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異世界でも恋愛は出来ますか?  作者: 香坂 悟
花の章
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99、この世界のやりかた

ルークの必殺技も決まり、ドゥームも再生する気配はない。

厚い雲に覆われていた空も晴れていき、大地には光が戻る事であの戦いが嘘だったみたいに荒野は平穏を取り戻していた。


「やった・・・やったんだね。」

「はい、ジェシカさん。やったんですよ!」


ルークは私の手を取り力強く、それでいて優しく握る。


「うん・・・。」

「コホン・・・あの、お二人さん。まだ全部は終わっていないんだから、まずはそちらをね。」

「「ご、ごめんなさいっ!!」」


ユキがわざとらしく咳をして、私達は現実に引き戻される。

そうだ、ちゃんと終わらせないと。


私とルークはクラウズを捕縛し、荒野にいた私兵団やテイマーの人たちに侵攻を止める様に伝えると

クラウズやドゥームとの戦いを見ていたらしく、私達のいう事を素直に聞いてくれた。


「意外にあっさりだったね。うん、とても良い事なんだけど・・・モニカ、王国の王城に転送お願い。」

「うむ、まかせておくのじゃ♪」


うん?何故か上機嫌のモニカの声に首を傾げつつも、私達は王城に移動する・・・



移動をすると、いきなりの大歓声で迎えられた。


「ジェシカ様!」

「ルーク様!」


時々ユキ君可愛いの声が聞こえていたんだけど、専ら私とルークの名前を呼ぶ声だった。

・・・えっと、何で??


首を傾げながら謁見の間に到着して、王様から理由を聞かされてびっくりした。


「ルーク、ジェシカよ。クラウズの捕縛ご苦労様だった、お主達の様子はクラウズが自分達のアピールで映像魔法が展開されていてな。どうやら全世界に向けて映していたらしい。」


だからか・・・魔王因子の正体を知って、その魔王因子の塊のドゥームを倒した事も知れ渡った事が理由だったんだ。


「ルークよ、お主に聞きたい事がある。」

「はい。」


ルークはかしこまりながら王様の質問を聞く。

この状態で王様がルークに聞きたい事といえば、あの事だろう。


「魔王因子は私達がいる限り決して消える事が無いとあの者は言っておったが、お主は『大丈夫』だとジェシカに話しておったな。その理由を聞かせては貰えぬだろうか?」


落ち着いたら私がルークに聞こうと思っていた質問だけど、世界の人たちに知れ渡る事になったのだからこの際ルークにはここで理由を話して貰おう。


「それはモニカさんの存在です。」

「モニカ殿の事とは?」

「はい。彼女は魔王因子を取り込んでいながらも、その行動に負の感情を感じられませんでした。つまり、魔王因子は消える事が無くても付き合い方というものは存在しているんです。」


そうだ。

モニカは確かに“神を殺す”という目的自体はあったけど、間で私達に見せる行動に黒龍やドゥームの様な破壊衝動を見せる事が無かった。

次にルークは驚く事を王様に提案した。


「王様、そこで相談なのですが・・・モニカさんを王都にお迎えしませんか?」

「なんと!?」

「もちろん理由はあります。今の所、黒龍はいなくなっていますが・・・いずれは新たな黒龍または魔王が生まれる事になるんです。その時、僕たちの子孫が何も知らないって状態にしてはいけないと思うんです。」


ルーク・・・そこまで考えていたんだ。

王様は困惑していた。それも当然で魔王軍とは何度も戦闘をしてきた関係で今更仲良くなんて事が出来る訳ないというのは、ルークも分かっていると思う。

それでも言葉にした事は十分に価値はあった。


「私も彼の意見に賛成します。魔王軍が侵攻していたのは安心できる場所を得る為です。魔王領は魔力が高すぎる土地だと聞いています。研究が進めば、土地にある魔力と私達の魔力の違いが分かり魔王領でも安心して過ごせる様になって侵攻の必要もなくなります。」

「そうか・・・。」


ルークと私の話を聞いて、少し考える王様。


・・・そして、決断をする。


「うむ、分かった。その意見を取り入れよう。モニカ殿に伝えて貰えるだろうか?」

「話は聞かせてもらったよ。」


モニカの声が聞こえたと思ったら、すぐにこちらへ転移してきた。


「ルーク、ジェシカよ。お主達には感謝するよ、研究についてはわっちに任せておくとよい。」


こうして、王国は魔王領との和平が結ばれて他の国とも次第に打ち解けていく事となった。



数日後 北地区・墓地


私とユキはジュリアの件もあってお墓参りに来ていた。

ゲオルグの家に行くと、北地区の墓地に代々の道場主のお墓があるらしく私達はそこへ向かった。


「え・・・ジュリア?」


墓場に来て、高身長で紫色のロングヘアという特徴のあるスタイルの女性を発見する。

その女性にはちゃんと脚があって、生きているのは私にも分かった。


「ジュリア・・・生きていて・・・。」

「あの、勝手に殺さないでくれない?」


それはそうだ。ジュリアの話だと、ケガをしたジュリアはモニカと共に魔王城に戻ってから大急ぎで治療を受けた結果、何とか峠は越えた。

そして、やっと動ける様になってここにいるらしい。

そういえば・・・モニカはジュリアが死んだなんて事は一言も言っていなかったね。


「どうしてここに?」

「墓参りよ。あなた達には色々お世話になったわね、これならあの3人も納得はするんじゃないかしら。」


ジュリアは空を見上げ、四天王の3人の事を思っているのだろう。

そうであってほしいな・・・私も一緒に空を見上げていると、ゲオルグがジュリアに声をかけた。


「あなたがジュリアさんか?」

「えぇ、それが?」

「実はあなたに渡すように頼まれていたものがあって・・・」


私の勘違いでゲオルグがタンスに保管していた木箱を持ってきていた。


「これは・・・アメシストのペンダント?」

「あなたを心配していた弟弟子さんからあなたへ贈るはずの物だったんです。」

「そう・・・ありがとう・・・。」


声を押さえながら、涙を流すジュリア・・・私が何かを言うのは野暮かもしれない。


それから、実は勇者の役目ももう終わっている。


昨日 クローク家応接間


ふらっと現れたトモエから魔王の脅威もなくなったから勇者の役目は終わりとかなり大雑把な切り方をされた。


役目を終えたという事とは神様から願い事という褒美が貰える訳で・・・


ジン達は元の世界への帰るらしく、願い事は「『主従契約』が獣人達に効果が出ない様にする。」としてくれた。

レイはこっちに残るみたいで、私が借りていた街の屋敷を譲る事にした。あっちは暖かいからノアールとゲンはレイと一緒にいる。願い事は決まってないらしくて、多分一生使わなさそうな気がする。


「ルークなんだが、前世の事が忘れられないみたいでな。神様に彼女の居場所を聞いていたんだが・・・なんかその後すっきりした表情で神様にお礼を言ってたよ。さて、ジェシカちゃんはどうするんだ?」

「私は・・・」


私はトモエに自分の願い事を伝えた


(続く)

最後まで見ていただきありがとうございます。

ドゥームを倒し王都へ帰還したジェシカ達は、荒野で話していた事を聞かれる事となります。


次が花の章完結です。

ジェシカの願い事、ルークがすっきりした表情になった理由とは・・・

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