栄典法
・第1章 総則
第1条 目的
本法は、叙勲及び叙位並びに叙功について、その階級及び基準について定める。
第2条 基本的事項
本法は、勲章、爵位、褒章、記章及び位階並びに外国より授与された勲章、爵位、褒章及び記章について定める。
2、その他、第1項に付随する一切の事柄について規定する。
第3条 授与
叙勲及び叙位並びに叙功については、内閣が決定し、天皇が授与する。
2、本法に書かれていない授与基準については、内閣が決定する。
第4条 死後栄典
栄典を受けるに値する者が、栄転を受ける前に死亡した場合は、死後授与を行う。
2、死後授与は、死亡日にさかのぼって行う。
3、死後授与は、以下の名称とする。なお、ここに記載がない栄典については、死後与えることはできない。
一 死後に叙勲した者は、死後叙勲という。
二 死後に叙爵した者は、死後叙爵という。
三 死後に叙褒した者は、死後叙褒という。
四 死後に叙位した者は、死後叙位という。
第5条 団体
栄典を受けるに値する団体については、その団体に対して、人物と同様にして授与する。ただし、爵位、位階、善行章を除く記章については与えない。勲章を与える場合は、全て旭日章を与える。
2、前項の場合に、それぞれを与える場合には、賞状に替えることができる。また、複数回与える場合は、その回数を賞状に記載することができる。
3、団体に対する栄典については、政令で詳細を定める。
第6条 有効
栄典は、授与された本人のみに有効である。
・第2章 勲章
+第1節 叙勲
第7条 勲等
勲等は、大勲位、勲1等、勲2等、勲3等、勲4等、勲5等、勲6等並びに勲7等とする。
2、勲等に対する名称は、大勲位頸飾もしくは大勲位綬章、大綬章、重光章、中綬章、小授章、双光章、単光章並びに青色章とする。
第8条 目的
叙勲は、各勲章の目的に沿って行うほか、法律に従って行う。
第9条 形状
形状は、別に定めがない限り、従前の例に従う。
第10条 併佩
複数の大綬章を受勲した時は、菊花大綬章、桐花大綬章、金鵄大綬章、八雲大綬章、旭日大綬章、瑞宝大綬章、宝冠大綬章の順番によって、そのうちの最高の大綬章を佩用する。
2、いずれかの大綬章と重光章以下を受勲した時は、併佩することができる。
3、重光章以下で同級の受勲をした場合は、併佩することができる。
4、同一勲章を複数の勲等で受勲した場合は、最も勲等が高い勲章を佩用する。ただし、別に定めがある場合は、それに従う。
第11条 外国人に対する叙勲
菊花章、桐花章、金鵄章、旭日章及び八雲章については、皇国民の叙勲と同一の基準によって、日本皇国に利する外国人に対して与えることができる。
+第2節 菊花章
第12条 大勲位菊花頸飾
日本皇国の最高位の勲章として、大勲位菊花頸飾を定める。
2、大勲位菊花頸飾は、大勲位金鵄頸飾及び大勲位旭日頸飾の上位勲章とする。
3、大勲位菊花頸飾は、大勲位菊花大綬章を与えられた者のうちより、国家に対して功績がある者に対して与える。
4、次に掲げる者は、前項にかかわらず与える。
一 天皇
二 任期制を除く、外国の皇帝または王並びに女王
三 累計5年以上を勤めた内閣総理大臣経験者
第13条 大勲位菊花大綬章
大勲位金鵄大綬章及び大勲位旭日大綬章の上位勲章として、大勲位菊花大綬章を定める。なお、同等の功績がある軍人に対しては、大勲位金鵄頸飾を与えるものとする。
2、大勲位菊花大綬章は、国家又は公共に対して、極めて多大な功績がある者に対して与える。
3、次に掲げる者は、前項にかかわらず与える。
一 皇太子並びに皇太孫
一の2 皇太子妃並びに皇太孫妃
二 任期制である、外国の皇帝または王並びに女王
三 外国の皇太子または王子並びに王女
四 累計3年以上を勤めた内閣総理大臣経験者
五 累計5年以上を勤めた国務大臣経験者。ただし、内閣総理大臣を除く。
六 民主的な選挙によって選ばれた大統領
第14条 佩用
大勲位菊花大綬章と大勲位菊花頸飾は併佩することができない。両方とも与えられている者は、大勲位菊花頸飾を佩用する。
