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ワケシャ  作者: 和正


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1/2

ワケシャ

とりあえず書いてみます

「先輩ここなんなんすか?」



「うるせぇな、ただの車屋だよ…お前オシャベリみたいだからな…あんま変な事きくんじゃねーぞ」



俺の名前は白石幸一(シライシ コウイチ)36歳

なんの因果か反社会的組織いわゆるヤクザにお世話になる事になって3日目、初めて事務所の外に出てきた。



一緒にいる上下黒のスーツの先輩は兄貴分の黒崎蓮司(クロサキ レンジ)歳は俺とほとんど変わらないみたいだ。一見優しそうな見た目をしているが、キレたらやばい人なんだろうか…



今俺たちは移動の為の車をもらいに街外れのスクラップ場?にしか見えない所に来ている。



「先輩ホントにこんなとこで車貰えるんですか、ガラクタばっかりですよ…」



「黙ってついて来ればいいんだよ」

そういって先輩はスクラップの間をどんどん進んで行く。



突然開けた場所に出た。

広場の奥に工場の様な建物がある。

「着いたぞ、お前静かにしとけよ。めんどくせーから」


「おい!来たぞ」先輩が工場の奥に声をかけると整備中の車の下から頭にタオルを巻いた50歳くらいの無精髭の男が出てきた。




「おー、思ったより遅かったな。ゆっくりしてけよ」



「お前が歳食った新入りか、なんか飲むか?」



工場の中に自販機がある、がよく見ると3段有るラインナップが全て「おしるこ」のみ。

そこでちょっとヤバイ所に来てしまったと気づいた。


「やっぱり喉乾いてないんで大丈夫です」

おしるこの缶を開けながら男は言った。

「良いのかよ?うめーのに」

そう言うと男は一口でおしるこを飲み干した。

「おぉ言い忘れてたな俺は真壁(まかべ) 克己(かつみ)

ここの整備士だ、よろしくな。かっちゃんでいいよ」

見た目に反してフランクな話し方で、おしゃべりが好きそうだ。



よろしくお願いしますと会釈していると

黒崎が面倒くさそうな表情で言った。

「車は準備出来てんのか?」



真壁は待ってましたと言わんばかりに嬉しそうに手を擦り合わせた。

「見るか俺の力作⁇」

表情から察するにかなりの車好きなようだ。

そんな真壁に黒崎はもううんざりと絵に描いたような顔をしている。


工場の奥に少し進むとカバーのかかった車があった、

これが今回の目的の車の様だ

「お前そっち持ってくれ、いくぞ、せーのっ」

真壁の掛け声と共に俺はカバーを一気にめくった。



出てきた車はガラスの様に艶があり、工場の薄暗い中でも美しさがわかった。少し古い雰囲気を感じる見た目の車だがヘッドライト、ホイールも丁寧に磨かれているのか新車の様な艶を放っている。



車の美しさにあっけに取られていると黒崎に肩を肘打ちされ我に返った。黒崎はこの美しい車を見ても表情ひとつ変えず一言「またやりやがったな」とこぼした。

「面倒くさくなる前に帰らねーと」と続けて口にした時、

満面の笑みでこちらを見ているかっちゃんが、そこにいた。




そして静かに車に手を添え、ゆっくりと語り始めた。



「1991年(平成3年)は、湾岸戦争勃発やソ連崩壊により冷戦が終結した世界激動の年であり、日本ではバブル崩壊、雲仙普賢岳の火砕流、若貴ブームやジュリアナ東京の開店など、社会・文化が大きく転換した1年だった。また宮沢りえのヌード写真集「Santa Fe」が社会現象となり、ドラマ『東京ラブストーリー』などトレンディドラマも人気を博した。(7連載「世界が震えた1991」一覧:朝日新聞)


そんな、世界が混乱と希望、宮沢りえの乳首に浮き足立っていた1991年。日本が誇るトヨタ自動車から産声を上げたのがこいつ(アリスト)だった。」


かっちゃんはもうこちらを見ているようで見えていない。

完全にあちら側の世界に入っている。


「なんと言ってもこの車、初代アリストの味わいはそのボディーデザインにある。バックトゥザ✖︎✖︎で有名なデロリアンも手掛けたあのジウジアーロが立ち上げたイタルデザインによって練り上げられた造形は日本車の生産性を考慮しながらもジャガーを彷彿とさせる流れるようなボディーラインが特徴で、最上。最高の目的。というアリストという名前に違わぬ、贅沢に280馬力の高出力エンジンを搭載している事も相まって バブルの終わりの儚ささえ漂ってくる名車だよ。」

アリストのボディーラインにも負けない滑らかなスピーチに没入している俺がいた。



「もう終わったか?」

先輩はもううんざりしたようで4本目のタバコに火をつけた。



かっちゃんは静かに言った。

「おい、ここ禁煙だぞ」



「うるせー、なげーんだよ。早く鍵渡せ」

かっちゃんはしょんぼりして奥に鍵を取りに行った。


「この車結構古そうですよね?こんなに綺麗にしてくれるもんなんですか?」


「なワケねーだろ!あいつが頭おかしいだけだ、普通は渡されたまんまだ。事故でもやってりゃ別だけどな」


とぼとぼと戻ってきたかっちゃんから鍵をもらい黒崎が耳元で何か囁くと、真壁も何か耳打ちして工場の奥に帰って行った。


気づけば日も落ち外は暗くなっていた。


「初仕事いくか。」


第一話 完






























初作品なので完璧は目指さずとりあえず書いてみました。

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