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夢見た転生のその先は。  作者: 空静
第2章 まどろみの学園生活
14/22

1.学園到着

お久しぶりです

いつのまにか1年経っていたらしい…全然進んでないや

澄み渡る青空。穏やかな気候。

システル王国は地球でいう亜熱帯に属していて一年を通し過ごしやすい。

だからといって夏が暑くないなんてことはない。現在九ノ月、残暑が厳しい季節。

そんな王都を一台の豪奢な馬車が走り抜けていく。

馬車には剣に薔薇が巻きついた紋様が描かれている。何を隠そう我がアコルデ家の家紋だ。


学園の入学式1週間前、入寮日期限の今日。私は屋敷から馬車で1時間程度の距離にある学園を目指していた。

無事、学園の入学試験を突破したはいいもののまあ不満もあるわけで。


「まさか…5番目だなんて…しかも実技試験だけでも5番目…なんで…」


そう、ワーファ公爵に言われた通り5番以内には入った。

5番以内には。


…超ギリッギリの5番目での入学だ。


ワーファ公爵にはああいったものの、割と自信はあったのだ。

学園の入試は学力を見る筆記試験と武力を見る実技試験の2つの合算。文武両道が基本というわけだ。

だから真由美時代の知識+公爵令嬢としての知識+アコルデ公爵としての武術をもってすればまあ主席で入れるだろうとは思っていたのに…


「なめくさったツケが回ってきたんじゃない?」

「システル王国では私最強なんだけどなぁ…」

「つまり世界は広いってことだよ、現実見なよ」


サラの言葉が心に刺さる。

いいもん…私まだ11歳だもん…。





***





学園。そこは世界中の国から出資を受けて運営している学校で、立地的にはシステル王国の王都の外れにあるが、名目上は『無国籍』。どこの国にも属さない中立な立場という建前を守るためだけれども。

余談だけれど距離的にやっぱりシステル王国の国民が多いのは仕方のないことで。出資額1番多いのもうちだしね。


そしてこの学園、敷地内全てが完結するようにできているためとんでもなく広い。前世で言う東京ドーム50個分くらいある。

もちろん外出届を出せば外出は可能だし、長期休みには家に帰ることもできる。けれど王族でさえダース単位で在籍するこの学校ではセキュリティーに超厳しくする必要がある。だから入れる業者を制限するために街を作った。

…理屈はわかるがすごいな。この学園。




事前に配布されている学園案内図を見て改めてその大きさにびびる。


「ふむふむ、カフェやらレストランはもちろんブティックとかもあるんだね。…ブティックって何に使うんだ」

「学園ってパーティーとかもあるんだよ。年に2回、入学と卒業の時にパーティーするの。その為の仕立て屋だよ。ほら、いっぱいあるでしょ?」

「ふーん、サラ随分と詳しいんだね」

「まあ行ってたことあるし」

「え、精霊もいるの?!」


初耳だ。多種多様な人種が来るとは聞いていたけどまさか精霊までとは。

それもこんなちびっこの。私の掌大なのに。S〜EランクまであるうちのEランクの最低ランク精霊なのに。


けれどサラは大慌てで否定した。

「っ?!違う違う、契約精霊としてだよ」

「ふーん」


もし私が2人目の契約者なのにランクがEなんてこと、あるのかなぁ。

精霊はヒトを含む動物と契約することで格が上がっていく。

一緒にいた期間が長ければ長いほど精霊としての格も上がっていくわけで。


2人目なのにランクが1番下…おかしい。けどまあ、サラだし。鈍臭いし阿呆だし。

何事にも例外ってあるよね。




***




部屋に入ると、どうやら自分以外の人たちはすでに全員来ていたらしく、共有スペースのリビングルームに4人が集まっていた。

学園の寮として5人に1部屋ずつが与えられる。この5人グループは卒業まで変わることなく、グループ単位で色々行事とかもあるらしい。


「ごめんなさい、最後だったみたいで…」


そう言って入っていくと4人一斉に私の方を見た。

初対面の人たちに見つめられるとちょっと怖い…。


「これで5人目、やな?この5人で3年間生活していくわけや。よろしゅう」


なぜか妙に流暢な関西弁が聞こえていた。

こっちの世界にも訛りってあるのか、というかなぜ関西弁…?

疑問がとどめなく溢れてきたが多分これは気にしたら負けのやつだ。




この5人で3年間を過ごす、か。

仲良くできるといいな。


次回で主要キャラが出揃います

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