2、大勲位菊花大綬章と、菊花大綬章、桐花大綬章、瑞宝大綬章、八雲大綬章、宝冠大綬章は併佩することができない。
3、大勲位菊花大綬章と、金鵄大綬章、旭日大綬章は併佩することができる。ただし、併佩する時は、金鵄大綬章並びに旭日大綬章の大綬は佩用せず、副章を佩用する位置に正章を佩用するものとする。
4、大勲位菊花頸飾は、菊花大綬章、桐花大綬章、瑞宝大綬章、八雲大綬章、宝冠大綬章と併佩することができない。
5、大勲位菊花頸飾は、金鵄大綬章、旭日大綬章と併佩することができる。この時、副章または正章として大勲位菊花大綬章を受勲している者は、それを佩用することはできない。
+第3節 桐花章
第15条 桐花大綬章
桐花大綬章は、瑞宝大綬章及び宝冠大綬章の上位勲章として定める。
2、桐花大綬章は、国家又は公共に対して、著しく多大な功績がある者に対して与える。
3、次に掲げる者は、前項にかかわらず与える。
一 親王
二 内親王
三 親王妃
四 内閣総理大臣経験者
五 累計3年以上を勤めた国務大臣経験者。ただし、内閣総理大臣は除く。
六 最高裁判所長官
七 参議院議長並びに衆議院議長
4、桐花大綬章は、勲等を大勲位とする。
第16条 佩用
桐花大綬章は、瑞宝大綬章、宝冠大綬章と併佩することができない。
2、桐花大綬章は、菊花大綬章、金鵄大綬章、旭日大綬章、八雲大綬章と併佩することができる。
+第4節 金鵄章
…第1款 総則
第17条 形状
勲等金鵄章は、鈕を銀とする。
2、功級金鵄章は、鈕を金とする。
3、前2項を除き、従前の例に従う。
第18条 佩用
大勲位金鵄頸飾は、大勲位菊花頸飾と併佩できない。共に受け取っている場合は、大勲位金鵄頸飾の副章を大勲位菊花頸飾の正章と併佩することができる。
第19条 叙勲基準
勲等金鵄章の叙勲は、それぞれの階級に至った時に行う。なお、大勲位金鵄頸飾並びに大勲位金鵄大綬章については、また別に定める。他の勲等金鵄章については、日本皇国軍に関する法律その他の法令で定める。
2、功級金鵄章は、武功卓越している者に与え、いかなる者も初綬は功7級とする。また、八雲章の受章回数を参考とし、上級金鵄章を与える。
3、前2項について、授与基準は政令に定めるほか、この法律に定める。
…第2款 勲等金鵄章
第20条 大勲位金鵄頸飾
大勲位金鵄頸飾は、大勲位金鵄大綬章及び大勲位菊花大綬章の上位勲章として定める。
2、大勲位金鵄頸飾は、公爵位に叙されている者で、新たに元帥位に就いた者に対して与える。また、大勲位金鵄大綬章を再び受ける功績を残した者に対しても与える。
3、以下の者は、前項にかかわらず与える。
一 大元帥たる天皇
二 累計3年以上軍務総省大臣に就いた者
4、大勲位金鵄頸飾は、軍人または軍属に対して与えられる。
第21条 大勲位金鵄大綬章
大勲位金鵄大綬章は、金鵄大綬章及び八雲大綬章の上位勲章として定める。
2、以下に掲げる者は、常に与える。
一 大勲位金鵄頸飾の授与基準に満たない元帥位に就いた者
二 軍務総省大臣に就いた者
三 累計3年以上、各軍省大臣に就いた者
四 在日駐在武官団団長
第22条 金鵄章
勲等金鵄章は、大勲位金鵄頸飾並びに大勲位金鵄大綬章を除き、以下のものとする。
一 金鵄大綬章
二 金鵄重光章
三 金鵄中綬章
四 金鵄小受章
五 金鵄双光章
六 金鵄単光章
七 青色金鵄章
…第3款 功級金鵄章
第23条 功級金鵄章
功級金鵄章は、第22条各号の頭に功とつける。
第24条 功級
功級は功1級を最高とし、功7級を最低とする。また、7段階とする。
2、八雲章は、功級を与える参考とする。
第25条 佩用
功級金鵄章は、勲等金鵄章と併佩することができる。
2、複数の功級を受勲している場合、上位2つの功級の金鵄章を併佩することができる。
3、功金鵄大綬章は、他の大綬章と併佩することができる。
+第5節 旭日章
第26条 大勲位旭日頸飾
大勲位菊花大綬章の上位勲章として、大勲位旭日頸飾を定める。
2、大勲位旭日頸飾は、大勲位金鵄頸飾と同じ勲等とし、文民に対して与えるものとする。
