表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/15

封じられてたもの

アリアが、島の先住民たちの村に向かっている頃。


村から離れたところにあるとある丘で、問題が起きようとしていた。


いくつもの岩が積み重なって出来た大きな丘。

その積み重なった岩の中心付近の岩が、ゆさゆさと、まるで人の鼓動のように、後ろから人に押されているように、揺れ動く。

岩の揺れはどんどん大きくなり、そして、ゴロリと岩が、岩肌から剥がれ崩れ落ちていき、その次の瞬間、大音響を上げて、沢山の岩がガラガラと崩落した。


砂埃が収まると、岩肌がそびえたっていたところには、大きな洞穴が現れ、その中からいくつもの人影が、姿を現す。

その陰は、人間のものではなかった。


緑色の肌に、大きな体躯、豚と人を掛け合わせた顔は、オークと呼ばれる魔物のものだった。


洞穴から出てきた、オークの一匹が、雄たけびを上げる。


「オオオオオーーー!! ヤッタゾ! ツイ二外二出ラレタ! ソレ二シテモ、アノ人間ノ雌メ! 無駄ナ、アガキヲシヤガッテ! 自分ヲ殺シテ、俺タチヲ道連レ二、コノ狭イ洞窟二閉ジ込メヤガッテ! フザケタ真似ヲ、シヤガッテ!」


雄たけびと共に、自分たちが、閉じ込められた原因、人間の村から攫ってきた女への恨み節を吐き捨てる。


「ソレデ、コレカラドウスルンダ?」

「決マッテンダロ! アノ、人間ノ雌ノ、同族ガ、マダイルハズダ! 俺タチ二コンナ事シヤガッタ仕返シ二、奴ラヲ、皆殺シ二シテヤルノダー!! オ前タチハ、俺二続ケ! 奴ラノ住処ヲ、蹴散ラシテヤル! ソレカラ・・・」


そう言うと、オークは、自分たちが出てきた洞穴の方を振り返る。


「オイ! ガキ! 速ク出テコイ!」


オークが怒鳴った先には、まだ若い、子供のオークが、不安定な岩場を、息も絶え絶えに上がってくる。


「チッ! ノロマガ・・・。 サッサトシロ! コノ、クソガキガ! ・・・オ前タチハ、今日ノ晩飯ヲ、狩リ二行ケ! ・・・オ前モダ、クソガキ! モタモタスルナ!」


オークが、別のオーク達に指示すると、オークの一団が、森に入っていく。

洞穴から這い出た子供のオークも、その後を追いかける。


「残リノ奴ハ、巣穴デ留守番ダ! サア、行クゾ! 人間ヲ一人残サズ殺スノダー!!」


そうして、武器を持ったオーク達が、村に進撃して行った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