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異世界でも恋愛は出来ますか?  作者: 香坂 悟
雪の章
28/309

28、洞窟調査は暗雲の序章 (1)

王都に戻った私たちは対策本部へ向かった。


「ジン、お待たせ。報告書持ってきたよ。」


ドサっ

ジンの前に報告書を置くと少し驚いている。


「お、おう。じゃあ確認するよ。」


ジンが報告書を目に通している間、私とレイは休憩する。



3時間後・・・

報告書に目を通した後、ジンは意外そうな表情をしていた。


「報告ご苦労さん。・・・にしても、レイと一緒だったから洞窟に突っ込むかと思ったんだが。」

「突っ込むなとは言われてたし、報告書がね・・・」


ジンの目の前に積まれた報告書を見ながらやり過ぎたかなぁと思っているとジンが声をかける。


「いや、ジェシカの調査には助かっている。後は例の洞窟だよな。ここは俺たちも調査に行こう。」


洞窟の調査についてまとめる。

実際に何があるのか分からないので、鑑定はありがたい。でも・・・

確かにグラースのおかげで狼の件は大丈夫だけど、誰かは本部に残っていた方がいいんだよね。


「・・・でも、誰か本部にいた方がよくない?」


私は思った事を口にする。

そこにレイが言葉を繋げた。


「やっぱり、バカはお留守番で良いんじゃない?」

「おい、レイ。俺だってジェシカとデート・・・じゃなかった、調査したいんだ。」


・・・


難しいなぁ・・・うーん。

みんなで話し合っていると対策本部の入り口が開き、見知った声が聞こえた。


「遅れました。ジェシカさん、貴方のルーク参上しました!」

「ジェシカ先輩、応援に来ました!」


見知った声に振り向くとルークとセルリアだった。


「久しぶり。ルーク、セルリア・・・もしかして・・・」


私の言おうとした事を察したのかセルリアは念を押した。


「違いますよ、先輩。たまたま定期便で一緒になっただけですね。それに私は一途なんですよ。」

「・・・ごめん。あと、来て早々だけど私達は調査に行く事になっていて・・・」


ルークとセルリアに現状を説明した。


「・・・なるほど、でしたら私はお留守番ですね。ここで先輩のサポートに入ります。」


話が早くて助かります。

後は・・・


「ルーク、セルリアを守ってくれないかな?」

「え、僕もジェシカさんと一緒に調査を・・・」

「お願いっルークしか頼れないの。」


私が手を合わせて頼み込むと


「わ、分かりましたよ。」


メンバーも決まった事だし、洞窟の調査に向かう。



「ジェシカも酷いよなー。惚れた弱みにつけこんで、ルークを使うなんてな。俺もいずれはと思うと恐ろしいぜ・・・」

「もう、ジン。人聞きの悪い事言わないでよ。誰かは残っていた方が良かったと思うし。」


道中ジンからそんな事を言われる・・・


「まぁ、セルリアさんをバカの毒牙にかけるよりはましだろうね。」

「馬鹿か、お前は。あの子はちゃんと別に好きな人いるだろう?それに、俺とルークはジェシカ一筋なんだよ。」


へぇ、見ている所は見ているんだなぁ。それはとりあえずおいておいて・・・


「ジン、それ・・・本人の前で言うものじゃないよ。恥ずかしいから。」

「ジェシカ、お前にはきちんと言っておかないとすぐにどこかに行くからな。ちょっとはあの子を見習えよ。」

「え?私だって・・・。」


セルリアほどじゃないかもだけど、好きな人?はいるんだけどね。

チラッとユキを見るけど、いつも通りで・・・相変わらず鈍いんだけど。


「どうしたの、ジェシカ。」

「いやあ、ユキは幸せそうだなぁってね。」

「ウサギもウサギで大変なんだよ・・・そろそろ山に入るよ。」


私はブレスレットを通して、グラースに山に入る報告と引き続き狼たちの統率をお願いする。

念話というのかな?グラースと話したいと考えながら意識を集中すると、遠くでも会話が出来る。

狼たちと遭遇しても、一声上げてからあとは何事も無かった様に歩いていった。



私達は洞窟前に着いた。

到着する頃には少し雪が降っていた。


「いよいよだね。ユキ、テイムコネクト。」


意識を集中して洞窟周辺を警戒する。


「洞窟内には初めて入るからね。みんな、気分が悪くなったとか異常あればきちんと報告してね。」


洞窟内は岩肌が露出していて、生物の気配などはない。

あの異質な流れの影響だろうか・・・


少し歩くと、以前に試した音響調査で感じた建物がある。

石造りの建物で、王都で使っているレンガの材料になっている石で黒い。

昔はそれなりに整った形で採掘されていたから、レンガに加工せずにそのまま壁に使っていたらしいのでかなり古い遺跡と思われる。


建物の作りは非常にシンプルだった・・・

何かを安置するための祭壇。

異様な流れは中央から出ている。


「あれは・・・!!」

「「キャアッ!!」」


数歩先を歩いていたジンとアオイとアキラが驚きの声を上げる。


そこに見えたのは

大きな魔方陣の上に血の痕と

白骨化した人間の物と思われる死体が数体あった。


「何なんだろう・・・!!」


突然死体が動き出して、アオイとアキラに襲いかかる。

咄嗟に私とレイが死体の攻撃を防ぐが・・・

何が起こっているのか分からない。


「助かった。ジェシカ、レイ調査は後だ。まずはこいつらを何とかするぞ。」

「うん。」

「言われなくても。」


突然の戦闘に私たちは戸惑いながらも、戦闘を開始する。


(続く)

最後まで見ていただきありがとうございます。


洞窟の内部の遺跡にあった謎の祭壇、動き出した死体・・・

ジェシカ達はそこで一体何を見つけるのだろうか。

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