第27条 大勲位旭日大綬章
菊花大綬章及び桐花大綬章の上位勲章として、大勲位旭日大綬章を定める。
第28条 旭日大綬章
旭日大綬章は、文化勲章を受けた者もしくは旭日重光章を受けた者のうち、突出した業績を挙げた者に与える。
第29条 旭日章
旭日章は、大勲位旭日大綬章を除き、以下のものとする。
一 旭日大綬章
二 旭日重光章
三 旭日中綬章
四 旭日小綬章
五 旭日双光章
六 旭日単光章
七 青色旭日章
2、旭日章は、公務員の様々な分野における功績の内容について、顕著な功績を挙げた者に与える。
3、以下の者は、前項にかかわらず旭日大綬章を与える。
一 王及び女王
二 王妃
三 国務大臣経験者。ただし、内閣総理大臣及び軍務総省大臣を除く。
+第6節 八雲章
第30条 八雲章
八雲章は、以下のものとする。
一 八雲大綬章
二 八雲重光章
三 八雲中綬章
四 八雲小授章
五 八雲双光章
六 八雲単光章
七 青色八雲章
2、八雲章は、軍属、功績ある軍人、駐在武官及び駐在官に対して、顕著な功績を挙げた者に対して与える。
+第7節 瑞宝章
第31条 瑞宝章
瑞宝章は、以下の通りとする。
一 瑞宝大綬章
二 瑞宝重光章
三 瑞宝中綬章
四 瑞宝小綬章
五 瑞宝双光章
六 瑞宝単光章
七 青色瑞宝章
2、瑞宝章は、男性皇国民の社会へ対する貢献の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者に与える。
+第8節 宝冠章
第32条 宝冠章
宝冠章は、以下の通りとする。
一 宝冠大綬章
二 宝冠重光章
三 宝冠中綬章
四 宝冠小受章
五 宝冠双光章
六 宝冠単光章
七 青色宝冠章
2、宝冠章は、女性皇国民の社会へ対する貢献の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者に与える。
+第9節 文化勲章
第33条 文化勲章
文化勲章は、勲等を勲1等とする。
2、文化勲章は、科学技術や芸術などの文化の発展や向上にめざましい功績のある文化功労者に与える。
3、再び文化勲章を与える場合は、菊花大綬章を与える。
+第10節 外国勲章
第34条 外国勲章
外国の国家主体(以下、外国という)によって叙勲される勲章を、外国勲章という。
2、外国勲章は、叙勲した外国が定めている法令にかかわらず本人に限って佩用することができる。この場合、内閣府賞勲局が許可を与えるものとする。
3、併佩する場合は、本章に規定されている各勲章の基準に従う。
・第3章 爵位
+第1節 総則
第35条 叙爵
爵位は、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵とする。
2、叙爵された者は、勲位並びに位階を授ける。なお、それぞれの勲位並びに位階はそれぞれの爵位に定める。
第 条 基準
叙爵の基準については、個人の身位、懲戒、功績を勘案して、別に定める。
+第2節 公爵
第36条 爵位
公爵は、第1の爵位とする。
第37条 位階
公爵は、叙爵と同時に功績によって、正従2位のいずれかを与えられる。
第38条 勲等
公爵は、勲1等とする。
2、公爵は、正2位の時は大勲位菊花大綬章を、従2位の時は大勲位旭日大綬章を叙勲する。
+第3節 侯爵
第39条 爵位
侯爵は、第2の爵位とする。
第40条 位階
侯爵は、叙爵と同時に国家への功績によって正従3位のいずれかを与えられる。
第41条 勲等
侯爵は、勲1等とする。
2、侯爵は、正3位の時は桐花大綬章を、従3位の時は男であれば瑞宝大綬章を、女であれば宝冠大綬章を叙勲する。
+第4節 伯爵
第42条 爵位
伯爵は、第3の爵位とする。
第43条 位階
伯爵は、叙爵と同時に正4位を与えられる。
第44条 勲等
伯爵は、勲2等とする。
2、伯爵は、男であれば瑞宝重光章、女であれば宝冠重光章を受勲する。
+第5節 子爵
第45条 爵位
子爵は、第4の爵位とする。
第46条 位階
