メイとペガ。
お久しぶりです。
今度は七菜さんの方の展開が作れなくなりました。
こっちを更新していきたいと思います。
一年間に挫折した話なので、多分話の書き方がぐちゃぐちゃになっちゃってます。
その点をご了承下さい。
「さて、おにーたん。もう一組配下いるんでしょ?召喚してー?」
一頻り転がって、現実逃避をした後、真珠のその一言で配下を召喚することにした。忘れてた。ごめんなさい配下さん。
「じゃ、召喚しよっか」
その、自分の何気ない一言で気付いた。
自由どこ行った?
改めて、本当にどこ行った?
周囲を見回してみるが、それらしき人影はどこにも見当たらない。
すると、自由の声が聞こえた。
『ここだよここー』
僕の脳内に直接。
「どこにいんだよ!?」
「「「!?」」」
『神樹、君の中だよ。うっはー、これ言ってみたかったんだよねー』
僕にとり憑いてんのか?そういうこと?謎だ。
「その、え、マジか」
「「「……?」」」
『そうそうマジマジ。だからまあ、直接色々と教えられるし、やりやすいと思うよ』
「そういうことじゃのーて……」
なんか目の前に誰もいないのに声が聞こえるって不思議な感覚。
驚いている僕に、おずおずとコクカが話しかけてきた。
「ふえぇぇ、マスター?」
「コクカ?どした?」
「さっきから何をしてるんですか?」
「あー、えとね、僕の中に入ったって言ってる自由と話してた。なんだか不思議だよ、これ」
「?」
コクカはキョトンと首を傾げている。可愛いな。
すると、真珠が疑問を投げ掛けてきた。
「おにーたん、自由って誰?」
「え?」
はい?
『あー、ごめんごめん、忘れてたわ。干渉した時に俺の存在は無かったことにしといたからさ』
はぇっ?
『言ったでしょうが。俺はお前で、お前は俺だって』
そんなことができんのか。すげぇな。
『世界に干渉できるからね。もっと誉めていいんだけどな?』
すごいすごい。
『馬鹿にしてないかな?ねえ?』
ところで1個聞きたいんだけど。
『話題そらしたなてめえ?』
ははは。まあ、抑えて?聞きたいのは配下のことだけど。
『むぅ。一応、もう召喚できると思うけど、ちょっとレクチャーするぞ?』
へーい、たのんます。
『まず、お前さんには魔力が無い。はっきり言うと、ゼロだ。』
いやいやまてまて?
『お前さんは魔力の代わりに、シン値というもので魔法を使う必要がある』
聞いてたかな?
『シン値は罪の値だ。俺たちは存在そのものが罪にあたる。要するに生きてるだけでシン値は溜まるんだ』
開き直ろう。聞いてくれないし。
『ありがとう、続けるぞー』
おい自由てめえ意識して無視してたんか。
『ごほんごほん……。シン値は魔力とおんなじ感じで扱えばいい。基本的に同値だからな』
なるへそ。
『シン値が溜まれば溜まるほど、強くなるってことだ。分かるな?』
うい。
『で、だ。今回は配下の召喚をするってことな』
いえすいえす。
『俺がシン値を操って干渉するからな?お前は集中しててくれれはいい』
ほいさ。
『美星の笑顔でも考えとけ。集中するぞ?』
君は僕の小隊長に何を、いやナニをさせるつもりかね?
『嘘だ、忘れろ。そんじゃやろうか』
……目を逸らした気がする。コイツ……、しばく!
とりあえず美星の笑顔を思い浮かべてみる。可愛い。護る。絶対護りきってやる。
『……ヤバいな、凄く干渉しやすくなってる。恋の力ってすげぇな。……さて、やりますかな』
美星の笑顔は僕が護りきってやる!
『コイツ、もはや引くレベル……ヤバいな』
グラッ
唐突に世界が螺曲がった。目の前の景色がグシャグシャになった。
『干渉開始だ。この感覚を覚えてな。世界に、理に干渉して抵抗される感覚だ。慣れると大丈夫さ』
ぐうッ、吐き気が、する。
『今回の干渉は、魔法領域と生命領域だな。以前、というかコクカ達の時に干渉したから干渉しやすくなってる。さぁ、弄るぞ』
目の前には青い光と桃の光が浮かんでいる。これ等が領域なのだろう。そんなことより立ってられねぇや。
『まずは召喚魔法の土台だな。既存の物を少し弄って、と』
青い光が明滅し始めた。干渉に抵抗しているのだろうか。
『次に、召喚対象だ。生命領域に干渉。……さて、お前は誰を出すのかな?』
視界が眩み、視覚が桃色の光で満たされる。
気づいたとき、そこは宇宙のような世界だった。
『そこに、8柱の配下達がいる。コクカとロウもそこにいたから、現在は6柱だな。適当に2柱連れてきな』
自由の声は先程までと同じように聞こえてくる。どうやらここに配下がいるらしい。
さて、どうしたもんかね。だだっ広い所に放り出されてもどうしようもないやんけ。
とりあえず歩いてみる。てか歩けるらしいっす。何?ガラスでもあんの?
周りには何もない。星が光っているように見えるが、かなり遠い所にあるらしい。そちらに進もうとしても全く近づかない。
正直、何かがいる気配はしない。
大きめの声を出せば気づいてくれるかな?
「おーい、誰かいるかー?」
……。
……。
……。
何も聞こえない。おい自由話がちげぇぞ。
『何言ってんだ?』
へ?
『猛スピードで来てる奴がいるだろうが』
何も見えないけど。
『えっと、後ろ見てみ?』
後ろ?
