表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/58

 足の裏がすごく冷たかった。この廊下は床が冷たい。まるで氷で作られているようだった。試しに前足の裏を確認してみると、僕の肉球は真っ赤に腫れていた。それを確認した僕は四本の足をできるだけ均等に使うことで、なんとかその冷たさを回避しようとしたのだけど、それはあまり意味がない行動だったようだ。僕の四本の足はすぐに四本とも真っ赤になって、ついにはなんの感覚も無くなってしまった。だから僕はしばらくの間、廊下を歩くことを諦めなくてはならなくなった。

 僕は体を丸めて廊下の真ん中にじっと座り込んだ。寒さは相変わらずで、だんだん足だけではなくて、僕の体全体の感覚が失われていった。きっと、そのせいなのだろう。僕はなんだかとても眠くなってきてしまった。

 ……夢を見ているということは、僕はもうすでに眠っているはずなのに、その夢の中でもまた眠くなってしまうなんて、……僕はそんなに眠ることが好きだったんだろうか? と、僕はそんなことを不思議に思った。

 それとも夢の中で眠るという行為は現実への帰り道なのだろうか? それはありえそうな話だった。現実の世界で眠りにつくことによって夢の世界へと移動した僕の意識は、夢の世界の中で眠りにつくことによって再び現実の世界へと回帰する……。そういう仕組みでこの二つの世界は繋がっているということだ。……うん。悪くない考察だ。それはいかにもありえそうな設定だった。きっと神様がそういう風に、この世界の仕組みを作ったに違いないのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