子爵は、叙爵と同時に従4位を与えられる。
第47条 勲等
子爵は、勲3等とする。
2、子爵は、男であれば瑞宝中綬章、女であれば宝冠中綬章を受勲する。
+第6節 男爵
第48条 爵位
男爵は、第5の爵位とする。
第49条 位階
男爵は、叙爵と同時に、その功績によって正従5位を与えられる。
第50条 勲等
男爵は、勲4等とする。
2、男爵は、男であれば瑞宝小綬章、女であれば宝冠小綬章を受勲する。
+第7節 外国爵位
第51条 外国爵位
外国によって叙爵を受けた者は、その爵位を呼称することができる。
2、外国爵位は、叙爵した外国が定めている法令にかかわらず本人に限って呼称することができる。この場合、内閣府賞勲局が許可を与えるものとする。
3、呼称する場合は、本章に規定されている各爵位の基準に従う。
・第4章 褒章
第52条 授与
褒章は、以下の各号に当てはまる場合に、個人もしくは団体に対して与える。
一 自らの危険を顧みずに、人命及び動物の救助に尽力した者
二 社会の奉仕活動に従事し、徳行顕著な者
三 業務に精励し、万民の模範となるような成績を残した者
四 慈善、教育、衛生、建設等の公衆の利益になる事業を行い、著名なる成績を残した者。もしくは、同一の事業に従事し、労功顕著な者
五 学術、芸術上の発明、改良、創作に関して、その功績が著名な者
六 公益のために多額の自らの資財を寄付した者
第53条 名称
褒章の名称は、以下の通りとする。なお、各号の名称の褒章は、前条各号と同一の基準で与える。
一 紅綬褒章
二 緑綬褒章
三 黄綬褒章
四 藍綬褒章
五 紫綬褒章
六 紺綬褒章
第54条 勲等及び位階
褒章は勲4等、従5位とする。
2、紺綬褒章を除く、同一の褒章を3度授与された者は、位階を1つ上げる。
3、紺綬褒章を除く、同一の褒章を5度授与された者は、勲等を1つ及び位階を2つ上げる。
第55条 複数授与
同一褒章を複数授与された者は、その褒章に銀の飾板を付け加える。
2、同一褒章を5度授与された者は、銀の飾板に替えて金の飾板を付け加える。
第56条 佩用
各褒章は、併佩することができる。
2、銀の飾板と金の飾板は併佩することができる。ただし、銀の飾板5枚と金の飾板を併佩することはできない。
第57条 形状
形状は、政令によって定めるほか、従前の例に従う。
・第5章 記章
+第1節 総則
第58条 記章
記章は、政府が主催する式典の記念記章、皇室の慶事による記念記章、国家試験合格者に与えられる技能章、善行章及び勤続章並びに記念硬貨とする。
第59条 佩用
記章は、同一の記章を授与された場合であっても、重ねて佩用することはできない。
2、異なる記章は、併佩することができる。
3、記念硬貨は、佩用することができない。
第60条 形状
形状は、政令によって定める。
+第2節 式典記念記章
第61条 式典
政府が主催する式典に参加した者については、その式典の記念記章を与える。
第62条 記念硬貨
前条の規定以外に、記念硬貨を記念記章とすることができる。
2、記念硬貨は、式典参加者以外に対して、広く販売する。
3、本条について、詳しくは政令に定める。
+第3節 慶事記念記章
第63条 慶事
この節において慶事とは、皇室についての以下に掲げた慶事をさす。
一 即位の礼
二 親王及び王の結婚
三 命名の儀
四 成年式
五 立太子の礼
2、前項の規定によらず、内閣は、枢密院との協議によって皇室の慶事と認定することができる。この場合は、本条における慶事とする。
第64条 記念記章
慶事に参加した者については、その慶事の記念記章を与える。
第65条 記念硬貨
前項の規定以外に、記念硬貨を記念記章とすることができる。
2、記念硬貨は、慶事の参加者以外に対して、広く販売する。
3、本条については、詳しくは政令で定める。
+第4節 技能章
第66条 国家試験、地方試験
法律によって国の機関が実施している試験を、国家試験という。
2、法律によらず地方公共団体の機関が実施している試験を、地方試験という。
