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第一話:日常から落ちて

初投稿。駄文注意です。

 第一話:日常から落ちて



 僕は、窓の外を眺めていた。


 別段何かあるわけでもない。教室の窓から飛行機が飛んでいるわけでもない空をぼーっと眺めていた。

 周りのクラスメイトはお昼ご飯を食べるために移動していて、既に大体3分の1くらいのクラスメイトが食堂に行っている。教室に残っているクラスメイトも友達と弁当を広げあっているころだ。

雪車町そりまちくん。お弁当食べないの?」

 そんな中、一人の女子生徒が声をかけてきた。

 それと同時に周囲の男子から僕に向かって殺意が飛ばされる。

 まぁ、それも仕方ないのかもしれないけどさ。

 それもそのはず、彼女はこの学校でも1、2を争うほどの美少女と名高い、早乙女詩歌さおとめしいかその人だからだ。

 優しくておまけに可愛い彼女は、男女問わず人気がある。

 そんな彼女は何かと僕に絡んでくる。

 僕にはそんなまっすぐな優しさが眩しいのに。直視できないくらいに。

 そんな彼女に、僕は眠そうに瞳を向ける。というか実際眠い。

「早乙女さんか。うん、僕今日はお腹すいてないから」

「ダメだよそんなの!ちゃんと食べないと! 私のお弁当分けてあげるよ」

 早乙女さんの言葉で僕に突き刺さる殺意の数が増える。あー、あれ親衛隊とかいってた連中じゃなかったっけ?

「いや、いいよ」

 それをされると僕が殺される。周りの男子に。まだ死にたくない。

「でも――」

「詩歌、雪車町はお腹がすいていないって言ってるだろ? 無理に勧めてあげないほうがいいよ」

「そうよ詩歌。アンタも無理に進められたら嬉しくないでしょ?」

 早乙女さんの言葉を遮ったのは、この学校きってのイケメン。木下流星きのしたりゅうせいくんと、早乙女さんと対を成す活発系の美少女、椎名灯しいなあかりさん。

 この三人はいつも一緒で、周りからハーレム爆ぜろとか言われている。

「それより詩歌、僕とお昼食べない?」

 木下くんはイケメンらしい爽やかな笑顔でそういう。たぶん、彼には一切の下心は無いと思う。彼の感覚からすれば普通にご飯に誘っただけだ。アニメなんかに出てくるような鈍感系主人公をそのままこちらに持ってきたかのような彼は、誰にでも優しく、そして正義感に溢れているから。

「あ……うん、わかった。私も行くよ木下くん、灯ちゃん」

 早乙女さんは断る理由も無いのでそれに従った。

「それじゃ、雪車町くん。ちゃんと食べないとダメだよ?」

 そういって早乙女さんは僕に小さく手を振ってきた。そしてそのまま木下くんについて教室を出て行った。

「ふぅ………」

 そのまま僕はため息をつき、再び視線を窓の外へ送る。

「…………あ、飛行機」

 飛行機雲を作りながら青空を突っ切っていく飛行機を見つけた。いや、だからといって何かがあるわけではないんだけどさ。

「だるいなぁ…………」

 ちょっと僕の話をしてもいいだろうか。

 僕は、生まれたときから嘘吐きらしい。

 昔から周りを騙して、自分に有利になるように仕向けたりもしてきた。

 そして、そんなことに何故か僕は一切の罪悪感がわかない。

 高校に入ってからは嘘をつかないようにしてきたんだけど、それでもやってしまう。癖というか、習性みたいなものになっている。

 嘘じゃなくても例えば愛想笑いだとか、知ったかぶりだとか、はったりだとか、話題あわせだとか、ポ-カーフェイスだとか。

 そういった些細なことを、無意識にしてしまう。こんなことは皆がしてることかもしれないけど、僕はそれに欠片も罪悪感が沸かない。

 だけど、世の中では『嘘吐きは泥棒の始まり』なんて言葉もあるくらい、嘘は嫌われている。

 僕からしてみれば、世の中全ての人には嘘をつく自由があるのだから関係ないと思うが。

 嘘が嫌われる理由は、周りの人に被害がでるから。これだと思う。

 だったら僕みたいに、相手が騙されたことにも気付かないくらいに騙しきれば、それは嘘じゃなくなるのに。

 まぁ、本当になるわけでもないけどさ。

「ん?」

 そうやって頭の中で一人語りをしていると突然、違和感を感じた。

 足元をみると、そこにはアニメのような複雑な幾何学模様の書かれた円――魔法陣とかってひょっとしたらこんなのかもしれない――が光を放っていた。

「え?」

 そのまま僕はなにも抵抗も出来ずに、魔法陣の中へと吸い込まれていった。

お読みいただきありがとうございます。

ちゃんと表示されているのかものすごく不安ですが……。

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