これまでのあらすじ
第三章開始です。
よろしくお願いいたします。
戦国時代の日本、朝倉家の家臣として名もなき存在であった黒川真秀は、現代の記憶を持つ転生者として目覚めた。彼は、戦乱の世にあって戦争よりも経済を軸に権力を築くことを決意し、朝倉家滅亡後、織田信長の下で越前の統治を任される。
黒川家は、従来の軍事中心の支配ではなく、商業と交易による経済力を基盤とした支配体制を構築することを目標に掲げた。越前敦賀港を拠点に、堺・長崎・博多・琉球との交易ネットワークを拡大し、日本の経済基盤を確立していった。
堺の商人たちは、黒川家の台頭を脅威とみなし、さまざまな妨害工作を仕掛けたが、黒川家は織田信長の後ろ盾を得ることでこれを跳ね除け、最終的に堺の商人を傘下に収めた。また、明国との正式な勘合貿易を復活させることで、黒川家は日本の貿易を統括する立場を確立する。
しかし、新たな課題が立ちはだかる。ポルトガル・スペインといった南蛮勢力との交渉が本格化し、東南アジアの貿易市場を巡る競争が始まる。また、織田信長の天下統一が進むにつれ、黒川家が持つ独自の商業国家構想が、信長の戦略とどう折り合いをつけるかが問われることになる。
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[ 登場人物リスト(第一章〜第二章)]
* 主人公
黒川 真秀/神谷 優斗
- 現代日本からの転生者。元サラリーマン。
- 戦国時代では朝倉家の軍師として覚醒し、黒川家の当主に。
- 「知識と信義」で越前を商業国家として再建し、信長とも通じる。
★ 黒川家側の主要人物
黒川 篠
- 真秀の妻。聡明で家庭と家中を支える賢婦人。
- 真秀の外交や商業戦略にも理解が深く、政略結婚ではなく心からの伴侶。
斎藤 友継
- 腹心の家臣。元は朝倉家の古参。
- 武勇と忠義を兼ね備えた実直な武士で、真秀の行動の実働部隊。
賀茂 清之助
- 鍛冶・技術職人の頭。発明力と実行力に優れた黒川家の技術中核。
如月 千早
- 元医家の娘。現在は黒川家の文官として活躍。
- 教養・語学・化学など多分野に通じた才女。のちに教育の象徴的存在に。
永泉
- 真秀の幼なじみで、一向宗の若き僧侶。
- 信仰と現実のはざまで揺れながらも、黒川の政教分離の方針に理解を示す。
千賀
- 黒川家の賄い役。内政や台所事情にも目を光らせる頼れる女性。
- 軽妙な口調で家中のムードメーカーでもある。
村井 庄兵衛
- 越前の有力大庄屋。年配の実務派で領民のまとめ役。
- 黒川の政策に協力的で、経済改革を後押しするキーマン。
★ 織田家・その他大名関連
織田 信長
- 黒川家の後見人となった天下人。真秀の才能に興味を持ち、試すような言動が多い。
- 黒川の「戦わずして富む」路線を認めつつも、「戦の意味」を問い続ける存在。
柴田 勝家
- 織田家の有力武将。初期は黒川に警戒的。
- のちに協力路線に転じ、信長の下でバランスをとる武断派。
津田 宗及
- 堺の茶人・商人。茶の湯文化と商業をつなぐ存在。
- 黒川の外交にも絡み、経済・文化面で重要な役割を果たす。
ポルトガル商人・ルイス
- 長崎を拠点とする南蛮商人。
- 黒川の語学力と交渉術に驚き、のちに交易の協力者となる。
★第ニ章から登場・活躍が増す人物
間宮
- 黒川家の密偵組織「警邏組」の筆頭。
- 闇取引の摘発や商業妨害の防止など、影の実力者。
坂口 勘兵衛
- 若手の書記官。如月のもとで経済記録や統計管理を学び、補佐的役割を担う。
真田の密使(仮名)
- 情報戦のなかで、他国の動きを探る影の存在。
- 本格的な外交・諜報戦への導入を担うキャラ。