3、法律によって地方公共団体の機関が実施している試験は、国家試験とする。
第67条 技能章
特に重要な国家試験に合格したものに対しては、技能章を与える。
2、新たに上位資格に合格したものについては、その上位資格の技能章を新たに与える。
3、第1項の国家試験については、政令で定める。
第68条 指定
前条によって指定される国家資格及び地方試験の中で技能章を与える資格については、政令で指定する。
+第5節 善行章
第69条 善行
善行章において善行とは、無事故無違反、無逮捕無検挙等、犯罪行為を行わず、一定年数平穏に過ごすことをいう。
第70条 銀色善行章
45歳以上であり、その生涯を善行に過ごした者については、銀色善行章を与える。
第71条 金色善行章
60歳以上であり、その生涯を善行に過ごし、銀色善行章を与えられている者に対しては、金色善行章を与える。
第72条 白金善行章
80歳以上であり、その生涯を善行に過ごし、金色善行章を与えられている者に対しては、白金善行章を与える。
+第6節 勤続章
第73条 勤続
勤続章において勤続とは、同一の公企業、国家機関、地方公共団体並びに皇国軍に一定年数継続して勤めていることを言う。
2、私企業については、私企業からの申請に基づいて、同一の基準によって勤続章を与える。
第74条 銅色勤続章
10年間勤続している者に対しては、銅色勤続章を与える。
第75条 銀色勤続章
20年間勤続している者に対しては、銀色勤続章を与える。
第76条 金色勤続章
30年間勤続している者に対しては、金色勤続章を与える。
第77条 白金勤続章
定年まで勤続している者に対しては、白金勤続章を与える。
+第7節 外国記章
第78条 外国記章
外国によって記章を受けた者は、その記章を呼称することができる。
2、外国爵位は、授章した外国が定めている法令にかかわらず本人に限って呼称することができる。この場合、内閣府賞勲局が許可を与えるものとする。
3、呼称する場合は、本章に規定されている各記章の基準に当てはまる基準に従う。
4、本条の規定は、褒章に準用する。
・第6章 位階
+第1節 総則
第79条 位階
位階は、正従1位、正従2位、正従3位、正従4位、正従5位、正従6位、正従7位、正従8位の16階とする。
第80条 叙位基準
位階を授けられるのは、国に功績がある者、一定の成績を修めた者、一定の階級もしくは職位にある者とする。
2、叙勲された者は、その勲等に応じて位階を授けられる。
3、詳しい叙位基準については、それぞれの位階において政令を定める。
+第2節 正従1位
第81条 正1位
正1位は、大勲位菊花頸飾を与えられる。
第82条 従1位
従1位は、大勲位金鵄頸飾または大勲位菊花頸飾が与えられる。
2、前項の場合、軍属または軍人であれば大勲位金鵄頸飾を、その他の者であれば大勲位菊花頸飾が与えられる。
+第3節 正従2位
第83条 正2位
正2位は、大勲位菊花大綬章とする。
第84条 従2位
従2位は、大勲位金鵄大綬章または、大勲位旭日大綬章を与える。
2、前項の場合、軍属または軍人であれば大勲位金鵄大綬章を、その他の者であれば大勲位旭日大綬章を与える。
+第4節 正従3位
第85条 正3位
正3位は、金鵄大綬章、八雲大綬章、菊花大綬章及び桐花大綬章を与える。
2、軍人は金鵄大綬章、軍属は八雲大綬章、文民は菊花大綬章及び桐花大綬章を与える。
第86条 従3位
従3位は、金鵄大綬章、八雲大綬章、旭日大綬章、瑞宝大綬章及び宝冠大綬章を与える。
2、軍人は金鵄大綬章、軍属は八雲大綬章、文民は旭日大綬章、文民の男は瑞宝大綬章、文民の女は宝冠大綬章を与える。
+第5節 正従4位
第87条 正4位
正4位は、金鵄重光章、八雲重光章、旭日重光章、瑞宝重光章及び宝冠重光章を与える。
2、軍人は金鵄重光章、軍属は八雲重光章、文民は旭日重光章、文民の男は瑞宝重光章、文民の女は宝冠重光章を与える。
第88条 従4位
従4位は、金鵄中綬章、八雲中綬章、旭日中綬章、瑞宝中綬章及び宝冠中綬章を与える。
