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8.語られる真実

「あれは、先週の事だった・・・。

俺、ロケが終わった後、千春にレストランに誘われたんだ」

「千春って、倖田こうだ 千春ちはるの事?」

倖田 千春。

瞳の小学校時代の親友でアイドル。光一とは某番組で共演している。

「その時、千春が言ったんだ」


それは先週の事。某レストランで、光一と千春が食事をしている時の事だった。

「日下部君、15年前の事聞いたよ。

お母さん、轢かれたんだってね」

光一は箸を動かすのを止め、

「何で知ってるんだ?」

と、千春を見上げた。

「プロデューサーが言ってったんだよ。

『15年前、女性跳ねたんだけど、その時の女性が日下部君のお母さんだったんだ』。

って・・・。

あの人、酒飲んで酔っぱらって、急にそう言い出すだもん。驚いちゃったわ」

「そう・・・なんだ・・・」


「それからだよ。

俺があいつを殺そうと計画を立てたのは」

「あの脅迫状、あんたが書いたの?」

「ああ。

お袋が死んだこの玉川で殺してやろうと思ってな」

「成る程、だからロケが急遽中止になったのか」

「ああ、それも計算の内だった。

そして、案の定奴は、俺の誘いに乗って、ノコノコと此処にやって来たよ」


事件当時、205号室に光一と総一はいた。

「千春から聞いたよ。

15年前、俺のお袋を轢き殺したの、あんたなんだってな」

「な、何の事だい?」

とぼけるなよ・・・」

そう言って、光一は包丁を取り出した。

「まっ、待て!違うんだ!

あそこに人がいたなんて知らなかったんだ!」

「知らなかったで済むと思ってんのかよ!?」

と、光一が歩み寄ると、総一は後退あとずさりをした。

「俺はな、ずっとあの事件を恨んで来たんだ!

お前みたいな奴は生かしてはおけない・・・」

そう言って、光一は包丁を、総一の胸に振り下ろした。

「死ねえ!」

グサッ!

──総一の胸に包丁が突き刺さった。

「ぎゃああああ!」

総一は悲鳴をあげた。

(やべっ、誰か来た!)

人の気配を感じた光一は、咄嗟に押入の中に隠れた。

「大丈夫か!?」

その声の主は、

(瞳?)

である。


「俺・・・俺、どうしてもあいつが許せなくてよ!」

「バカ・・・そんな事したって、お前の母さんは喜ぶ訳無えだろ!」

「お前にっ、俺の気持ちが判るか!」

「判るよ!

オレだって・・・オレだって殺人者だ。お前の気持ちくらい・・・」

「瞳・・・。

俺、やり直せるかな?」

そう言って、瞳を見上げる光一。

「大丈夫・・・お前なら、屹度きっと、やり直せる!」

刑事は、腕時計を見て、こう呟く。

「午前0:00ジャスト、小山 光一を逮捕・・・」

「待ってくれ、オッサン・・・。

そいつ、自首させてやってくれないか?」

すると刑事は、食堂を出て行った。

「待ってるからな」

と、食堂の出入り口でそう呟いて・・・。




解決フォー!

所で、エピローグ必要ですか?



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