7.三公会議 1
遅くなってごめんなさい!今週から連載再開します
「まずは当主の執務室に行け。そこに行けば各家の当主との会談が叶うだろう」
というアコルデの指示に従い執務室までやってきた。
扉を開くと、そこにあるのは見慣れた椅子と机。年代を感じる重厚で美しいレリーフもあしらわれているそれらは、いつもならお父様が座っていた場所。
…お父様と陛下は殺された。私は2人の仇をとらなければならないんだ。今は、こんなことで動揺している場合じゃない。
深呼吸して落ち着き、足を踏み入れた。
「…アコルデ、執務室に来た。次は何をすればいい?」
「左には何が見える、ココオン」
「左って、棚よ棚。真ん中に十字形の穴がある、不思議な棚」
幼い頃から気になっていた(今も10歳で十分幼いけど)開き戸の棚。中に何も入っていないのに公爵家当主の執務室に置かれ、人が1人入れそうなほど大きいそれは妙に存在感のあるものだった。
「その穴の形、見覚えがない?」
「見覚えって…え、まさか」
右手に巻きついているそれに付いている精霊剣アコルデ(小)は確かに十字架の形をしている。
まさに穴にぴったりとはまりそうな大きさだ。
「はめてみたら?」
「うん…」
言われるままにはめてみると、みごとにぴったりで、まるでこの剣にあわせて彫られたかのようだった。
「なんでだろう…」
思わず精霊剣に触れるとガシャン、と鍵が開いたような音がした。
そして棚が勝手に開いた。
「え、なんで?」
困惑する私。
「わたし何もしてないよ」
弁明するサラ。
「そりゃあそうだろう。その棚はただの棚ではない。中に入ってみるといい」
呆れ顔のアコルデ。
中に入れと言われても、見たところただの木製の棚。
なんでと聞いてもただ入れとしか言われず、おずおずと足を踏み入れた。
すると真っ白な空間に私はいた。
「え、ここどこ?」
「なるほど、異空間への通行口なのか。よくできてるなぁ」
「全然わからない。サラ説明して」
「そのまんまだよ。ここは現実世界から隔離された異世界的の空間。『精霊剣アコルデ』が鍵になってて、正しい方法じゃ無い限り絶対に行くことのできない場所。相当高位の空間使いじゃないとここまでの大きさを維持できないよ」
空間使い…心当たりがある。
「ワーファ家だ。三公爵の一家、知のワーファ」
ワーファ家は代々宰相を担う政治の要たる家。
その当主に代々伝わる家宝は空間を操る物だと聞く。
「正解だよ、ココオン嬢。ここはオレが作った空間だ」
「ここに誰かが入ったという報を受けて来たはいいものの。エレステアはどうしたんですか?」
突然会話に入ってきた、私と同じくらいの身長のドワーフの女性と190センチはありそうな長身のエルフの男性。
見覚えがある2人だった。
「あなた方は…ワーファ家当主とリルラ家当主?!」
国を支える三公爵のうちの『魔のリルラ』『知のワーファ』の当主たちだ。
一応説明しておくと…
一人称が『オレ』なのはドワーフのワーファ公爵です。女性。