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親友

息子も娘も風邪っぴき。

「……でね~まー君がクリスマスプレゼントにくれたのがこのネックレス!花!聞いてる?」

「聞いてますよ~」


 親友の梶野岬(かじのみさき)がファミレスで会おうというのでやって来たわけだが、この女クリスマス直前に出来た彼氏の話しかしない。

 岬の彼氏であるまー君こと、幸村優夫(ゆきむらまさお)は私のバイト先の先輩で私が紹介して幸村先輩が岬に一目惚れしたのがこの二人の恋の始まりだった。


「花は?出会いとかなかったの?」

「お隣に住んでるお兄さんと飲み友になったよ」

「お兄さん?いくつ?」

「29歳だって、お酒買ってくれるしおつまみ買ってくれるしエロい目で見て来ないし最高の友達」

「何貢がせてるのよ!悪い女ね!」


 彼氏にお高いネックレス買わせておいてなんなんだ。


「違うもん!一緒に楽しく飲むためにお兄さんが買ってくれるだけだもん!食の好みも似ててタコワサ好きって話で盛り上がっちゃった!」


 岬は呆れ顔でため息をついた。


「飲んだくれにパトロンがついたか………さしずめ、足長おじさんならぬタコワサおじさんってとこ?」

「タコワサおじさんじゃないよ!」


 むしろ、タコワサ王子………

 自分で考えて笑いそうになってしまった。

 これは、ツッキーさんに話そう。

 

「いいじゃん!タコワサおじさん!ってか、タコワサおじさんと仲良くするんじゃなくて彼氏作りなよ!良いよ~彼氏」


 漸く私の話を聞いてくれるのかと思いきや、また、彼氏自慢が始まってしまった。

 岬よ……幸村先輩は岬の好きな事や、やって欲しい事や言って欲しい事は私からリサーチ済みだから!

 むしろ、私が岬を喜ばせてる犯人だから!

 

「初詣は一緒に行けなかったけど、代わりに一緒に福袋買いに行ってね!」


 ああ、ツッキーさん……私の親友もツッキーさんの苦手な女性たちのように彼氏に貢がせています!

 なんだか、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


「彼氏良いよ~」

「はいはい。私は今呪われてるから彼氏は出来ませんよ~」

「何呪いって?」

「タコワサおじさんが遊べないのは嫌だから彼氏出来るな~って呪いかけられてる」

「何そいつ、最悪じゃん!」

「いやいや、結構いい人だよ」

「人呪うとか最悪じゃん!」


 ツッキーさんごめん。

 なんか、私の親友に誤解されてしまいました。


「いい人なんだよ」

「どうだか」

「こないだはエコバックの良いやつ買ってくれたし玉子安かったら2パックも買ってきてくれるんだよ!」

「それは良い人なの?」


 良い人だろ!

 私の嬉しいこと沢山してくれるし同じような考え方をしてくれる、岬よりも解りあえる相手だと思う。

 

「一緒にいて楽しいし、癒されるんだよ」

「………あのさ、あんたタコワサおじさんが好きなの?」

「好きだよ!」

「じゃあ、付き合っちゃえば?」

「何でそうなる?」


 ツッキーさんみたいなイケメンインテリ男性が私の彼氏になんてなってくれるわけない。


「タコワサおじさんは彼女要らないんだって」

「何で?」

「お金がかかるから」

「………」

「幸村先輩に貢がせまくってフラれないでね」

「………フラれるなんて嫌!」


 岬が涙目になってしまった。

 

「あまり高いもので喜びすぎちゃ駄目だよ。今、幸村先輩は岬の喜ぶことなら何でもしてあげたいんだろうけど甘えすぎちゃうと金のかかる女って思われちゃうからね」

「気をつける!教えてくれてありがとう!」

「良いよ。二人が幸せだと私も嬉しいから」


 つい甘やかしてしまうのは、私が岬を親友だと思っているからだろう。

 何時いかなる時も味方になってあげたい存在。

 ………うん。岬とツッキーさんならツッキーさんをとると思うけど、二番目くらいに大事な友達だ。

 二人が溺れていたらツッキーさんを助ける!

 だって、岬は幸村先輩が助けるだろう。

 私とツッキーさんは相方が居ないから助け合わなければならない。

 それは、当たり前の事だ。

 その時の私は会っていない時までツッキーさんの事を考えてしまうなんて、私は本当にツッキーさんを大事な友達だと思っているんだな~っとあらためて思ってしまっていたのだった。

風邪なのになぜそんなに元気なんだ!

子供の体力恐るべし!

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