外伝:『スエズに道を刻む者たち』 - 新スエズ運河開通式典 公式祝辞より抜粋-
以下は、新スエズ運河の開通式典(黒川式運河開削から200年後)における、エジプト大統領の公式祝辞の一部として構成したものです。
新スエズ運河開通式典 公式祝辞より抜粋
エジプト・アラブ共和国大統領 ハーリド・ファーリス閣下
「本日ここに、我が国エジプトは、新たな一章を歴史に刻みます。
総延長320キロ、100万トン級の商船が並行して通航可能な“新スエズ運河”の開通は、アフリカとアジア、そしてヨーロッパを結ぶ“文明の動脈”として、人類全体の未来を切り開くものです。
だがこの時――我々は忘れてはなりません。
今からちょうど200年前、砂に埋もれていた旧運河跡に希望の杭を打ち込んだのは、
東の島国・日本よりやってきた使節団、黒川真秀氏とその参謀たちでありました。
彼らが築いた“黒川式運河”――それは、単なる水路ではなく、文化と交易、そして信頼を運ぶ“知の通路”であったのです。
賀茂清之助氏が鍛えた鉄の獣は、如月千早氏の理によって動き、茶屋四郎次郎氏の交渉術はこの地の民と心を結びました。
オスマン帝国下の時代にあって、あの異邦の青年たちは、“征服”ではなく“共創”を選びました。
そして驚くべきことに――その運河は、我々が今日まで200年間、絶えることなく使い続けてきたのです。
それは、彼らが残した構造の強さであり、思想の深さであり、何より“未来を信じる心”の証であります。
本日、私たちは新たな水路を拓きました。
だがその水は、先人が通した道の上を、今もなお流れています。
彼らの築いた石は今もなお、私たちの礎である。
だからこそ私は、声を大にして言いたいのです――
**『これはエジプトの勝利であると同時に、200年前の“友情”の勝利でもある』**と。
ありがとう、真秀よ。
ありがとう、日本の友人たち。
この運河は、いつまでも、あなたたちと我々をつなぐ“未来の航路”であり続けます。」
おまけでした。




