平野浩一郎:序 下村沙希:序
一人ずつだと短すぎたので、二章まとめてお送りします。
三流、とまでは行かなくとも、一流ではない。二流といったところか。
俺は二流ゴシップ誌『ダイニング』の記者だ。今は、大本氏自殺についての記事を書いている。
二流雑誌っていうものは、真実でなくても人の気を引くタイトルをつけねばならない。俺は昔から、そう教わってきた。
それに習って、今、スキャンダラスなタイトルを考えているところだ。
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五年ぶりにあった神成は、多少、老けて見えた。といっても、揃った目鼻立ちは、衰えることなく、三十三になった今も、モテるのだろうな、と思った。
今日は、五年ぶりの同窓会。前回会ったときは、皆二十八だったから、活気に溢れた同窓会だったけど、今回の同窓会は、しみじみと青春を思い出すものとなった。
神成は、中学三年生のときに出来た、私の最初の彼氏だ。私は、すでに結婚していて、子供もいるが、神成は未婚らしい。さっきも思ったけど、かなりモテると思う。
今回の同窓会には、前回来なかった、平野が来ていた。『ダイニング』という雑誌の記者をやっているらしい。
中学校時代、平野とはいい思い出が無かった。私の事が、好きだったらしい平野は、神成のことを激しく嫌っていた。
そんな思い出を語らいながら、平野とメールアドレスを交換した。今では皆、いい思い出だ。
前から言おうと思ってましたが、読んでくださいっている方、本当に感謝しています。
ずうずうしいのは承知していますが、感想、レビュー、評価などしていただけると、うれしいです。更新スピードも上がるかもしれませんw