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僕《スウィンダラー》は決して正義を騙らない。  作者: 雉里ほろろ
第一章:王女と嘘つきの国盗り
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第三話:スキルといえばお約束

今日はじめて活動報告なるものを知りました……←何やってんだ。

これからは投稿の際に書こうと思います。

 第三話:スキルといえばお約束



「ゴホンッ。それでは早速だが今の諸君たちにどれほどの力が備わっているのか知りたいのだ。ガイオス、あれを」

「ハッ」

 わざとらしく咳払いをした国王から指示を受けた騎士鎧の男は、手元からなにやら金属プレートみたいなカードのようなものを取り出し、それを僕たちに配る。

「これはなんですか?」

 早乙女さんが首をかしげながらガイオスと呼ばれた騎士風の男に尋ねる。

 その隣では椎名さんが「ほぇー」という気の抜ける声を出しながらカードを光にかざしたりしている。

「これは、魔道具の一種でステータスカード、正式名称、魔力感知式特殊能力表記金属板といいます。これを額に当てれば、そこから個人の魔力を読み取ることによってその人の現在持っているスキルを表記するものです。皆さんにはこれを使って今持っているスキルの確認をしていただきます」

「スキル?」

 木下くんが尋ねた。

「はい。この世界にはスキルというものがあり、生き物や特殊な道具にはスキルが備わっています。スキルは先天性のものや後天性に獲得できるものなど多数ありますが、どれも普通はありえないことを出来るようになります。そして使えばその分新たな技が使え、そして使い続ければやがて新たなスキルへと変化します」

「ふーん、何だかゲームみたいね」

 椎名さんが呟く。確かにゲームみたいだ。

「そのゲェムというものは分かりかねますが…………。ちなみにですが魔物や魔族もスキルを持っていて、勇者様方に倒していただきたい魔王も、強力かつ凶悪なスキルを持っているとの噂です。それに対抗するためにはまず、ご自身がどのようなスキルを持っているのかを知っていただき、それを使いこなしていただく必要があります」

「こう?」

 ガイオスさんが説明すると同時に、椎名さんがステータスカードを額に当てる。

「うわっ?!」

 すると突然、ステータスカードが光を放った。それにびっくりした椎名さんはステータスカードを落としてしまう。

「び、びっくりしたー。って、あれ? 何か一杯書いてある」

 落としたステータスカードを拾い上げた椎名さんがそういったので、気になった僕・木下くん・早乙女さんの三人で椎名さんのステータスカードを覗き込む。


『名前:椎名灯 LV1

 所持スキル:【言語理解ワード】【身体能力上昇パワーボディ】【魔力増加マジックアップ】【魔力吸収ドレインマジック】【詠唱破棄スペルカット】【多重詠唱マルチマジック】【魔道の真髄マジックマスター】【神速ゴッドスピード】【火属性魔法ファイアマジック】【風属性魔法ウィンドマジック】【土属性魔法アースマジック】【付加魔法エンチャントマジック】【防御魔法(ガードマジック)】』


「おお、こんなに有用なスキルをお持ちとは! 流石は勇者様だ!」

 ガイオスさんも椎名さんのステータスカードを確認して、声を大きくする。

「これが……スキル?」

 椎名さんが呟く。

「それじゃ、僕も」

「わ、私も」

 その椎名さんを見習い、木下くんと早乙女さんも額にステータスカードを当てた。


『名前:木下流星 LV1

 所持スキル:【言語理解ワード】【勇者ヒーロー】【身体能力上昇パワーボディ】【魔力増加マジックアップ】【剣聖ソードマスター】【光属性魔法シャインマジック】【聖属性魔法ホーリーマジック】【全属性耐性アンチオール】【希望の光カリスマ】』


『名前:早乙女詩歌 LV1

 所持スキル:【言語理解ワード】【魔力増加マジックアップ】【水属性魔法ウォーターマジック】【防御魔法ガードマジック】【回復魔法ヒールマジック】【女神の微笑アルカイックスマイル】【聖女の歌ゴスペルソング】【戦乙女の加護ヴァルキュリアガード】』


 木下くんと椎名さんのカードにも文字が刻まれる。

「おお! お二方もまさに勇者に相応しい! おまけに流星殿は【勇者ヒーロー】のスキルをお持ちとは!」

 それを見たガイオスさんは、あまりの事態に興奮しっぱなしである。

 それもまぁ仕方ないのかな。何だかよく分からないけど、そのスキルとやらを二人とも大量に持っているし、名前の雰囲気からしてなんだか凄そう。まさに凄まじいチートっぷり。

「さぁ、雪車町殿も!」

 そのままテンションの高いガイオスさんは僕にも早くステータスを表示させるよう促す。

 それに従って僕はステータスカードを額にあて、ステータスを表示させる。

 そして、そこに書いてある文字を見て笑いそうになる。

「むぅ……雪車町殿は戦えそうにないですなぁ…」

 それを覗き込んだガイオスさんは、明らかな落胆と侮蔑の表情を見せる。

「ん?」

 それを見て気になったのか、木下くんたち三人も僕のステータスカードを覗き込む。

「どれどれ、【言語理解ワード】と【役者アクター】?」

 僕のステータスカードを覗き込んだ木下くんは思わずといったように呟いた。

「……その二つはレアスキルでもない上に、戦いには不向き。おまけに【言語理解ワード】は召喚者に自動についているものですから、実質【役者アクター】だけですなぁ。それに【役者アクター】はただ演技がうまくなるなどというものだったはず。舞台役者には有用かもしれませんが、勇者には……」

 それに付け加えるようにガイオスさんがいい、それを聞いた国王様を含む周りの貴族も明らかな落胆と侮蔑、嘲笑を浮かべる。おいおい。全員、ちょっとは隠す努力をしなよ。

 隣では小さく木下くんが「雪車町って役者の才能があったんだ……」なんて場違いなことを呟いている。いや、そういうことじゃなくてさ。

「あの、雪車町くん、落ち込んじゃダメだよ? 私が守ってあげるから!」

 黙ったままの僕に早乙女さんがそういってくれる。なんともまぁ優しい。

 だけど、何故か僕にはその二つ以外にもスキルがあるように見えるんですけど。


『名前:雪車町終夜 LV1

 所持スキル【言語理解ワード】【能力偽装スキルフェイク】―【至高の演技アルティメットアクト】→【役者アクター】 【能力隠蔽スキルハイド】―【欺瞞の詐欺師ペテン】【大嘘吐きライアー】【煽動家アジデーター】』


 これってさ。

 僕の元の世界でできたことと大して変わらない気がするんだけど。



ルビ振りが辛かった……

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