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異世界でも恋愛は出来ますか?  作者: 香坂 悟
花の章
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86、孵る卵

中身が・・・ない・・・


「ルーク、ウィルも気を抜かないで!!」

「ふっふっふっ・・・」


大空洞に私達やモニカ達とは違った男性の低い笑い声が響き、砕けた卵の殻が黒いモヤになって消える。


「ここだ。」


夜空から黒いスーツ姿の青年がゆっくりと降りてきた。

私より少し背が高いくらいで恰好以外は本当にどこにでもいそうな・・・本当に特徴のない顔で私は不思議な感覚に陥っていた。


カツン・・・


黒い革靴が乾いた地面に当たると軽快な音が大空洞に響いた。

背中から6枚の黒い翼を生やし、黒いシルクハットのワンポイントに6つの赤い目のある仮面、そして組んでいる腕が2対・・・

間違いない、これが神殺しの変化した姿・・・新神だった。


「余をこの世界に顕現させた事を褒めて遣わす。」

「お主は神殺し・・・いや、新神じゃな。」


モニカは新神に近寄りながら声をかけると、新神はモニカを嫌そうな顔で睨みつける。


「・・・余と同じ魔王因子を持つ者か・・・不甲斐ない・・・実に不甲斐ない。」


右手で顔を押さえ、モニカに嫌悪感を前面に表す新神。

“不甲斐ない”がどこを指しているのか分からないけど、例えるなら上司が仕事に失敗した部下を責める様なそんな態度だ。


「役立たずは要らぬ。わが糧となるが良い!イービルレイ!」


新神は右腕の一本をモニカに向かって伸ばすと禍々しい赤紫色の光が収束し・・・光線が発射される。


「モニカ様!」


よろめきながらもジュリアは咄嗟にモニカをかばい、光線がジュリアを貫いた・・・


「ジュリア!」

「モニカ様・・・私はすみません・・・ゴホッ・・・」

「ジュリア、しっかりせい!」


私の攻撃を受けてから、更に新神からの攻撃を受けているから・・・おそらくもう・・・

そんな二人を見る新神は更に不機嫌そうな顔をする。


「この世界を滅ぼすものが何甘い事をやっておるのか・・・不快だ・・・余をここまでイライラさせるとは・・・死ね。シャドウブラスト!」


黒い風がモニカとジュリアに襲い掛かる。

このままだと二人は新神にやられてしまう・・・


「させない!」


私は咄嗟に二人の前に出て魔法を発動させる。


「イージス!」

「(イージス展開!)」


二枚の盾を使い、新神の魔法を防いだ。


「その魔法はシグマの!?」

「ほう、余の魔法を防ぐか・・・」


モニカと新神のやり取りに首を突っ込む事になったけど、モニカをみすみすやらせるわけにはいかないと私は咄嗟に判断した。


「余の邪魔をする以上は覚悟すると良い・・・」


イライラする新神とジュリアを抱えるモニカ、そして後ろにはルークとウィルがいる・・・


「ルーク、ごめん。」

「何言っているんですか、僕たちの仲じゃないですか。どこでも付き合いますよ。」

「ジェシカさん、俺だっています。」

「うん、ウィルも力を貸して。」


まさかこんな事になるとは思わなかった・・・


でも、ここで新神を食い止めなければ世界は大変な事になる。

私は直感で新神に対峙する。


「イービルレイ!」


新神から放たれる光線を私はレイピアで切った。

私一人に向けられた魔法なら切った方が明らかに早い。


「!?」

「??」


魔法を切った私を見て、一瞬だけど新神は動揺する。


「・・・ふっふっふ、お主か。余の宿敵と呼ばれる勇者という存在は。」

「私は青の勇者ジェシカ・・・でも、あなたは神殺し・・・新神じゃないの?」


新神は首を横に振る。

確か、モニカは世界の神の概念を上書きする為に神殺しを新神に変えていたはずなんだけど、新神はそのすべてを否定した。


「神殺し?新神?くだらないな・・・余はドゥーム・・・余の目的はこの世界の破滅である!!」


背中に生えた6枚の黒い翼を大きく広げ、黒い羽根が周囲に舞った。

モニカは世界を変えるといっても、その世界を愛していたのは分かる。

だけど、ドゥームにはこの世界の破壊以外に目的が無い・・・同じ魔王因子を持っていてもその考え方は大きく違う。


もしかして・・・いや、その推測は後でまとめよう。

私がまずやる事は・・・私はモニカに声をかけた。


「モニカ、ちょっと頼めるかな?」

「ふむ・・・これはわっちの見積もりの甘さが招いた事じゃからの。落とし前はつけさせて貰うよ。じゃが、奴をとめられそうかのう?」


モニカも私の言いたい事が分かったみたいで快諾してくれた。


「まぁ、少しの足止めくらいならね。お互いに出来る事をするだけだよ。」

「・・・すまぬジェシカ。少しここを離れるぞ。」

「うん。こっちは任せておいて。」


モニカは転移魔法でジュリアを連れて大空洞から離脱した。


「ふっ、無駄な事よ。お主等を血祭りに上げた後にじっくり追い詰めてやる。」

「もちろん、させないよ。」

「ジェシカさん、どうしてモニカさん達を離脱させたのですか?」


もちろん理由はある。ただ、説明するには長いので・・・


「ごめん、ルーク。今はこの方法しか思いつかなくて。少し長くなるから、後でいい?」

「・・・分かりました。あの敵を倒しても問題はないって事でいいんですよね?」

「えっと、ルーク?大丈夫??」

「死亡フラグってやつですか?いいえ、ジェシカさんに勝利を捧げるからそうなるんですよ。」


ん?ルークの言葉の意味が分からず私は首を傾げた。


「見てて下さい。これがジェシカさんに贈る僕の最高な魔法です。」


ルークは私の左手を掴んで意識を集中させた。


(続く)

最後まで見ていただきありがとうございます。

砕けた卵には何もなく、神殺しは新神に進化しますが・・・モニカの意図に反して世界の破滅を望む存在だった。

ジェシカはモニカに頼みごとをして足止めを引き受けるものの、ルークには何か手がある様でした。


設定補足:ドゥーム

神殺しが黒龍やダークマターを食らい進化した姿。魔王因子のこの世界を破滅させる意志をより強く反映させており、スーツ姿なのは世界への否定を意味する。(一応この世界には礼服は存在しますがスーツではなく、スーツは存在していません。)魔王因子を持ちながらも世界の調和を考えているモニカに対して非常に強い嫌悪感を抱いている。


※編集の都合により、この時間での投稿になり申し訳ありません。

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