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一年生予選


 そうこうしている間に、一年生の試合が始まる。トーナメント形式で、上位4名が学年混合の本戦に進むことができる。


 まずは、学年4位に入るのが私の目標。なんせ、入学試験では副団長と戦ってすぐに負けてしまったのに首席入学とか、公爵家の力で入ったみたいで嫌だ。絶対勝ち残ってみせる。


 トーナメントなので、初っ端ライアス様やフローラと当たらないことを祈っていた。しかし、実技の成績上位者は均等に分けられているようで、上に行くまで当たらないようだ。


「ふふ、今日は体が軽いわ。なんでも出来そう」


 うん、なんで負けフラグっぽいのを唱えた自分!!まあ、勝ち残ってみせるけどね!

 あ、ライアス様!初戦瞬殺ですね!本当に強くなっていてビックリです。


 お、フローラの方も相手を吹っ飛ばしましたね!ああ、今回は場外にネット張ってるんですね。試験官みたいにどこまでも吹っ飛んだら大変だから、その対策でしょう。


 そんなふうに一人実況を楽しんでいたら、すぐに私の番が回ってきた。

 身体強化を発動して、模擬刀で…………あれ?もう勝ってしまった?


「うわー。強くなったなリアナ。俺も負けないけどな!」


「ライアス様、褒めていただき光栄ですわ。ライアス様こそ、見間違えるほど強くなってますね」


 少しだけ遠い目になったライアス様。詳細は聞くまい。


「……ああ、フローラと毎日戦い続けていたからな」


「そういえば、フローラのこと、どう思ってるんですか?」


 あら?ライアス様の顔がなんだか赤いですよ?


「……お前な。そんなことをこんな場所で言うなよ」


 意外とライアス様の気持ちは友達から進展しているのかもしれない。二人が幸せになってくれると私も嬉しい。

 まあ、その後の断罪は全力で避けさせてもらうけどね!!


 ✳︎ ✳︎ ✳︎


 そんなこんなで、順当に勝ち上がった私たち。まもなく準決勝です。私のお相手は、Aクラスの……。


(……!?)


 私の準決勝の相手は、まさかの攻略対象だった。メガネに深いグリーンの髪の毛。

 長い前髪とメガネのせいで顔が見えにくいけど、私は知っている。前髪をあげてメガネをとると胸キュンなほど可愛らしい容姿をしているのだ。


 あれ?ここまで残るほど強かったっけ。たしか、光と闇以外の全属性の魔法が使えるため、平民でありながら特待生として入学という設定だった。


 でも、魔力が高すぎて入学時は上手く扱えなかったはず。そのせいで彼は三学期まではSクラスではない。ゲームの世界では。


 フローラと出会って特訓をすることで、徐々に頭角を表すはずなのだが。


「……師匠!」


「マルクくん。ここまで勝ち上がるなんて、やはり私の目に間違いはなかったようですね!」


 ん?フローラはすでに知り合いなのね?


「師匠に鍛えてもらったおかげです!いきなり手合わせを申し込まれた時は愕きましたが」


(――――あなたの仕業ですか、フローラ!!やっぱりと言うかこんな時だけヒロイン品質ですよね?!)


 いや、でも『春君』でもフローラとともに頑張ることで強くなったから、あながち間違いではないのかしら??……でも、師匠って?


(ライアス様!ここにライバル出現ですよ!準備体操してる場合じゃないですよ!)


 次の試合は、フローラ対ライアス様の準決勝だ。目が離せない。


「えーと、マルク様?リアナです。よろしくお願いします」


「リアナ様、マルクとお呼びください。ええ!正々堂々熱き戦いをしましょう!」


「あ、じゃあマルクくんと。そ、そうですね。正々堂々戦いましょう」


 んん?こんなキャラだっけ?もっと恥ずかしがり屋ではなかったかしら?やはり、師匠のせいかしら?


 マルクくんは、私に向かってメガネを取って前髪をかきあげて微笑む。これ……マルクくんの育成に成功した時に拝むことができるスチルだ。


 周りからどよめきが聞こえる。うん、これはカッコ可愛いね。ビックリした。いつのまにマルクくんの育成を終えたのか?すごいなフローラ。やっぱり尊敬する。

ライアス「ん?一緒に訓練する仲間が増えて良いことじゃないか?」

フローラ「弟子がライバルにまで育ってくれてうれしいです!」


最後までご覧いただきありがとうございました。


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