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異世界でハーフなら無双できる気がする  作者: ニリとん
人間の国 ヒューム
15/22

模擬戦おっわりー

先に言っておくとこの作品の登場人物、もっと言えば神樹の仲間になる方々及び配下共は、皆おつむのネジが数本飛んでます。ロウと美星が例外。

そこんとこよろちく。


模擬戦は終わらせた(コクカ談)

そういえば、この前のタンカーの事件、タンカー運営会社がコクカだった。びっくりした。

<ペガside>


 サコッツォは剣を抜き、腰を低くする。極限まで集中し、大気の流れを読んでいるようだ。ゴドーは対称的に、拳をぶつけて腕に力を込める。全身を興奮状態に置き、対応しようとしている。

 ペガの速さについてこれるのかな?楽しみだ。


「まずは、お前」


 全速で詰め寄り、ゴドーの顔面に回し蹴りを加える。常人であれば絶対に対応できない速度のソレは、絶対的な破壊力を持っていた。

 しかし、ゴドーは勇者と共に戦っていた戦士、今は国を護る騎士団の団長である。少しばかり速くても、彼は動じない。

 蹴りを左腕で流し、力を抜いて脚を反らす。すると、ペガの蹴りは面白いように空を滑り、そのまま身体がガラ空きになる。

 ゴドーはニヤリと笑い、ペガの軸足に足を掛けてくる。所謂、刈る態勢だ。このまま押し倒して無力化しよう、ということだろう。

 つまりはこういうことだ。


「…すけべ」

「はぁ!?」


 言葉は最も凶悪な武器である。外傷は時間さえあれば治せるが、心に負った傷は時間でも治せない。特殊なセラピーを用いて初めて少し治療が可能になるのだ。それをペガは知っていた。

 戦闘中でも、精神面は鍛えられていなければかなりの弱点となってしまう。ペガは角や翼があっても、外見は女児。ろりっこなのだ。年相応のフリさえすれば、いくらでも騙せる。勿論例外はいるけど。

 この時、ゴドーにとって災難だったのは、勇者との旅路から時間が経っていたことだ。騎士団では、少女の対応は女性騎士が務めており、最近めっきり、そういった事案に関わることが無かった。精神的な攻撃というものに久しくあっていなかったので、ゴドーは一瞬止まってしまったのだ。

 そのおかげでペガは距離を取り、空中に退避することができた。

 言うまでもないが、ゴドーは激おこぷりぷり状態である。


「こっるぁガキャァ!何ほざいてんだァ!」

「ロリータはお好きですか?」

「俺は年上の方が好きだ!」


 ますたーから聞いたところによると、ロリコンというのは大体中学生から高校生という区分らしい。ペガはよく分からないが、コクカみたいな外見年齢なのだろうか。その下がアリスコンプレックス、更に下がハイジコンプレックスだとか。朧気な記憶を探って話していたから、ますたーも自信が無さそうだった。ペガはアリスかハイジだろう。更に下のペドなんとかっていうのもあるそうだが、流石にそこらまでいくとペガは正気を疑うな。ますたーがそうならば、ペガはいくらでも付き合うが。

