なんか、転移したよ
ニリとんです。
今日から新学期。
ハブられないように頑張ります。
5月、ゴールデンウィーク初日。
「にゃーーーーーーーーーー」
「みゃーん」
高校2年生の男子が猫と会話していた。ええどうもこんにちは僕です。
僕は碧雷神樹。名前のインパクトがすごいが、それ以外は普通の高校生です。まあ、猫と話すというのが普通の行動なのであればだが。
そんな僕に話しかける少女が一人。
「おにーたん可愛い。しゃぶりたい」
「我が貞操は守り抜くぞ、覚悟しろアホ」
「うぇへへへへへへHHHHHHHHH」
この女子高生は潮上真珠。僕と生まれたのが数分違うだけという、同じ年齢の従妹。中学生ぐらいから僕の貞操を狙いつづけている。頭の出来がよろしくなく、僕が何をしても欲情するという天下の変態であり、現在僕と同居中である。スタイルはモデルレベルだが、狙われ過ぎてもうそんなんどうでもよくなってきた僕。すでに恐怖の対象。
「また神樹、猫と会話しとる………」
「ええやんけ。可愛いし、もにょもにょだし」
「確実にコイツ女子だ………」
彼女は聖魅美星。幼馴染みだ。特筆すべきは驚異の身体能力。ちなみに、美星に片想いしているんです。昔から遊んでいた仲だが、僕がチキンなので、隠蔽をつづけている。ええ、チキン野郎ですぅ。
「そういえばさ、高2になったけどわけだけど神樹は生徒会とかやるん?」
「やりたいですな………サブでいいけどな」
「おにーたんなら多分会長とかいけると思うよ?その時はぜひとも真珠を専用の(自己規制)に」
「お前それ規制されっかんな?」
これが僕等のいつものやり取り。のほほんとする毎日だ。のんびりサイコーである。そういえば、休日の寝溜めってダメなんだそうだ。逆に平日寝れなくなるらしい。
「………………………にゃあ!?!?」
突然、会話してた猫が逃げ出した。僕が美星達と話し始めたから。相手してくれなくなったから拗ねちゃった。多分な。追いかけようと思った僕だが、
「にゃーーん」
「にゃーーーーーーっ!」
追いかけたら、全力で逃げられた。まあ、修羅の表情の人間に追いかけられたら普通は逃げるだろう。悲しかった。孤独。
「おにーたん、にゃんこに逃げられた?大丈夫、私が猫耳つけてにゃーにゃーしてあげるから胸とかお腹とかお尻とかさすさすしてうぇへへへへへへHHHHHHHHH」
「神樹、猫より犬。逃げないから、好きなだけ撫で撫でできるよ?ほら、ウチのファウが待ってるよ」
真珠はいつも通りである。美星は僕の好みなど熟知しているため、僕の行動など容易く思うままにできる。そして、僕は犬の方が好きだ。見事である。負けたー。
すると、真珠がこんなことを。
「ん?………おにーたんおにーたん、ここってこんな模様ってあった?」
神樹が足元をみると、そこには幾何学的な模様が描かれていた。うわやったぞこれ魔方陣だかっけぇ。僕は駄々漏れの思考をするのだった。
「これ、魔方陣だぞ」
「「知ってる」」
見てわかる事実を誇らしげに言って、真顔で返されることほど屈辱的なものは他にないと思う。
すると、魔方陣が黒く染まり、天に向かって銀色の光が放たれた。勇者召喚が始まったのだ。多分な。天誅ではないと願うのだ。………ええはい。
それについて確認しとく。
「………僕、何かやっちゃった?」
「「そうそれな」」
冷静な女性陣であった。
「これってもしかしたら異世界召喚ってヤツ?」
「かもねー」
「真珠はおにーたんがいれば人間の3大欲求は満たされるので」
現実に召喚されつつあるのに、余裕綽々の僕らであった。仲が良かったからこそできたのだ。本音をいうと、皆して勇者召喚に憧れていただけなのだが。ちなみに真珠とかいうやつが言っていた三大欲求は色欲と性欲と睡眠欲。最後のも同じようにアッチ系のにしろよ………。
そして、銀の光は次第に強くなっていき、神樹らを包み込んだのだった。
ちなみにですけど、自分、猫に向かって鳴き真似したら腹をみせて服従のポーズされたことがあります。(実話)