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異世界でも恋愛は出来ますか?  作者: 香坂 悟
花の章
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88、魔王との共闘

「ジェシカよ、その前にここから出ぬか?」


私が話をしようとしたら、目の前にモニカがパッと出てくる。

おそらく、頼んでいた事が完了したんだと思う。それなら、ここで話をせずに一旦合流した方が良いね。


「そうだね、まずはみんなと合流しよう。」

「それでは行くぞ。」


モニカが手をパンと鳴らすと、大空洞から一気に・・・


「あの、ジェシカさん。ここはどこですか?何か綺麗なお城ですけど。」

「魔王城だよ。」

「えっ!?こ、ここが魔王城なんですか!びっくりですよ!」

「ルーク、少し落ち着こうか。じゃあ深呼吸を。」


スーハー・・・


私も一緒に深呼吸する。よし、少し落ち着いた。


魔王城に来るとは思わなかったけど、まず私は先に来ているジン達と合流する。

ジン達は魔王城の中庭にいた。


「よお、ジェシカ・・・その、何かおかしな事になっているんだが。ちゃんと説明してくれるんだよな。」

「うん。」


私達は魔王城にある一室を借りてジン達に今までの事を話した。

私とユキ以外は状況が共有できていない状態だったから、ユキにも補足説明をして貰いながら今の状況を話す。


話しが終わると、ジンは頷きながら話す。


「モニカが神殺しを使って神を何とかするつもりだったが、神殺しが暴走したという事で良いのか?」

「すまぬ、わっちもこうなる事は予想できておらんかった・・・」

「それに関してだけど・・・私が原因でもあるんだ。」

「ジェシカ、それはどういう事だ?」


一斉にみんなからの視線が集まる。これに関しては正直に話すべきだと思った。

ドゥームとのやり取りで私が感じていた違和感の正体・・・それは・・・


「・・・ドゥームは不完全な状態で出てきたんだと思う。」

「!?」


私の結論を聞いてみんなは驚いていた。

神殺しとして私が戦った時、私の力が及ばずに攻撃は全て自己再生でカバーされてしまい、文字通り手も足も出なかった。


そして、ドゥームとの初戦闘。

確かに私はルークの協力もあってドゥームの右腕の一本を吹き飛ばした。だけど、ドゥームが神殺しの進化ないし成長個体というのであれば人型というのはあまりにも弱くなっているのではないだろうか。


「そう言えるのには理由があるんだよな?」

「うん、本来神殺しはロッソの大空洞にいた黒龍を全て食らって成長するはずだったけど、私が途中で卵に攻撃を当てたんだ。砕けた卵は殻だけで中身と呼べるものが無かった・・・中身はもちろんドゥームで、卵が砕けた時に身の危険を感じて咄嗟に姿を変えたのだと思う。私が追い詰めた時『この体でなければ』って言っていたからその状態になっていたのは予想外だったと判断するよ。」

「・・・状況的にはそうだろうな、でも不完全と言えるのか?」


ジンが言いたい事も分かる。

ドゥームが完全だった可能性・・・私もあの時はルークのおかげで追い詰める事が出来たから、実力の判断基準がずれていると言えば否定はできない。

でも・・・


「それは、ドゥームの目的と行動が合っていないんだ。私がモニカを大空洞から離脱させたのはジュリアや魔王軍の件があったからなんだけど、わざわざドゥームがモニカを追い詰める必要はない。世界の破滅を目的とするなら余計にね。おそらく狙いは・・・」

「わっちの魔王因子じゃな。」


モニカの戦線離脱は咄嗟の判断だったけど、モニカがすぐに分かってくれたのはとても有り難かった。

今後の動きにも大きく関わって来るからだ。


「うん。既に大空洞には黒龍はいないから、手っ取り早く完全体になる為には魔王であるモニカを狙ってくると思う。」

「それで迎え撃てるようにしたわけじゃな。」

「ありがとう。まさか魔王城を貸して貰うとは思わなかったけど、凄く助かるよ。」

「いいんじゃよ。わっちもあやつとは気が合いそうにないし、これはジュリアからの頼みでもある。」


ジュリアから・・・やはり手遅れだったのか・・・

落ち込んでばかりもいられないから、その気持ちを私は大切に受け止めた。


「そうなんだ。モニカにはドゥームを探す手伝いをして貰う事になるけど、大丈夫かな?」

「うむ、任せておくといい。」

「ありがとう。」


私はモニカと握手をする。

握り返される手は私より小さかったけど、他の人たちよりも存在感が大きい。


「しかし、本当にやるんだな・・・勇者が魔王と共闘なんて。」

「うん。今戦わないといけないのはモニカじゃなくてドゥームだから。」

「良いんじゃない?共通の敵に対して手を組むっていうのも。私は嫌いじゃないね。」

「そうですね、僕達勇者はこの世界の人達を守るのが役目なんですから良いんですよ。」


私自身、こんな事になるとは思わなかった。

敵と思っていた魔王との共闘。お互いの未来を守る為、私達はドゥームへ立ち向かう。


「・・・せっかくだから、アレやっとく?」

「いいのう。わっちは賛成じゃ。」

「そうだな、せっかくだからやっとくか。」


私発案でモニカがのって、ジンが皆を集めて私達は円陣を組んだ。


「俺達でドゥームを倒すぞ!!」


ジンのかけ声に合わせて皆は「おー!」と声を合わせた。


(続く)

最後まで見ていただきありがとうございます。

ジェシカの語るドゥームの事実、それはドゥームが不完全な状態での顕現をした事だった。

モニカの持つ魔王因子が狙われると踏んだジェシカはモニカとの共闘を提案し、共にドゥームを倒す目標を掲げます。


設定補足:エンゲージリング

対象の魔力の操作性能を限界まで跳ね上げる事が出来る魔法。

ただし、対象に触れて発動させる事と効果が10分しか持たないという欠点がある。

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