 そしてゴドーはいらぬい事実を暴露してしまった。年上か、ならペガは大丈夫かな。どうでもいい上にクソみたいな情報ありがとうございました。

 サコッツォは一瞬激しく動揺すると、ゴドーの方へ顔を赤らめて叫ぶ。


「そんなに好きか!?」

「てめぇじゃねぇよぉクソジジイがぁ!」


 刹那でサコッツォに叫び返すゴドー。その顔は気色悪さにしか包まれていない。同性の老人が顔を赤らめるというのは、当人には地獄でしかないか。特殊な方々は喜ぶだろうが。


「何故だ!」

「何故もだっても何故ならもねぇよ!さっさと決めるぞクソジジイ!」


 ゴドーはとても大きな声で怒鳴り散らす。鬱陶しい、やはり始末するのはコレからだな。

 飛びながら思考を終了し、ゴドーへと向かう。空中で方向を変え、地と垂直に急降下してゴドーの首を狙う。

 ゴドーはサコッツォの言葉に惑わされていた、そしてその意識はサコッツォにしか向いていなかった。それが仇となり、ペガの強襲には気づかなかった。

 ペガは蹴りを放ってゴドーを吹き飛ばす。

 ゴドーは受け身すらとれずに、ペガの為すがままとなる。


「がふっ…」


 意識が飛びかけるが気合いで繋ぎ止め、ゴドーは地面との追突の衝撃に備えるべく、身体を丸める。








「連撃って知ってる?」


 飛ばされる自身よりも速く移動し、先回りしていたペガに再び蹴られ、空に飛ばされるゴドー。鳩尾を正確に蹴り上げられ、思わず胃液を吐き出してしまうが、その酸味で意識は保つことができた。次第に高度が上がり、鼓膜にかかる圧力が高くなると、思考に靄がかかる。次は何処から来る?上か?横か?下か?そんなことを考えているのかな。

 ゴドーの命の審判はすぐに現れた。いや、命は奪わないけど。


「上から行くぞ、気を付けろー」

「ッ!?」


 声が横からかけられる。空を切る音と共に聞こえたソレは、まるで信憑性が無かった。ゴドーは咄嗟に頭を庇う。

 うん。


「いい反応だ」


 ペガは宣言通りに上から急降下する。狙ったのは右足。その狙い通りに右足の脛を粉砕する。その痛みは激しくない訳がない。








「感動的だね」

「な…ッ」


 高速機動で移動し、そのままゴドーを()()蹴り飛ばす。狙いは左腕。ゴドーの二の腕はへし折れた。痛みが意識を無理矢理保たせる。


「だが、無意味だよ」


 最後に下から蹴り上げる。ゴドーは左足の腿が砕けた。衝撃のままに遥か彼方へと飛ばされるが、空気抵抗と重力がその力を相殺する。

 そのまま、重力がゴドーを地上に導く。


「んー…、人間サッカーだね。名前は墜ちろ、地へと(アポロ・ヴァーニング)なんてどうだろね?」


 ゴドーへかかる重力加速度が身体の速度を増加させてゆく。物理的破壊力はこの時点でゴドーの耐久力を軽く超えている。

 地上のサコッツォは流れ星と化したゴドーを見て顔を青ざめ、せめて受け止めようと落下予測地点へと移動する。

 が、その必要は無かった。


「殺しちゃ駄目だからね。ペガのチカラを見せつけるだけにしないとね?」


 ペガが落下地点に飛び、墜ちるゴドーをサコッツォの目と鼻の先で止める。サコッツォ、ゴドーの両者は互いの無事に安堵する。しかし、ほんの少し動いただけでも触れそうになるその距離に全身が冷え込む。

 何より一番の恐怖は、蹂躙者(ペガ)がゴドーの落下速度よりも速く移動したにも関わらず、サコッツォが何も感じていないことだ。風、衝撃、気配。剣の達人であるサコッツォが気配すら感じ取れない、そんなことがあって良いのか?良い筈がない。


「救出。ふぃー?」


 何の疲れも感じさせないような声でそう言うと、ゴドーとサコッツォは心からペガに恐怖したようだ。これなら、ますたーの安全は大丈夫だろうね。つおいつおい、とってもつおいへペガがいるんだから、ね?


 これで、ペガの役割は終わり。後は()()()にお任せだ。

 鬱屈展開・第壱段階(ノーマルモード)を解除し、コクカの方を向く。


 やっちゃえ。殲滅だ。




<コクカside>


 お待たせしましたコクカたんだぞー。

 ペガが蹴り上げ花火をやらかした後、こっちを向いたから、多分大トリの出番なんでしょうね。はりきっていきましょーぉ!


