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攻略対象者はライバル


 ✳︎ ✳︎ ✳︎


「え?武闘会ですか」


「そう。武闘会の成績で実技の評価が決まるらしいわ」


 その後も、毎日のようにフローラは世界樹の塔に勉強しに来ていた。

 今や彼女は、知識のパラメーターが高いインテリ系ヒロインに成長を遂げている。座学の方も、申し分ないだろう。……でもまだ、負けないからね!


「武闘会なんて。私、ワクワクが止まらない!」


 しかし、フローラの魂はやはり脳筋のようだ。でも、なんでフローラはこんなに強さにこだわるようになったんだろ?お淑やかな設定だったと思うけど。


「ね、なんでフローラはそんなに強さにこだわるの?」


 多分また脳筋系の返答が返ってくるんだろうなぁ。って予想していたのと裏腹に、なぜかフローラの瞳が七色に煌めく。


「――――大切な人を守りたいじゃないですか」


『――――私にもっと力があったら。きっと未来は変わっていたのに』


 砂嵐のような耳鳴りがする。泣き叫ぶ私の前で、静かに涙を流していたフローラが口を開き、呟いた。

 これは、いつの記憶なんだろう。それともただの想像?もちろん目の前のフローラは泣いてない。無邪気に今日も笑っている。


「それに、闘ってる瞬間だけは、たしかに生きてるって実感できるから」


 なんかいいこと言ってるみたいだけど、やっぱりそれ闘いに飢えてる人が言う台詞だからね!でも、とても気になることが一つ。


「他の時は生きてる実感が出来ないってこと?」


「……そんなわけ、ないじゃないですか」


 眉間に皺を寄せたフローラが瞳を瞑り、次にその目を開いたときには、瞳の色はいつもの蜂蜜色に戻っていた。


「やっぱり、戦っている時の高揚感に比べてしまうとね!今回の試験でSクラス残留決めたらトレーニングルーム開放。約束ですからねっ!」


 なんとなく、はぐらかされた感じもしたけれど私も話題を変えることにした。


「そういえば、最近ライアス様とはどうなの?」


「ライアス様……大好きです」


「えっ!!」


 まさか二人にライバル(とも)じゃない方向での進展が?!


「公務で忙しいのに。激務の合間を縫って手合わせしてくれるんです。はぁ、ライアス様との手合わせ。ほんと好き」


「うん?」


「次回こそ勝ってみせる!!」


「うん。頑張って」


 二人の中は多分進展しているわけではなかろう。大好きなのは手合わせなんですよね。そうですよね。


 でも今度、ライアス様にも聞いてみよっと。

ライアス「フローラに負けないように今日も訓練だ!騎士団長、付き合え!」


脳筋系王太子は、公務も勉強も頑張ってるのでかなりの努力家です。


『☆☆☆☆☆』から評価、ブクマいただけると、とても嬉しいです。

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