飲み友
すみません。
体調をくずしました。
旦那様が………
五十嵐さんは本当に私と好みが似ている。
コンビニでは日本酒と焼酎両方買ってくれた。
タコワサは無かったけど、アタリメとビーフジャーキーとおでんを五十嵐さんが買ってくれた。
私の好きなちくわぶと五十嵐さんの好きなウインナーがいるかいらないかで少しもめた。
結論として、あったら食べるし無くても困らないでお互いに妥協した。
お互いに一番好きなのは大根だというのも妥協できた理由だろう。
私達は部屋に戻ってくると、夜中の三時まで飲み続けた。
五十嵐さんが途中で寝てしまったので毛布をかけて寝かせてあげ、朝6時に起こしてあげた。
「五十嵐さんソファーで寝ちゃったけど体痛くないですか?」
「大丈夫です………おはようございます………今何時?」
「6時ですよ。今日仕事でしたよね?」
「はい。ありがとうございます………なんか凄い寝た感じがする………何時に寝ましたっけ?」
「3時ぐらいですよ」
「………水島さんも全然寝れてないですよね。すみません」
私はフフンと笑って言った。
「私はこれから寝ます!」
「………良いな~俺も仕事休んで寝てぇ」
「せっかく仕事に間に合うように起こしたのに?」
「………ありがとうございます………仕事頑張ります」
私はお味噌汁とご飯を五十嵐さんに出してあげた。
「ご飯と味噌汁だけでよければどうぞ」
「………癒される~」
お味噌汁を飲みながら五十嵐さんはマッタリ顔である。
「美味しそうに食べてもらえるの嬉しい」
「旨いです」
「味噌汁とご飯だけだよ?せめて玉子焼きぐらいはつけたかったけど玉子ないからそれで我慢してください」
「十分です。水島さんは良いお母さんになれます」
私は思わず笑ってしまった。
「朝御飯これだけだと、子供は文句言いそう」
「贅沢。俺は毎朝珈琲だけです」
「うわ、ご飯大事ですよ」
「………ですね~今痛感してます。今日は仕事頑張れそうです」
「良かった」
五十嵐さんは私を見つめると言った。
「お礼をさせてください」
「お酒買ってくれましたよ!おつまみも…」
「………只の口実です」
へ?もしかして、春の予感?
「水島さんと飲むのが楽しかったから、また一緒に飲めるように口実が欲しいって思って………俺と飲み友達になりませんか?」
ああ、春じゃ無かった~。
そりゃそうだ、男の人よりも飲める女なんて可愛くも何ともない。
「良いですよ。今から飲み友ですね」
「ありがとう………花さんと呼んでも?」
「良いですよツッキーさん」
「………そんな風に呼ばれたこと無いです」
「似合わなくて面白いと思ったんですけど?」
「………それで良いです。花さんは面白い人ですね」
「そうですか?」
五十嵐さんは嬉しそうにご飯をモキュモキュ食べて、会社に行ってしまった。
何とも濃いクリスマスだった。
私は何とも言えない充実感でいっぱいになった。
その日の夜に五十嵐さんが日本酒片手に遊びにくるなんて思いもしないで。