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夢の途中 ep8

佳穂ちゃんに何度謝って、「また今度にしますね。」溢れんばかりの笑顔に癒された鈴花はスーパーに寄り、買い物を済ませて家に帰ると、礼奈の部屋から声が聞こえてきた。扉を少し開けて中の様子を見ると、ゲーム配信中だった。画面を見ても分からなかった鈴花は扉を閉じて、今日の夕ご飯の準備に取り掛かる。今日はカレーで豚のお肉が3割引きで置いてあるのを見た時に、ときめいて買ってしまったが後悔はしていない。


下ごしらえをして肉を焼き野菜を入れ、水を入れて沸騰したら灰汁を取り続けカレーのルーを入れて弱火でひと煮立ちさせる。料理のオトモにいつも聴いている歌の配信をしている人のを流している。男性の配信者で歌がとにかく上手くて作詞作曲まで手がけている人で声質の幅が広くポップ調にロックやバラードなんかも歌い幅広い層からの支持者がいる有名な配信者だ。結構昔からいたが何年か前に休んだ後、復帰してここ数年は休みなく1週間に最低1本は動画を上げている。


動画の歌を聞きながら鍋をかき混ぜているとれいちゃんが短パンにダボダボなTシャツで部屋から出てきた。今日1日家から出てない格好だ。


「この暴力的な匂いで、配信中にお腹なっちゃって視聴者に笑われちゃったよ。」


「まあ、匂いはしょうがないじゃない。それはそうとたまには人参入れてもいい?」


そう言うと頭の上に手をクロスさせてバツマークを作る。れいちゃんは意外と嫌いな野菜が多い。食べられるものもあるけど、物によっては炒めたら食べられるのに温野菜だと食べれなかったりと変な所で野菜を食べない時がある。結構偏食化だけど、基本何でも食べられる。1番の苦手なものに香りの強いものを上げている。


「わかったわ。それより冷蔵庫に入れてあったおにぎり食べなかったの?駄目じゃないご飯食べないと。」


「いやさ〜、昨日寝苦しくて寝れたの遅くて配信前に起きて慌てて配信したから食べるの忘れてた。ごめん!」


拝むように両手を合わせて謝る礼奈にため息付をつくもしょうがないかと苦笑する。「気にしてないから良いよ」と言うと笑顔で食卓に置いてある私の携帯の画面を見た。


「あ、この人最近よく見てるよね。なに?気に入ったの?なんだっけ?カメレオンって名前の人だっけ?」


「うん、そうだよ。最近よく投稿しててね。歌もいいんだけど、歌詞が特に良いんだ〜。一瞬で虜になっちゃったよ。」


ふーんと、興味なさそうな返事で画面を見ていると歌が終わり最後の雑談になるが今日は重大な発表があると画面には本人は映っていないが、火を止めて礼奈隣に座り、配信者の言葉を待った。


「いつもは歌を最後まで聴いてくれたことへの言葉を言うところなんですが、今回私の楽曲を提供したい方がいらっしゃったのでその方たちが聴いていることを願って告知をさせていただきます。」


本当なら感謝の言葉を述べて配信を終わるのに、こんなサプライズが待っているとは思わなかったと、鈴花は嬉しそうに画面にしがみつくように見ていた。


「後日その会社の社長から聞くことになるとは思いますが、先出しの許可を頂いたので言わせて頂きます。今回楽曲を提供する会社は・・・○○○会社に所属している配信者でずかさんとれいさんです。一応、妹グループがあるらしいのでその子達の分の楽曲も提供する予定ではあります。」


まさかの所属事務所の会社の名前と自分達の名前が挙がるとは夢にも思わなかった鈴花と礼奈、数分何を言われたのか分からなかった。

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