2、軍人は金鵄重光章、軍属は八雲重光章、文民は旭日重光章、文民の男は瑞宝重光章、文民の女は宝冠重光章を与える。
+第6節 正5位から従8位
第89条 正従5位
正従5位は、金鵄小綬章、八雲小綬章、旭日小綬章、瑞宝小綬章及び宝冠小綬章を与える。
2、軍人は金鵄小綬章、軍属は八雲小綬章、文民は旭日小綬章、文民の男は瑞宝小綬章、文民の女は宝冠小綬章を与える。
第90条 正従6位
正従6位は、金鵄双光章、八雲双光章、旭日双光章、瑞宝双光章及び宝冠双光章を与える。
2、軍人は金鵄双光章、軍属は八雲双光章、文民は旭日双光章、文民の男は瑞宝双光章、文民の女は宝冠双光章を与える。
第91条 正従7位
正従6位は、金鵄単光章、八雲単光章、旭日単光章、瑞宝単光章及び宝冠単光章を与える。
2、軍人は金鵄単光章、軍属は八雲単光章、文民は旭日単光章、文民の男は瑞宝単光章、文民の女は宝冠単光章を与える。
第92条 正従8位
正従8位は、青色金鵄章、青色八雲章、青色旭日章、青色瑞宝章及び青色宝冠章を与える。
2、軍人は青色金鵄章、軍属は青色八雲章、文民は青色旭日章、文民の男は青色瑞宝章、文民の女は青色宝冠章を与える。
・第7章 褫奪、返上及び返還
+第1節 総則
第93条 褫奪
褫奪とは、何らかの法的な理由により、その勲章、爵位、褒章、記章及び位階を、今後称号として帯びることを禁ずることである。
第94条 返上
返上とは、何らかの私的な理由により、その勲章、爵位、褒章、記章及び位階を、今後称号として帯びないことにした行為である。
第95条 返還
返還とは、その勲章、爵位、褒章、記章及び位階を授与された本人の死後、遺族によってそれらを称号として名乗らないということを約することである。
第96条 団体に対する褫奪及び返上
団体に対する褫奪及び返上については、人物に対して行うのと同様の手続きを執る。ただし、褫奪するに値する犯罪については、団体に対して適用される犯罪とする。
第97条 団体の返還
団体は、返還する際は清算をすませるものとする。
+第2節 勲章
第98条 褫奪
勲章の褫奪は、以下の場合に行う。
一 受勲者が、何らかの犯罪において、有罪の判決が確定した場合
二 受勲者が、受勲時に身分を偽っていた場合
三 受勲者が、裁判によってその職を解かれた場合
四 受勲者が、その勲章の名誉を汚した場合
第99条 返上
勲章の返上は、申請によって行うことができる。
2、返上をする場合は、自らの勲等、勲章の種類、返上理由を書き添えて、政令によって定められた書式にのっとり、内閣総理大臣へ提出する。
第100条 返還
遺族による勲章の返還は、勲章の正章を除いて行うことができる。
2、返還をする場合は、個人の勲等、勲章の種類を書き添えて、政令によって定められた書式にのっとり、内閣総理大臣へ提出する。
+第3節 爵位
第101条 褫奪
爵位の褫奪は、勲章の場合に準じる。
第102条 返上
爵位の返上は、勲章の場合に準じる。
第103条 返還
遺族による爵位の返還は、行うことができない。ただし、死後に爵位を褫奪する理由が見つかった場合は、死亡日にさかのぼって褫奪される。
+第4節 褒章
第104条 褫奪
褒章の褫奪は、勲章の場合以外に、以下の事由とする。
一 褒章を与えるための事由が、偽りであった場合
二 褒章を与えるための事由について、重大な犯罪が行われた場合
第105条 返上
褒章の返上は、勲章の場合に準じる。
第106条 返還
遺族による褒章の返還は、爵位の場合に準じる。
+第5節 記章
第107条 褫奪
記章の褫奪は、褒章の褫奪に準じる。
第108条 返上
記章の返上は行うことができない。
第109条 返還
遺族による記章の返還は、爵位の場合に準じる。
+第6節 位階
第110条 褫奪、返上、返還
位階の褫奪、返上及び返還については、爵位の場合に準じる。
・第8章 雑則
第111条 経過措置
本法が施行される前に、既に授与された者については、その栄典を帯びることができる。