クリスマスはバイトです
はじめましての方もいつも読んでくださる方方も宜しくお願いいたします!
私のクリスマスイブとクリスマスの予定はバイトだ。
ミニスカサンタクロースのコスプレをさせられてケーキを売っている。
このバイト………友達のバイトでした。
「彼氏居ないから、バイトしてやる~」
って言ってた彼女はクリスマス直前に彼氏をゲット!
私にバイトをおしつけた。
どうせ私には彼氏なんて居ないやい!
「こんな日にバイトしてもらっちゃってごめんね」
「大丈夫ですよ………彼氏居ないし」
ケーキ屋さんの店長さんは申し訳なさそうに苦笑いしていた。
「水島さんは可愛いからすぐ彼氏出来ると思うけどな~モテるでしょ?」
「全然ですよ。可愛いとか言われた事無いですもん」
「え~僕が後十歳若ければアタックするのに~」
「お世辞ありがとうございます」
え~本当なのに~って言ってくれた店長さんは本当にいい人だと思う。
25日の仕事終わりに店長さんが売れ残りのケーキをくれた。
大学生になって三年。
ケーキをホールでもらい、困る事になるなんて思いもしなかった。
バイト帰りの私が独り暮らししているマンションのエレベーターに乗ろうとしたその時慌てたようにエレベーターに駆け込んできたサラリーマン。
ビックリした。
慌ててるサラリーマンさんは勢い余って私にぶつかった。
ええ、ホールケーキを落とすほどの衝撃でしたよ。
フリーズする私とサラリーマンさん。
思わずサラリーマンさんの顔を見ると、向こうも私の顔を真っ青な顔で見たところだった。
あ、この人イケメン。
顔色は最悪だけど、黒くかっちりと整えられた短髪に銀縁メガネ。
センスの良いスーツにロングのビジネスマンコート渋い藍色のマフラーをしていた。
モテそうな人。
私の感想はそれだった。
「あ、あの………弁償させてください………いや、買い直して………今から買えるケーキなんて………ないですかね?………どうしたら………」
サラリーマンさんはかなり動揺しているようで、必死な顔だ。
気がつけば私の部屋のある4階についた所だった。
「あ、大丈夫です。私、この階なんで」
「えっ?俺もです」
ヤバイ気まずい。
私は、たぶん原型をとどめていないケーキの箱を持ち上げエレベーターを降りた。
「自分、407号室に最近引っ越して来たんですが、お姉さんは?」
「………406号室です」
サラリーマンさんは気まずそうな顔を更に困惑させた。
「あ、挨拶が遅れて申し訳ない。五十嵐月斗と言います。宜しくお願いします………ケーキ……」
「私は水島花花です。本当にケーキは大丈夫なんで」
「………大丈夫な訳ないですよね?」
「実は、貰い物で………1人でホールケーキをどう処理しようかって思ってて………くれた人には申し訳ないですけどちょっと安心したっていうか………」
五十嵐さんは暫く黙ると言った。
「それ、半分貰えませんか?」
「へ?」
「俺、甘いもの好きで………潰れた所で良いので」
「………じゃあ、私の家で食べますか?あ、予定とかあります?」
「えっ?いや、予定は無いですが良いんですか?」
五十嵐さんはゆっくり言った。
「家に引っ越し祝いに貰ったシャンパンがあるので一緒にクリスマスを祝いますか?」
イケメンの引っ越し祝いってシャレてんな~!って思った。
「彼女さんとか奥さんは?」
「居ません。やっぱり嫌ですか?」
「誤解されて虐めにあうとか嫌なので確認です」
五十嵐さんは苦笑いをして、シャンパンをとってきますって言って407号室に入っていった。
私と五十嵐さんはこうやってクリスマスの日に出会ったのだった。
また、見切り発車してしまった……
ゆっくり更新したいです。