98、ドゥームとの決着
このままでは炎の矢は直撃して、私は倒れてしまう。
矢が当たる事を心配するルーク・・・ごめんね・・・
・・・だけど、この時を待っていた!
「オーバーライド!レーヴァテイン!!」
私に向かってきた炎の矢をオーバーライドさせる事で私への直撃を避けた。
その状態にルークは目を点に、ドゥームも驚いているようだった。
「なぜだ・・・確かにお主のエンゲージリングの効果は消えていたはず・・・!?」
ドゥームは私の左手を見て驚いていた。
その理由は私の左中指に制御輪をつけていたから。
「確かにエンゲージリングの効果は消えて神罰とのオーバーライドは解除されたけど、だからといってオーバーライドをする方法が無い訳ではないよ」
ユキからの提案だった。
制御輪を通していたネックレスはちぎれてしまった為、ポケットに入れるだけなら私に使ってほしいと。
制御輪の効果は聞いていたし、ユキとテイムコネクトしていた時にエンゲージリングが発動していた時に感じていた魔力操作が向上する感覚はあったから確証はあった。
そして、私はドゥームの隙をつく為に自分の身を犠牲にしてルークにとどめを刺させるフリをした。
「小癪な。だが、余も遅れをとる訳では無い。」
黒の球体は周囲にあるものを取り込んでいき、黒龍だった頃の姿になっていく・・・
しかし、その体は土や岩の塊でいくら攻撃しても再生される事は容易に想像がついた。
「ルーク!あの核を破壊しないと、倒せない。だから、2人で連携して片付けるよ!」
「はい!でも、ジェシカさんは疲れていませんか?」
本当にルークは・・・ルークには心配させてばっかりだ。
それでも足りないと言いたげな表情を見せるルークに私は拳を掲げる。
「大丈夫だよ。ちゃんとルークから貰ったものがあるんだから。レーヴァテイン!!」
「え!?それは・・・」
ルークが驚くのも無理はない。
私の手と脚に色は違ってはいるものの、ルークと同じくグローブと脚装備がついたから。
この魔法は以前にオーバーライドしたフェニックスとは違い、何故かルークとの強い力を感じていた。
「うん、何か出来る気がした。以前にオーバーライドしたフェニックス以上にルークとの繋がりを感じられたから。」
「!!」
私の言葉を聞いてハッとするルーク。
そして、何かに合点がいった様子でルークは話す。
「それはそうですよ・・・レーヴァテインはジェシカさんがいなければ生まれなかった魔法。繋がりが強くて当然です!」
そうか・・・私は思い出す。
ルークと初めて会った時、魔法が使えなかった。
火の魔法の名家でありながら、魔法を使いこなす事が出来ず苦悩するルークの力になればと矢の話をした。
そして、アルカーナで再会したルークは炎の弓と炎の矢を放つ魔法を使い・・・
ずっと私の言葉を大事にしてくれたんだ・・・
それからも色々あったはずなのに、ルークは大切にしてくれた。
私は嬉しさで胸が一杯になると同時に力が溢れてくる。
それは私だけでなく・・・
「・・・これは!?僕も何だか力が込み上げて来てます。」
「えっ!?」
今度は私が驚いた。
「お前達・・・余の事を忘れたわけじゃあるまいなっ!!」
ドゥームが私達に襲い掛かるものの、今の私達に出来ない事はない!!
振り下ろされるドゥームの右脚をバックステップで回避し
「加速強化、炎の矢!」
私は炎の弓を呼び出し、炎の矢を加速させてドゥームの体を貫通させる。
「ハハハ、その程度では余は倒せぬぞ!!」
「分かっているよ。ルーク!」
「はい!」
私とルークは通じ合っているかの様に・・・
「ジェシカさん、お願いします!フェニックス!!」
「加速強化、連射!」
ルークのフェニックスを私はドゥームの体を貫通させながら、的確に射貫いていく・・・
フェニックスは砕け、ドゥームの足元に破片を残す。
連射する炎の矢の速度にドゥームの再生能力は追いついておらず、声に焦りの色が見える。
「くっ・・・だが、この程度ならまだやれる・・・。」
連射するのも長時間は無理で炎の矢は途中で止まる。
そこに再生する力を残していたドゥームは急速に体を再生させる。
さっき周辺から体を作っていた様に色々なものを取り込みだした・・・
「ハハハ、核さえ無事ならば余は無敵!!早速体を再生させてからお前達を始末・・・!!」
再生をさせない為にルークはドゥームへと走る。
「遅い、遅いぞ。」
「大丈夫です。ここまでは計算通りですから。」
「なんだ・・・!!」
再生したドゥームの右脚がはじけ飛んだ。
「ど、どういう事だ・・・そうか、フェニックスを余が取り込ん・・・ぐおっ!!」
「ルーク!私が道を作る!ブラストレイ!」
取り込まれたフェニックスがドゥームの体の中で連鎖爆発を起こす。
私は弾けた破片からルークを守る為に風魔法でドゥームまでの道を作った。
内部からの爆発に再生が追い付かず、核がむき出しの状態になる。
「ま、まだだ・・・死ねっ!!」
赤紫色の剣身がルークに襲い掛かる・・・
「僕の事を忘れていないかい?ウォーターバレット!」
ユキが水の弾丸で赤紫色の剣身をルークに当たらない様にずらし・・・
「お、おのれ・・・」
「とどめです!フレアインパクト!!」
超圧縮された火の魔力とルークの拳がドゥームの核にひびを・・・
そして、超圧縮された火の魔力はルークの拳の衝撃で方向性を与えられ、前方に向かってその魔力が解放される。
解放された火の魔力は前方にあったドゥームの核をのみこみ・・・
「こ、ここまでとは・・・だが、余は諦めぬ・・・魔王因子がある限り・・・かなら・・・ず・・・。」
最後のドゥームの言葉すらのみ込んで行った。
(続く)
最後まで見ていただきありがとうございます。
ユキの提案により制御輪をつけていたジェシカはルークのレーヴァテインをオーバーライドさせる事で魔法を回避しあらためてルークとの絆を確認する事となります。
そして、ドゥームとの決着をつけたジェシカ達は・・・エンゲージリング編が終わり、花の章も終わりを迎えます。
設定補足:フレアインパクト
超圧縮させた火の魔力を拳で打ち出すルークの必殺技の一つ。拳で打ち出す事で圧縮された火の魔力に方向性を与え、拳の衝撃に加えて解放された火の魔力が追撃される。
設定補足2:どうしてルークも強化されたのか?
原因はジェシカのオーバーライドによるもの。魔力もその人の一部である為に、魔法を通じてよりルークとの繋がりを感じ強化されたジェシカの魔力がオーバーライドを通じてルークに反映される事になっています。
※編集の都合により、この時間帯での投稿になります。申し訳ございません。