言われた通りに振り替えってみた。
「マスタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
「ぎゃあァァァァァァ!!!!」
謎の生物がこっちに駆けてきていた。
『ふむ、あれは追突しに来てるわ。受け止めろよ』
何言ってんだてめえええええええ!
『大丈夫さ、ちょっと全身で力んでみ?』
怖いけど分かったァァァァァァァァァ!!!!
フンッ!
「マスタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
目の前に迫って来ていたそれは速度を保ったまま僕に突っ込んできた。そして、おもいっきりぶつかる……。
ぽすっ
「会いたかったよぉぉ…ますたぁ……」
予想以上に軽い衝撃を受け、神樹はそいつを受け止めた。
なんだか知らないけどスンスン臭い嗅ぎ嗅ぎ始めたぞこいつ。てかなぜか軽かったけど、追突の衝撃を受け止めれたことに驚愕ですわ。
『さて、だ。神樹さんや?その子が君の配下その1、混沌の天馬のペガだ。聖と魔の両方を司れる、遊撃のプロでもあるぞ』
混沌の天馬?なにそれ強そうな響きですね!すっごーいね。
改めて、カオスペガサス、ペガを見てみる。
身体は翼のある白馬。額からは黄金の角が生えている。そして馬としてはでかすぎる。体長は三メートル以上ありそうだ。
よくもまあ、こんな巨体を受け止めれたもんだな。それ以前に角刺さらなくて良かった。なんか金色ってよりはどす黒くなりかけてる金色、って感じがする。嫌な感じが少しする色だ。
そんなお馬さんが僕の頭に顔を嬉しそうに擦り付けてるんだ、少しは怖がっていいよね?だめ?
『神樹さんや?ちょいと遊んであげたら?ずっと待ってたんだからさ』
えっいいの?動物好きの血が騒ぐよ?
恐怖を置いといて、おずおずとたてがみをわしゃわしゃしてみる。…うわあふわふわ。
「ふへええへへへへ……ますたぁますたぁますたぁますたぁ…」
予想以上に喜んでます。可愛いじゃねぇか。わしゃわしゃわしゃわしゃ。
「えへへー、ますたぁ好きー」
ペガは馬のくせに嬉しそうに頬を緩める。
そうかそうか、ぎゅってしたげるぞ、おいでおいで。ほら、ぎゅー。
「もっと触って触って…ますたぁ…」
よーしよしよし…わしゃわしゃわしゃわしゃ、ぎゅー。
「……」
急にペガはじっとこちらを見つめ始めた。
おっと?触りすぎたか?
「我慢できない……ますたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ペガはそう叫ぶと、僕を押し倒した。
え?いや、え?
ペガは僕の上に跨がり、顔を舐めてきた。
「ひゃあああああ!?」
「ますたぁ…ますたぁ…」
さすがに動物は好きでもこういうのは無理だ!やめっ!ちょっ!
抵抗しようともがくと、ペガは嬉しそうに笑い、こう言った。
「そうだったね、ますたぁ…ますたぁはこっちがいいんだったっけ」
ペガは眼を閉じ、角から同じ色の光を溢れさせると、少女の姿となった。
「え……?ペ、ガ……?」
「ますたぁはこっちの姿が大好きなんだったね、えへへー、じゃあ一緒に……なろ?」
桃色の髪を後ろで2つ結んで、額からは小さな角が生えた小学生低学年の姿となったペガがそこにいた。
ハイライトが無くなった眼をこちらに向け、僕の腰の上で嬉しそうに微笑むペガは、僕の兵士に手を伸ばし……
「いやちょぉぉぉぉっと待とうかペガさん!」
「なぁに?早く早く…我慢できないよぉ…」
明らかな犯罪者だよねこれ事後になったら!絶対にこんな小さい子に手を出したら!ダメだよね!
「ふふふふふぅ、ますたぁ…この世界にはペガ達とその他の子達しかいないんだよ?法律なんてないんだよ…?」
いやそうかもしれないけど!僕的にはアウトなんだよ!賭けに出る!
「だとしても、いやそんなこと言う前にこのシチュエーションは僕は好きじゃないな!」
ペガはピクッとした後に、ハイライトが戻った眼で不安そうにこちらを見つめた。
「…ごめんなさい…嫌いになった…?」
お、このまま逃げれるか?
「ペガ、いらない子…?」
ハイライトさん!逃げないで!この子、もしかしたら…!
『おう、お楽しみのところ水をさすようだが、ペガはヤンデレさん気質があるぞ、気を付けろよ』
早く言えやこの野郎!
しっかし、どうすっかね…ペガ泣きそうになってるんだけど…。
「だ、大丈夫大丈夫、いらない子じゃないよ。よしよし」
撫でてみる。
「…本当に?」
「本当に本当に!よしよし」
ペガは嬉しそうにこちらを向いて、弾ける笑顔を見せた。
「んーーーーー!!ますたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
この子、可愛いぞ…危険だけど。
ところでなんだが、もう一人いるんだっけ?どこなの?
『あー、えっとな…?そろそろくるぞ?』
自由の歯切れが悪い…?謎だな……。
すると、突然目の前が真っ暗になった。手で塞がれたようだ。
そして、一声。
「だーれだ?」
知らんな。
ピクッ
ペガがピクッと反応した。どうしたんだろう。
「……クソビッチめ」
「んっふふふふふぅ…私だよ。メイだよ!」
メイちゃんとペガちゃんとは犬猿の仲です。
あと、この2人から(寧ろメイから)このお話の構想は出来上がったので、特別っちゃ特別な2人です。
メイは次回で具体的な描写をしたい。
メイ「めっへへへへぇ…」