第陸話 道中
役逆ミニ紹介!
No.3 イルス(二回目)
趣味 剣の修行
得意魔法 後に判明
得意武器 片手剣
容姿 金髪、青い目、平均的な身長(170)、黒服
「僕は…僕は盗賊団の拠点へ行きたいんだ。」
ほう、盗賊団の拠点か。さっきの奴らかな?確かにいっても良さそうだ。
「じゃあ、そこへ行こうか。俺は分からんから、案内してく
れ。」
俺がイルスに頼むと、イルスは驚愕しながら言ってくる。
「あれ?そこは反対するんじゃないの?だって、盗賊団の街
だよ?普通、反対だよね。」
…別に行ったって、殺されるわけがない(当然、返り討ちだ)し、そこで旅するための食糧を補給が出来るなら、それで良いじゃないか?
「言っておくが、あそこのリーダーは強敵だよ。いくらアルでも、苦戦するんじゃないかな?」
「構わない。」
俺の答えを聞き、イルスは溜め息を吐くと、「分かった。それで行こう。」と言って、歩き始めた。
俺もついていき、二人で盗賊団の街へ向かった。
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「さて、じゃあ約束通り、俺について話そう。」
少し歩いた頃、俺はイルスに言った。
イルスは「急すぎだよ…。」と言いつつも、話を聞こうと耳を傾けた。
「じゃあ、話すぞ。まずは名前からかな?俺はアル…。いや、アルガァ・ナイト。"最後の魔王"だ。」
「………やっぱりね。君の実力なら、魔王と言われても納得するよ。」
イルスは頷いていた。
正直に言うと、俺は少し驚いている。イルスは少し驚くと思っていたからな。ちょっと残念だ。
「俺は勇者に殺されたんだ。その勇者が魔王になったのには
驚いた。あの奴が、そんなものになるとは。」
「じゃあ、何故、君は生きているんだい?」
…イルスには話して良いか。
「転生だ。俺は転生して、人間になったんだ。」
転生と聞き、イルスは「なるほどね…。」と小声で言う。
「俺は今、魔王領へ向かっているんだ。そこで邪悪化した魔族について調べるつもりだ。」
「じゃあ…僕はもっと強くならないとね。いずれ、君の隣に立てるようになるために…。」
お前、まさか魔界に行くつもりなのか?あそこは人間にとっては地獄だぞ?
俺が驚いていると、イルスが言った。
「君の強い理由、過去を知れて良かった…。これで君に安心してついていけるよ…。あっ…見て、あれが盗賊団の街だよ。」
俺は言われるがまま、イルスが差した方を見た。
そこには木の壁で囲まれた街があった。盗賊の街と聞いたから小さいのを想像したが、案外大きい。
「ほう、あれか。確かに街だな。」
俺がその街を見ていると、イルスは腰のポーチから何かを探した。
しばらくして、イルスが物を取り出した。イルスが出したのは緑色の液体が入った瓶だった。
「イルス、それは?」
俺が質問するが、イルスは何も言わない。
イルスは瓶の蓋を開けると、すぐさま俺に振りかけた。
「…?」
イルスに振りかけられると、俺の背はどんどん低くなっていった。そして、最終的には雀サイズになってしまった。