っていた事と同じ事をユキも言っているはずなんだけど・・・


「うーん、ユキが言うと何かキザだね。」

「否定はしない。トモエが熱血漢だからその後に聞けばそう聞こえもするさ。」


私とユキはしばらくの間応接間で笑いあう事になる。


翌日・・・


私はルークに屋敷への招待を受けた。

ハトリック家の人が私を迎えに来て、ハトリック家の屋敷に通されてそのまま庭の方へ・・・


以前来た時とは違ってゆっくりと庭を見る事になったのだけど、きちんと手入れのされている庭で色とりどりの花が庭を彩っていた。

晴れ渡る空の下でお茶を楽しめる様になっていて、ルークは私を待っていた。


「ジェシカさん、ようこそ。」

「誘ってくれてありがとう。あらためて見ると凄いね・・・この間はバタバタしていたから、こんな色とりどりの花が見られて驚いたよ。」


王都は寒い所である。

それは近くにある霊峰の影響もあり、雪がよく降る。

だから、王都ではあまり花を見かけない。


「それは神殿の影響でしょうか。確かに屋敷周辺は暖かいのですよ。」


そういえば、ハトリック家の屋敷は少し暖かい。

温室とまでは行かなくても花にとっては育ちやすい環境らしい。


「・・・と、少し話が逸れてしまいましたね。実はジェシカさんにお話があって。願い事の事です。僕は神様に前世で事故で亡くなった彼女がどこにいるのかを尋ねました。」


それは思いきった使い方をしたなぁと少し驚いた。


「見つかったの?」

「いいえ。いなかったんです。」

「どういう事?」


私は思わずルークに質問していた。

それが理由で色々あったから私的にも聞かずにはいられなかった。


「実は彼女、死んでいなかったんです。」


ルークが神様に調べて貰った話だと事故のあった日は強い雨と風で、確かに事故は起きたものの強風で傘をあおられ奇跡的に女の子は軽傷で済んでいた。


病気の発作が出て後ろに寝かされていた状態での車の移動ならシートに遮られて女の子を見る事なんて出来なかったはず。

そして、見ていたとしても一瞬の出来事で大まか外見的な特徴しか覚えていなかったのも頷ける。


「良かったね、神様が勘違いしてたんだ。でも、なんで?」

「それが、僕が転生する前に同じ様な感じで事故にあった女の子がいたそうで・・・。」


そうだったんだ・・・今のルークになら話しても大丈夫だね。


「それは私の事だと思う。」

「そうなんですね。やっぱり話せなかったんですね・・・。」

「うん。」


私の事を好きだと言ってくれるルークが、罪の意識でそう言ってくれていると思うと心にくるものがあった。


「何となくそう思っていました。はっきり出来たからこそ言わせて下さい。ジェシカさん、僕と結婚して貰えませんか?」


そういうと、ルークは小箱を取り出して私に渡した。

中には透明で綺麗な石のついた指輪が入っていた。


「私はまだ家の事が整理ついてないのに良いの?」

「はい。どうしても家を継ぐというなら前にも話しましたが婿養子でも構いませんし必要ならハトリック家も出て行きますよ。僕はあなたを離したくない。」

「あ、それなんだけど・・・」


私は自分の願い事の事をルークに話した。


「そうですか。だったら両家でしっかり話し合いましょう。時間はあるんです。」


時間はある・・・こんな都合の良い解釈して良いのかな?と思いつつも私少し空をみていた。

というのも、ルークがさっきから私の手をしっかり掴むと熱い視線に私は恥ずかしくなって少し目を逸らしてしまう。


「2人で幸せになりましょう。」

「うん。きっと幸せになれるよね。」


私は恥ずかしい気持ちを抑えつつルークの熱い瞳を見つめ返した。


(終わり)

最後まで見ていただきありがとうございます。

ルークルート完結。

ジェシカの願いは弟のポールと妹のマチルダにもスピードの魔法を使える様にする事でした。

後日、ルークの願い事とその結果を知り自分の転生がルークと関係が無かった事をルークに伝えます。


※最終話の編集の都合で投稿が遅れました。申し訳ございません。

あとはおまけ話とキャラ紹介、そしてあとがきという名前の捕捉拡大版を予定しています。

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