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2.旅行日誌

東京のマサキ芸能。光一は此処に所属する芸能人である。

「日下部君」

と、廊下を歩いていた光一に、短髪で眼鏡を掛けた女性が声を掛けた。

「何ですか?折笠さん」

折笠おりがさ 清美きよみ。光一のマネージャーだ。

彼女の前で年齢と結婚の話は御法度。

「明日のロケなんだけど、プロデューサーから電話があって中止になったわ」

「中止?」

「ええ」

「そうですか」

光一はそう言うと、携帯を取り出し、瞳の携帯に掛けた。

「光一だけど、明日のロケ無くなったから、一緒に行けるよ」

「分かった。

じゃあ、待ち合わせ場所で待ってるよ」

「待ち合わせ場所って、東京駅だよな?」

「ああ」

「判った。

じゃあな」

そう言って、光一は電話を切った。

「あら、もしかしてデート?」

そう聞くのは清美だ。

「ち、違いますよ」

そうは言ったものの、光一は目が泳いでいる。

「目が泳いでるわよ?」

と、指摘する清美。

「き、き、気の所為せいですよ」

そう言って、慌てて去る光一。

「日下部君!」

清美は光一を引き留めようとしたが、彼にはもう聞え無かった。


翌朝、人がごったがえす東京駅の前。

瞳はそこで、光一を待っていた。

(光一の奴、遅えな。何処ほっつき歩いてんだ?)

と、かれこれ数時間は待たされている。

(瞳の奴、遅いな。何処ほっつき歩いてんだ?)

そう思ったのは光一だ。どうやら、二人は同じ場所にいる様だ。

「あれ、瞳?」

そう言ったのは光一。

「お前、此処にいたのか。捜したよ」

「オレだって」

と、振り向く瞳。

「じゃ、行こうか」

そう言って、駅に入って行く二人。


秋田新幹線車内。乗っているのは、瞳と光一。一応、自由席に座っている。

目的地は、玉川温泉である。

「それでな、これから行く所は、酸性がとても強く、観光名所としては、かなり有名なんだ」

と、玉川温泉について説明する瞳。光一はそれをしっかり聞いている。

「後、岩盤浴。女性に一番人気らしいぜ」

「でもあそこって、放射線が出てるんだろ?そんな所にいて大丈夫なのか?」

「そうは言っても、直に浴びる訳じゃねえし、問題ねえよ」

「そうなんだ」

と、楽しそうに話してる二人。この後、二人に悲劇が起ころうとは、まだ知る由しも無い。


「ほら、あそこに流れてるのが、玉川の源水だ」

そう言って、湯気が吹き立つ川を指差した。

「そう言えば、この辺りって、火山のふもとに当たるそうだよ」

「おっ、よく知ってんじゃん!

そう、その影響もあって、この川は温かいんだ」

「それより先にホテル行こうぜ。

俺、荷物置いて行きたいし・・・」

「そうだな」

と、二人は先日予約したホテル、新玉川温泉を目指した。


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