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異世界でも恋愛は出来ますか?  作者: 香坂 悟
花の章
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90、王都の異変

王城・謁見の間


私達はモニカと一緒に王城に呼ばれていた。父をはじめ4大貴族の当主と付き添いの人達もいる。

モニカと行動する事になったし、ドゥームの脅威がなくなったわけではないから説明をしなければいけない。

王様に説明をすると、少し驚きの表情を見せていた。


「そなたが魔王・・・で良いのか?」


王様もモニカを見て目が点になっていた。


「うむ、モニカと呼ぶが良い。」

「それでは、ま・・・モニカ殿。魔王軍が他国への侵攻をしないというのは本当なのだろうか?」


ここは王国としても言質は取っておきたいのだろうけど、元々モニカの目的は世界征服ではない。


「そうじゃな。今は神殺し・・・いや、ドゥームと名乗り世界を破滅させる機会を探っておる厄介な奴がいての。それで勇者たちと共闘をさせて貰っている。わっちも魔王領の民は心配なのじゃよ。」


神殺しの封印を解いたり、神殺しをドゥームにさせた事はあるものの・・・

王様の判断はいたって冷静だった。


「分かった。引き続き勇者達はモニカ殿に協力を頼む。」

「良いのか?理由はどうあれ魔王軍は他国に侵攻しようとした経緯があるのじゃが。」

「それに関しては勇者達が侵攻を阻止しているから問題は・・・」

「いえ、問題はあります!!」


一歩前に出て発言したのは、ヤマニ家の現当主・・・確か前の当主の息子だったはず。


「確かに王都へ侵攻は食い止められましたが、西地区の損害があります。」

「ソラル殿、それに関しては本年度の予算案で補填をかけていたはずですが。」


父がヤマニ家当主に指摘する。

王都防衛戦の後、被害がほとんどなかった東と北と南地区の当主が改めて話し合いをして西地区への補填をしていたらしい。


「ですが・・・ちっ!」


ソラルは私とルークを見て舌打ちをした。

予算の補填に関しては父達の厚意であって、私の入れ知恵とかそういう物ではない。

年齢は私より上かな。急に当主になった事で父たちも気にはしていたらしい。

でも、分からなくはない部分もある・・・まぁ難しい所なんだけど・・・舌打ちはちょっと傷付くなぁ。



謁見も終わり、魔王城に戻ろうとするとアンナから声をかけられた。


「ちょっと、ジェシカ。最近付き合い悪いじゃない!」

「あ、ごめん。」

「『あ、ごめん。』じゃないわよ。」


あ、圧が凄い・・・

そんなアンナをハリーがフォローする。


「ははは、最近のアンナはこんな調子でね。もし休みがあれば付き合ってもらえないかな。」

「ちょ、ちょっとお父様!それじゃ私が寂しがっているみたいじゃないですかっ!」

「違うのかい?ルーク君よりジェシカさんの話をする方が多いからてっきり。」


そうなんだ・・・なんか照れるなぁ。

最近は本当にドタバタしていたから時間作らないとね。


「まぁ、いいわ。ジェシカ、ちゃんと付き合いなさいね!!」

「じゃあ、2日後だけど休み取れるからどうかな?」

「ん?今からでもアンナ嬢とデートしてきていいぞ。」


次の休みの話をしているとジンがそんな話をする。


「え、いやシフトは?」

「その辺は何とかなるし、お困り事を何とかするのも勇者の仕事だろ?」

「お困り事?・・・あ。」


ジンの指摘でハリーの方を見ると苦笑いをしていた。

ハリーがアンナを連れていた理由を考えればそうなるよね。


「じゃあ、ジン達に任せるよ・・・え?」

「早速、北地区に出来た人気お菓子店に行くわよ!」


私はいつの間にかアンナに引っ張られ、北地区のお菓子の店へ。


「あの、アンナ?」

「どうしたの?」


店に入ってから注文をして辺りを見回す。

お菓子店はカフェテラスもあってお茶とお菓子を楽しめる様になっているのだが・・・


「何か空いてない?アンナが店を貸し切っているわけじゃないよね?」


あまりにも人がいなかった。

人気店と聞いたから長蛇の列とかちょっと期待してたのだけど。


「分かってないわねぇ、貴族と言えど人気店だからこそきちんと並ぶものよ。職人さんが丹精込めて作っているのだから、待つのは礼儀なのよ!」


ビシッと右人差し指を伸ばすアンナにちょっと感動した。


「・・・でも、確かに少ないわね。並びながらジェシカとお話するつもりだったんだけど。もしかして、アレかしら。」

「アレ?」

「えぇ、最近噂になっているのよ。王都で人が消えるって話。何でも行方不明になった人はその時の記憶がなくて、何故か冒険者じゃないのに職業持っていたんですって・・・変な話よね。あと、王都の冒険者ギルドでテイマーが一斉に辞めた話とかもあったわね。」


確かに変な話だった。

どうしてそんな事があったのか私は凄く気になってきた。


「モニカ、聞こえる?」


私がモニカの名前を呼ぶと、私の前に光の玉が出てきてモニカの声が聞こえてくる。


「ジェシカか、どうしたんじゃ?」

「ジン達に伝えてくれる?王都で事件が起こっているみたいだから、私は王都で調査するって。」

「うむ、ジンには伝えておこう。無理はするでないぞ。」

「ありがとう、モニカ。」


何もなければ良いんだけど・・・

私はこの不安な事件を調査する事にした。


ーーー


???

黒っぽい壁の部屋のドアからソラルが入ってきた。


「ここにいましたか父上。やはり王様達は魔王領との共存を検討して、教会も王様に従うらしいです。」

「おのれ・・・魔王に屈するのか王国は。それにしても、さすがですなモード殿はここまで先見の明をおもちだったとは。」


ジェシカ達の動きはモードにとっては計算内だったらしく、事前にクラウズとソラルに話をしていた様だ。

2人に褒められたモードは笑顔で答える。


「大した物じゃないですよ。魔王が王国と手を組んだこれは各国への反逆、正義は私達にあります。」

「そうだな、機は熟した。今こそ王国を変える時だ!!」


王都の異変の中で様々な思惑が交差する。


(続く)

最後まで見ていただきありがとうございます。

王様にモニカとの共闘を報告し、王様の理解を得ます。

久しぶりのアンナとのお出かけの中で王都で異変が起きている事を知ったジェシカは異変の調査に乗り出します。


設定補足:モード

まぁ・・・正体はお察しの通りのキャラです。

西地区の当主の庇護下にいる理由とは?

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