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異世界でも恋愛は出来ますか?  作者: 香坂 悟
花の章
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87、約束の指輪(エンゲージリング)

私の手を握るルークはいきなり時間を伝えた。


「効果は10分です。」


もちろん、私は意味が分からなかったのでルークに聞き返した。


「え?えっと・・・10分??」

「はい。これだけはどうしても超えられなかったのですが、ジェシカさんなら問題はないでしょう。いきます、エンゲージリング!」

「ちょっと、効果は!?」


説明のないまま、ルークは私に魔法をかけた・・・


それにしても、エンゲージリングなんてルークは・・・


魔法が発動してすぐ、握られていた左手の薬指に光が集まり指輪が形成された。


「これがエンゲージリング・・・」

「余を無視して何を遊んでいる。イービルレイ!」


ドゥームの右腕から放たれる赤紫色の光線に


「ブラスト!」


咄嗟に放ったブラストが赤紫色の光線に対抗するかのように緑色の光線の様な形状になり、お互いの魔法がぶつかって魔力が周囲に散った。


「え!?ただ、魔法を使っただけなのに。」

「これがエンゲージリングの効果です。」


ルークにはこの結果が分かっていたみたいで、少しドヤ顔をしていた。

でも、ルークが自慢げになるのも分かる・・・魔力のコントロールがけた違いに快適で、なんかすごく調子が良い・・・なんかこの感覚覚えがある。


「そして、温かい・・・」


胸に感じる温かい気持ち。

うん・・・負ける気がしない。


「ほう、余の攻撃魔法を攻撃魔法で捌くか。悪くはない。」


私の行動に興味を示すドゥーム。


「(ジェシカ。)」

「どうしたのユキ。」

「(これなら、君にアレを教えられる。)」

「アレ?・・・それにしても、ユキはこの状況に冷静だね。」


疑問だった。

私もこんなに魔法がコントロールできている事に驚いているのに、ユキは普通に対応している。


「(簡単な話だよ。今のジェシカは制御輪をつけた時と同じ状態なんだから。)」


なるほど、そういう事か。

ユキにとって制御輪をつけている時と同じ。だから、驚かなかったんだ。


「この状態が・・・もしかして、ユキ・・・」

「(うん。ジェシカ少し意識を集中させて。)」


ユキの言葉を受けて、私が意識を集中させるとユキから雷魔法の使い方が流れ込んでくる。

ユキが封印をしていた『神罰』も含めて。


「ありがとう。だけど、必要はなさそうなんだ。」

「(え!?)」


今の私なら『神罰』も使いこなす事も出来る。

でも、今の私には相応しい力がある。


「ユキ、テイムコネクトを解除するよ。」


私はテイムコネクトを解除した。そして・・・


「ルーク、私にフェニックスをお願い。」

「えっ!?」

「大丈夫、私を信じて!」

「はい。フェニックス!」


ルークの炎の弓から放たれるフェニックスを私は受け止める。


「オーバーライド、フェニックス!」


ベレー帽に燃えるような色の赤い羽があしらわれ、赤いスカーフとフレアスカートが風に舞った。


「加速強化!」

「余を待たせたのだ、楽しませてもらうぞ!イービルソード!」


4本の腕から赤紫色の刃の剣が出てきた。

そして、繰り出される剣圧は普通なら圧倒されても良いはずだけど・・・


右上腕部からの袈裟切りをレイピアで受けて、そこから左下腕部からの切り上げをさらに捌いた。


「1本の剣で捌くか。だが、これならどうかな。」


私のレイピアに剣を持った4本の腕から繰り出す無数の刺突、しかも私の武器・・・レイピアの剣身にたいしての精密な攻撃。


キキキキンと軽快に響く金属音。

勇者武器でなければこれだけで剣は持たない・・・それに、守るだけではタイムリミットが来てしまう。

私は少し後ろに引いた。


意識を集中させる、フェニックスの真価は復活時の超火力。


といっても、私自身が傷つくのではなく・・・


「フェニックスシールド!」


イージスを出すのと同じように赤い盾を私の目の前に出現させる。


「そのような盾で余の攻撃を捌けると・・・」


ドゥームの言う通り、フェニックスシールドではあの攻撃を耐えきれはしない。

ただ、私の目的は盾を砕かせる事。


砕けた盾からフェニックスが顕現する。


「何っ!?」


巨大な火の鳥はドゥームを飲み込み、燃やし尽くす。

まとわりつく炎を振り払おうとするが、そのたびに炎は強くなっていく・・・


「くっ・・・。」

「今度はこっちの番!ブレイヴフェニックス!!」


炎を私自身に纏わせ、加速強化でドゥームに突進する。

燃え上がる様な加速から繰り出す超高速の連続突きにドゥームは咄嗟に防御するが・・・


防御する上の右腕が吹き飛んだ・・・


「おのれ・・・この体でなければ・・・」


ドゥームから言葉が漏れる。

この体でなければ・・・それの意味する事が私には・・・いや、そうだ。


私はふとある事を思い出した。


「こうなったら。ダークネス!!」


ドゥームの体からあふれ出す闇が大空洞を包みだした。


「ここでとどめをさす!・・・!?」


とどめを刺そうとした瞬間に私の視界がぐらつく。

オーバーライドが解除されて、元の私に戻った反動が来ていた。

おそらく、タイムリミットが来たのだろう。


「だけど、今なら!ブラスト!!」


突風がドゥームのいた所に吹き抜ける。

しかし、突風が吹き抜けたさきにドゥームはいなかった。


「ジェシカと言ったな、余の右腕を奪った罪は必ず清算させてもらうぞ!」


その声が大空洞に響く頃には気配はなく、私達はただ茫然としていた。


「逃げられたね。」


呆然とする私にユキは声をかける。

こういった場面は慣れているからかな。


「うん・・・。」

「・・・どうしたんだい、ジェシカ。」

「ドゥームの言葉だよ。『この体でなければ』って言っていたよね。」

「あぁ、確かにそんなこと言っていたっけ。それがどうしたんだい?」


私には思い当たる事があった。

その仮説は十中八九間違いはないと思う。


「ドゥームの事なんだけど・・・。」


私はその場にいたみんなにドゥームに起きていると思われる事を話した。


(続く)

最後まで見ていただきありがとうございます。

ルークがジェシカに対して発動させた魔法:エンゲージリングは制御輪と同等の効果を得る事が出来る魔法だった。

ルークのフェニックスを纏い、ドゥームを圧倒するもののタイムリミットが来た事で逃げられるジェシカ達・・・

戦いの中でドゥームの秘密に気付いたジェシカはみんなにその事を話します。


設定補足:オーバーライド

テイムコネクトが仲間との合体になるなら、オーバーライドは魔力との合体。

ただし、より精密なコントロールが必要になってくる為に制御輪もしくはエンゲージリングでのサポートが必須になる。

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