「踊れ、舞え、躍り狂え

 麗しの巫女が身を捧ぐ

 祈祷するのは天変地異

 肉を融かし血を垂らす

 其は君の心も融解する

 酸の雨よ、世界を編め

 新たなる空を今ここに」


 髪を一房、もぎ取る。すぐに髪は伸びるから別にいい。ちょっと可愛くなった?うれちいうれちい。

 髪を投げ、宙に舞わせる。私の髪は光となって天に吸い込まれ、大気を揺るがす。舞ってる間に集まってきた雲が、雷を散らし始めた。よしよし。このままこのまま。ぴょんこと跳んで、地を鳴らす。鳴らないけど。巻き上がった砂埃は空へと舞い上がるけど、降ってきた雨に()()()()()

 さーて、仕上げ仕上げ。いっちょいきますか!


「振れろ、神の気に

 編み上げろ、雨で

 我を捧げたこの雲

 万物を融かし尽く」


 天に指を指し、叫ぶ。


「ペガ、ロウ!防御!」


 指示を受けた2人は咄嗟に伏せる。ロウは耳まで伏せてる。可愛い。後で噛む。


「散らせ、血飛沫を!殲滅系天候操作、『天変地異星の(ノーライフ・)胃液(メルトスター)終末的なゲリラ豪雨(範囲限定ばーじょん)!』」



 私の言葉で、世界は融け出した。勿論、一般ぴーぽーに危害が出ないように配慮はしたよ。だからご安心を、融けるのはここの人だけ。でも、だからと言って安全なわけじゃあないよ!やったね!

 ゴドーさんは少し意識が残ってたみたいだね。顔に雨が着いた時、苦痛の叫びを上げてた。いやーいいよねー。こういう、一方的蹂躙って。()()()()()ね。鯱さんは強いぞー?ペンギンさん食べちゃうからね!お腹空くから仕方ないよね!全然そんなこと知らぬいけど!ますたーから聞いただけだし!


 サコッツォさんは手の剣が融けてるのを見てびっくりしてる。そりゃーそうだよね。硬いモノは折れたり曲がったりもするけど、常温で融け出したとかはないもんね。やっぱりコクカはつおいのだ。

 アンナさんっていう魔法使いさんは…あ、めっちゃびびってる。服が溶けてますねー?いいね!でもますたーはダメだよ!見ちゃダメ!見るなら私!きゃーわたしったらえっちー。ぐふふー。

 そうだそうだ、一応私達も融けてるからね、ガードしとこうね。ペガとかロウにもバリアをぺちっと。そして私は服の所だけ溶かす待って忘れてたこれ神経通ってるいたいいたい待って待って!ぺちっと。…私は天然、しっかり分かるね。


 星の涙は肉を融かし、鋼を融かし、命を、地面を融かす。まあ…なんだっけ、酸性雨?ますたーが言ってた。

 とにかく、色々融けてた。以上終わり!言葉はむずかちい!コクカはもうあたまがまわらにゃいです!


 まあこんな感じかな?これで大丈夫でしょ。これで模擬戦は勝ったね。わーい!寧ろこれでこっちが負けとかだったら意味わかんないよね。融かす。なんなら私が、頭からもぐもぐしちゃうよ?多分おいすくないけど。おいすぃーといいなー。


 そんな感じで審判さん…確か国王のおっちゃんだっけ?その人の方を向いてぶいした。ぶいぶい。ぶいー!


 戦闘おわりー!ご飯ー!わがぐんはあっとーてきだー!


 そう思ってると、おっちゃんの声が聞こえた。


「そこまで!使者側の勝利とする!」


 よーし。おやすみー。

 私は走ってますたーの所へと向かっていった。


「勝ったよますたー!」

ペガが3段蹴りの時に言ったセリフは仮面ライダーのニーサンが元ネタです。

あとコクカが降らせたのは酸性雨じゃあないです。

塩基性雨です。


次回より再び神樹視点で馬鹿やっていきます。

お楽しみに(白目)


メイ「堪能した」


ほざけ羊が。


メイ「めへぇぇええ!↑↑」

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