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聖夜の天使? 五十嵐目線

年末だ~。

 クリスマスなんて滅びれば良いのに。

 俺は、そう思って生きてきた。


「か、課長~今日彼女とデートなんです!待たせたらフラれちゃうんです~残業は勘弁してください~」

「………お前も管理職だろ」

「勘弁してください!今日プロポーズしたいんです~」

「係長!課長だってクリスマスを楽しむ権利があるんですよ!無理言わないで下さい!課長!今日ご飯一緒にどうですか~?」

 すがり付く係長。

 ニコニコしながらも目がギラギラしている女子社員。


「解った………俺が残業かわってやる。夕飯はコンビニおにぎりだが、君もそれで良いか?」


 泣きながらお礼を言う係長。

 笑顔で舌打ちの女子社員。

 その後、残業を手伝ってくれるやつを募るも誰も目すら合わせてくれなかった。

 仕方なく残業しなが焼き鳥食いたいとか余計なことを考えていた。






 新しく引っ越したマンション。

 前のマンションは会社の女子社員が、偶然を装って同じマンションに住みはじめるってホラー展開にびびった。

 自意識過剰かもしれないが、バサバサの睫毛とギラギラした目で偶然ですね~なんて言われたら引っ越そうと思うだろう。

 そんなこんなで空きの少ない駅近のマンションに引っ越したんだ。

 クリスマスを呪いながら、俺は今住んでいるマンションのしまりかけのエレベーターに飛び乗った。

 急いで帰ってビールが飲みたかったってのが言い訳だ。

 エレベーターに勢いよく入ると、そこには女の子が1人居た。

 フワフワの茶色い髪の毛はセミロングで、目が大きく整った顔立ち。

 藍色のダッフルコートに真っ白な手袋とマフラー。

 マフラーはリボン結びになっていて顔が小さく見えた。

 うわぁ、天使みたいに可愛い子だ。

 俺の疲れた頭はそう思った。

 ドンッ……コッグチャ

 勢いが殺せずぶつかってしまった俺達の間に沈黙が流れ、彼女の足元に横向きになったケーキの箱が見えた時の血の気が引く音を誰かに聞かせてやりたい。

 できれば、今日プロポーズするって言ってた係長が今フラれれば良いのにとかどうでも良いことを思った。

 弁償させて欲しいって言ったら、彼女は断った。

 なんだかんだで結局、一緒にクリスマスを祝うことになった。

 家にあるシャンパンをとりに行くと言って部屋に入ると急いでシャワーを浴びた。

 シャワーを浴びながら思った。

 あの子スッゲー可愛かった。

 もしかして、聖夜に訪れた春か?

 なんて、少し思ってしまった。

 ジャージにコートをはおり、スマホと財布をポケットにしまう。

 財布の中に入っている避妊具は男のたしなみだから深い意味はない。

 冷蔵庫からシャンパンを取り出し、隣に住む水島さんの家に向かった。

 彼女の家につくまでに水島さんの名前がハナカって言ってたけど、どんな字を書くのかなぁ?とかどうでも良いことを思った。

 呼び鈴を鳴らすと彼女がドアを開けてくれた。

 時間がたちすぎたのか、彼女は本当に来たみたいな顔をしていた。

 髪の毛が濡れているのを気にしたりシャンパンを見る目がキラキラしていたり水島さんは可愛かった。

 タコワサが好きだとか共感。

 俺の回りの女子ってやつは皆、可愛い物しか食わない。

 パンケーキだのドーナツだのシャンパンだのスイーツバイキングだの高級ディナーなどなど見た目で食べているんだと思う。

 けど彼女は違う。

 二人でコンビニに行き、日本酒と焼酎を眺めて唸る彼女はやっぱり可愛かった。

 俺がアタリメとビーフジャーキーをカゴに入れると、水島さんの瞳が更に輝いた。

 おでんで少し揉めたが、直ぐに妥協案を出してたいした揉め事にはならなかった。

 彼女のプレゼン能力は凄い。

 会社でも課長を納得させるのは難しいと言われている俺が納得してしまったぐらいだ。 

 水島さんの家に帰ると二人で愚痴を言い合って、酒を飲みつまみが旨いと言い合って気がつけば眠ってしまった。

 水島さんに起こされたのは、朝の6時。

 滅茶苦茶寝れた。

 目覚めもスッキリでこんなに寝れたのはいつぶりだろう?

 ボーっとしていると、ご飯とお味噌汁が出てきた。

 しみる、旨すぎ、癒される~。

 俺がマッタリご飯を食べるのを水島さんは嬉しそうに笑って見てた。

 この子ともっと仲良くなりたい。

 俺は思わず友達になりたいと言った。

 彼女は困ったような顔をした後嬉しそうに笑って良いと言ってくれた。

 俺が花さんと呼んでも良いか聞くと、了承して俺の事もツッキーさんと呼ぶと言われた。

 そんなあだ名はじめてつけられた。

 花さんがあまりにも楽しそうに言うから、まあ良いかって思えた。

 





 一度家に帰ってスーツに着替えて会社に向かった。

 ハッキリ言って仕事がはかどるはかどる。

 ストレスがかなり削られた結果なのか?


「課長~ありがとうございます!プロポーズ成功しました!これ、お礼です!」


 係長が渡してきたのは日本酒の一升瓶。


「気を使わなくて良かったんだぞ。悪いな、もらっとく」


 俺はその一升瓶を見つめて思った。

 これを持って花さんの所に今日も行こう。

 迷惑かけないように早く帰るようにしよう。

 日本酒の一升瓶を見つめて瞳をキラキラさせる花さんを思い浮かべながら仕事を頑張ったのは言うまでもなかったのだった。

やることいっぱで、更新が遅くなったりするかも知れません。

ごめんなさい。

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