2.リリアナの願い。
うぅ、新しいパソコンのタイピング、慣れない……。
ボクが孤児院に顔を出すと、ミュールが不在なのかリリアナが出迎えてくれた。やはりこの二年で大きく性格が変わったらしい。小さく挨拶を口にして、軽く会釈をするだけだ。ほんの少しだけ、そんな彼女を見て胸が痛む。
「調子はどうだい?」
「はい。ここでの暮らしにも、それなりに慣れてきました」
「そうか。それなら、よかったよ」
それでも、ボクとリリアナの関係はあの日に壊れたのだ。
もう戻ることはない。
「…………」
「…………」
それはきっと、お互いに分かっていることだ。
暗殺者家業を始めて、孤児院を経営するようになって、ボクの立場も大きく変わった。今さら昔の感傷に流されるわけにもいかない。
だから、ここは無干渉を貫こう。
そもそもからして、こうやって引き取ったことも本来、悪手なのだ。
「ミュールが帰ってきたら、この書類を渡しておいてくれないかな。結構重要な書類になってるから、忘れないようにね」
一つ息をついて。
ボクはリリアナに、書類を手渡した。
彼女はそれを受け取って、少し目を通したのちにこちらを見る。
「……ん? どうしたのかな」
「あの、少しだけいいですか」
虚ろな瞳に見つめられて思わず訊ねると、そう返ってきた。
リリアナは少しだけ勇気を出したようにして、こう切り出す。
「探して、ほしい人がいるんです……」
胸に手を当てて、とても悲しそうに。
「会えなくてもいい。それでも、せめて消息が分かればいいんです」
「それって……」
ボクがそう漏らすと、初めて感情らしい感情を見せ。
彼女はこう口を開いた。
「もう、私に会う権利なんてない。それでも――」
瞳を、潤ませて。
「レオ・シェフィールドという人を、探したいんです……!」
二年ぶりだった。
彼女に、そう名前を口にされたのは。
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えー、どうして新作始めたのか。流れは作者割烹をご覧ください。
かなり暴れてますので、珍獣を見てる感覚でよろしくです……。




