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異世界でも恋愛は出来ますか?  作者: 香坂 悟
花の章
285/309

81、新しい可能性 (3)

やっとルークから私達をロッソに誘った理由が聞ける。

無理やり聞くのも野暮だったのでちょっと楽しみだったりする。


「制御輪が作られた経緯を知りたいんです。」


ん?それだけ??私は首を傾げてルークを見ていた。

別に王都で聞いても問題はなさそうなので。

ユキはそのまま理由を答える様だ。


「それなら、王都で聞いても・・・まぁ、良いかな。僕はセレスティナ王国で青の勇者として召喚されたんだけど、その時は全くと言って良いくらいに魔法が使いこなせなかったんだ。」

「え?ユキの魔法って綺麗だよ??」


ユキが魔法を使っている所は何度も見た事があるけど、使いこなせなかった感じはない。

むしろ、お手本と言って良いくらい整っている。


「あはは、それは500年も生きていれば何度も使う事になるからね。それと制御輪の存在は大きいのだと思う。制御・・・つまり、魔力コントロールになるんだけどそこが違うだけで同じ魔法でも性能が段違いになるんだよ。イメージ的には自転車に近いのかな?ほら、あれって乗れる様になれば乗れなくならない限り体が覚えているから忘れないよね。」


制御輪で魔法のコントロールを矯正してそれを反復して使うから体が覚えてしまったという事らしい。


「凄いですね。」

「そうかい?僕からすればこの世界の人たちやジェシカやルークさんの方が凄いと思うよ。じゃあ、話を戻そうか。ソフィアがセレスティナの王女だった頃は魔法技術の研究を熱心にやっていてね。その時に魔法をうまく制御できない僕の為に作ってくれたのが制御輪なんだ。彼女の話だと僕の魔力量は勇者だったからかは分からないけど、とんでもない量だったらしくてその制御が上手く出来ていなかったんだ。」

「ユキさん、そんなユキさんから見てジェシカさんってどうですか?」


ルークは真剣な表情でユキに尋ねる。


「それはジェシカの魔法の素質って事で良いのかな?」

「はい。」

「はっきり言えば、天賦の才に恵まれていると思う。ジェシカ・・・正しくはクローク家に伝わるスピードの魔法が身体能力にも作用する事もあってか、自然と制御が意識されていると思う。ただ・・・」


ここまでユキに褒められるとは思わなかったけど・・・


「ただ・・・?」

「癖なのかな。制御=力を押さえるというイメージがある様に思えるんだ。本来の力を自分の中で押さえつけてしまっているイメージだね。だから制御輪でコントロール出来るようにすればいいと思っていたんだけど、制御輪は僕の為にソフィアが調整してくれた事を知る事になった。」

「あ、上げてから落とすんだねユキ。」


分かってはいたんだけど、あえて私が指摘するとユキはキョトンとした表情でツッコミを入れる。


「ん?落としてなんかいないよ。力を押さえるというのは人間・・・いや、生物なら当たり前の行動なんだよ。やり過ぎれば体を壊すし、わざわざ体を壊すギリギリまでコントロール出来る人の方が珍しいよ。」

「それもそうか。」


前世でも単なる一般人だった私にそんなアスリート精神はない。


「ありがとうございます、ユキさん。これで心置きなくやりたいと思っていた事が出来ます。」

「やりたい事?」


ふと、ルークがやりたい事があると言い出した。

・・・どういう事なのだろうか?


「えぇ、もしかしたら僕が神様から貰った力があればジェシカさんの力になれるかと思って。」

「ルークが神様から貰った・・・ってどんな力だったっけ?」


ズルッ・・・あ、ルークがこけた。


「物質創造ですよ。僕の炎の弓もこの力のおかげです。ですから、この力でジェシカさんの為に制御輪に代わるものが出来れば良いと思ったんです。」

「へぇ、ルークさんにしては殊勝な心掛けですね。まぁ、ジェシカさんの為に頑張ってくださいね。」

「わ、私はルークがそう思ってくれるだけでも十分だよ。」


ルークの決心にウィルがなぜか上から目線で圧をかけてくる。


「・・・でも、制御輪ってどう作ったんですか?」

「え、魔法のコントロールの為の装備で・・・」


ふと、ルークは疑問を口にした。


「そこなんですよ。」

「?」

「魔力や魔法ってどうしても個人差が出てくるじゃないですか。仮に制御する何かがあったとして、その制御の基準ってどうやって決めているんだろうって。」

「あ・・・。」


あらためてルークから指摘を受けて、私とユキはその盲点に気付いた。

たしかに私の魔法を制御するにしてもその基準となるものがない。


「ユキさん、制御輪を渡される前に何かありましたか?データを取られたとか。」

「いいや・・・そんな事は・・・ん?ちょっとまった。もしかして・・・」

「何かあったんですか?」


ルークの質問にユキは少し恥ずかしそうに答える。


「なんかよく手をつないだりしてた気が・・・時々恋人つなぎとかして・・・制御輪を貰った後は少なくなったから、もしかすると。」

「そ、そうですか・・・あの・・・」

「はい、意義あります!それは手をつなぎたかっただけじゃないでしょうか?」


ウィルは手をつなぐことについて猛反対をするものの、まぁ手をつなぐくらいだからね。


「試す価値はあると思うんだ。でも、なんで手を繋いだりする事が必要だったんだろう??」

「さぁ。制御輪に話でも聞けたら良いんだけどね、あはは。」

「それだ!!」

「え・・・ジェシカ、はっきり言って冗談だからね。」


確か朧月の塔の上でソフィアが話してた・・・仮想人格の存在。

私はユキの承諾を得て、制御輪を手のひらにのせ指で軽く包む様に持ち、意識を集中させた。


(続く)

最後まで見ていただきありがとうございます。

制御輪の作られた経緯、それは異世界転移してきて魔法が使いこなす事が出来なかったラピスへソフィアが

贈った物だった。

そしてルークの目的を果たす上で制御輪の仮想人格にジェシカは語りかける事になります。


ストーリーおまけ:制御輪

ちょいメタ発言すると花の章でもジェシカは普通に制御輪を使いこなす事が出来るのですが、ルークが代わりになる物を考えている事やユキの気持ちを知っているからジェシカから制御輪を装備する事はまずありません。

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